強制連行?雪山再び!
「舞雪の山に行くわよ!」
アズラ、マリィ、ヴェクの三人に集合をかけたカティが急に宣言する。
「え…この時期にあそこに行くの…?」
ちなみに二月である。
「どうしても行かないといけないの。ついてきて」
「面白そうー、行く行くー」
「マリィはアズラ様が行くなら…」
「ということで行くわよ!」
「僕の意見は…?」
「多数決。2対1よ」
マリィは中途半端な意見なので入っていないようだ。
「確かに、ちょっと吹雪とかはマシになってるかもしれないけど…」
行きたくないアズラに…
「来て…くれないの…?」
うるうるした瞳でカティが見つめる。ちなみにカティは相変わらずの美少女である。
「うぅ…わかったよ…」
しぶしぶ同行を決定するアズラ。しかし彼の場合、美少女が頼んでいることより、相手が泣きかけていることが決め手だろう。
「よし、決定!行くわよ!」
けろっと笑顔に戻るカティ。演技だったようだ。
「…騙された…」
少し落ち込むアズラ。その隣では…
「…お姉ちゃん…」
マリィがなにやら恨みを込めた目でカティを睨んでいる。
「…マリィ、アズラとかほかの男を上手く扱う方法を覚えなさい」
「じゃあさっきのは…?」
「当然、アズラをその気にさせるためじゃない。安心しなさい」
「うん!」
どうにもマリィは実の姉がアズラを狙っているのではないかと疑っていたようだ。
「まぁ、言ったからには行くけど、ちゃんと寒さ対策はして行ってよ?」
「大丈夫、その辺は去年学習したわ。あの時の失態なんて繰り返さ…あっ!」
話の途中で口を滑らせたと、話を中断するカティ。
「なにやったの!?姉貴!」
「大丈夫!何もないから!」
「うん!何もないよ!」
「どうしてアズラ様まで否定するのですか?…まさか…」
良からぬ雰囲気を感じ、だんだんと表情が穏やかでなくなっていくマリィ。怖い…
「浮気なんて許しませーん!」
「何の事かわからないけどごめーん!」
結局、舞雪の山に向かう事に変わりはないですが。
今までの話を覚えていれば、今回の雪山に行く目的もわかるかもしれません。
次回は…約二名遭難します。誰かは…簡単にわかりますね…。