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初めての授業

「魔術とは、人間に備わった力を使用して意識的に奇跡を起こすものである」

と、魔術学の教師は言った。




アズラたちは今日の午前中に魔術学1、午後に術式1を受けることにした。

片方は明日でもよかったのだが…


「果物が食べたい〜」


そう、サクヤが騒ぎだしたからである。

どうにも彼女はハウルの言っていた『学びの木』の{おいしい果物」が食べたいらしい。

この二つを履修すれば一年生のみで学園から出る許可をもらえる。


購買で買えばいいと思うのだが、五人ともお金がない。

テムダも興味はあったようでサクヤに賛成、双子の弟のエンカも当然同意、のんびり進もうとしていたアズラとカティは多数決によって敗れた。



「まぁ、お金が無いのも困るからね…」


「そうね…果物を売って少し足しにしましょう」


アズラとカティは自分たちの意見が通らなかったことを不服に思いながらも、前向きに考えることで不満を解消していた。

カティの男に対する苦手意識はアズラやテムダに対してはもうなくなったようだ。もっとも、エンカはそれなりに長い付き合いなので、もともとなかったみたいだが。




で、授業では魔力の扱い方や魔術の制御などの『安全に』『正しく』魔術を使うことを学んだ。


五人とも理解したため、なんの苦もなく『履修完了』の印をもらった。




午後の術式1、戦うための魔術を習う授業だ。


術式とは詠唱が必要だが効果の宣言は不要。ただし名称の宣言が必要で術式には例外がない。故に簡単だが対処も容易という魔術だ。


今日の術式1で習うのはレベル1の術式三つ。

無属性攻撃魔術『ブラスト』、基本防御魔術『シルド』、基本回復魔術『ヒール』だ。



授業では、まず詠唱の呪文、(といってもレベル1なので短い)を覚える。その後に教師の手本を見て実践をするという手順だった。

アズラたちはサクヤがなかなか詠唱を覚えないというアクシデントがあったが、全員無事に履修完了した。




「まったく、言い出しっぺがなにやってんだ」


「えへへ〜ごめんね〜」


「サクヤが物覚え悪いのは昔からよ」


「うわっ、ひどいよカティ」


「………」

ハア、と呆れた様な目でジロッ、とサクヤを見るエンカ。


「うわぁ、エンカまでアタシの敵に!アズラ〜助けて〜!」

とアズラに助け舟を求めるサクヤ。

しかし…


「…アズラなら今ここにいないわよ」


アズラは今、学生課の隣にある地域案内所に行っているためいない。


「アズラ〜早く帰ってきて〜」そうサクヤが叫ぶと…


「なに?呼んだ?」


噂をすればなんとやら、アズラが帰ってきた。


「アズラ〜アタシバカじゃないよね〜?」


「え?え?」


「みんながね〜アタシのことバカにするの〜」


「えーっと…バカじゃないと思うよ。けど…」


「けど?」


「ちょっと、物覚えが悪いと思うな…」


「え〜んアズラまで〜」

泣き出すサクヤ。


「…ほっとこうぜ」


「そうね」


無視を決めこむ二人とそれに同意する二人。


「ところでアズラ、どうだったんだ?」


「あ、そうそうそれなんだけど、『学びの木』は術式1だけじゃ厳しいって。もう一つ魔術があった方がいいんだって」


「まじかよ、じゃあ諦めるか…」


「やだ!!!」


いつの間にかサクヤが復活していた。


「そんなこと言ったってもう一つよ?そんなに大急ぎでいいの?」


「いい!!!」


「わかったよ…習えばいいんだろ…」


諦めたようにテムダが言う。ほかの三人も諦めたようだ。学生課で明日の授業を申請して寮に帰ったのだった…。

えーっと、一日更新しないとアクセス数がとても少なくなりました。少しショックです。

次回は学園外に出ます!果たしておいしい果物は手に入るのでしょうか。

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