白銀の世界で遭難!怖いよね…
舞雪の山――一年中雪が降り頻り、常に白銀の世界を堪能できる地域…もっとも、冬本番の内はそんな余裕などないが。
「カティ、何か変じゃない?」
「うん…変ね…」
何度か来た事のある二人は雪山の異変に気がついた。とても単純な異変なのだが。
「雪、少なくない?」
「えぇ、夏でもこんなに少なくなかったわ」
ちなみに一番最近カティがこの地域に来たのは魔術祭直前、学園長のアルバイトの時、九月だ。
その時でもやはり地域は一面の雪景色だったのだが、今は地の地面すら見える場所さえある。二月なのに…。
「何かあったと考えるべき…、…ヴェク?」
「冒険だぁー!」
相変わらず無鉄砲なヴェク。雪山を全力で走って行ってしまった…。
「こら!待ちなさいヴェク!」
追いかけ始めるカティ。
「僕たちも追うよ。行くよ、マリィ!」
「はい!アズラ様!」
ヴェクを追いかけるカティを追う二人。
しばらくして…
「完全に…見失ったね…」
「うぅ…アズラ様、寒いです…あっためてください…」
そう言ってアズラにくっつくマリィ。一応防寒はしているので、目的はアズラにくっつくことだろう。
「二人を探さないといけないから後でね」
「あんっ!」
スッと離れるアズラ。悪気はないはずだ。
寄りかかっていたマリィは少しバランスを崩したが、すぐに立て直した。声が妙に色っぽかったのはたぶん気のせいだ。
「姉貴ー…兄貴ー…」
近くの雪の固まりから声が聞こえる。
当然その声は…
「ヴェク!」
「お兄ちゃん!」
急いで雪に駆け寄り、雪を退ける。
なんと!その下にはヴェクが埋まっていた!(某RPG風に)
「うう…助かった…ありがとう兄貴…」
「まったく…少しは考えて行動してよ…?」
「あとはお姉ちゃんだけ…」
「まずいわね…」
運良く合流できた三人とは違い、カティは一人、雪山をさまよっていた。
「あら…?カティちゃん、約束通り来てくれたの…?」
カティに話しかける声。
「あ……」
「ううー、寒い寒い…」
寒そうなヴェク。どうやら暴走し、臨死体験をしている内に、防寒装備をなくしてしまったようだ。
「あ…焚き火がある…」
ふらふらと怪しい焚き火に近寄るヴェク。
「…!?ヴェク!それ魔物だ!」
「え!?」
なんと!焚き火と思っていたのは炎の魔物だった!(再び某RPG風に)
台風の影響で休みが降って湧きました。なので学校ではなく家で更新しています。
昼から学校ありそうなのですけどね…。