第六章章末イベント〜魔術祭!学園バトルロイアル!?1
時は秋休み。
あまり世間一般には馴染みのない言葉だが、三ヶ月おきに休みのある学園には当然のように存在する言葉だ。
で、ある日の朝、アズラの部屋。
「アズラ様ぁー!起きてくださいー!」
「うわぁっ!?」
飛び起きるアズラ。その横で元気ににこにこ笑っているマリィ。
「今日から魔術祭ですよ!早く行きましょう!」
「わかったけど…開会は9時からだよ?まだ二時間あるんだけど…?」
「あ…ごめんなさい…」
しょんぼりと落ち込むマリィ。
「あー…うん、わかった。じゃあ適当に9時まで時間潰そう」
「は、はい!」
で、9時、開会式が行われる講堂―もっとも去年と同様、平地になっていたが―に集合した五人…五人!?
「あれ…?エンカとサクヤは?」
「どうせまた、寝坊してんじゃねぇの?」
「恒例だね…」
そんな話をしているうちに、開会式が始まる。
「は〜い!これより〜魔術祭の開会を宣言しま〜す!」
「「「え!?」」」
「……解説は…わたくし、エンカ……」
「司会進行はアタシ、サクヤでお届けしま〜す!」
「あの二人…いないと思ったら…」
「あんなとこにいたんだね…」
「つーか大丈夫なのか…?」
だが予想に反して、その後の司会は、特に問題なく進んだ。
「じゃあどうしようか?」
「昼からは師匠が大会に出るらしいから、それ見に行きたい!」
「じゃあ昼からは闘技場だね?それまでは…自由時間でいいよね?」
「えぇ、じゃあ解散ね」
解散との発言をうけて、その場を離れようとするアズラ。
しかし当然…
「アズラ様、いっしょにまわりましょう!」
「え!?ちょっと!」
アズラを引きずって連れて行くマリィ。アズラの意思など完全に無視だ。
「ちょ、ちょっと!助けて…「さぁヴェク、行きましょ」…え、ちょ…「兄貴、マリィをよろしくな!」」
助ける気ゼロだ。
「仕方ねぇな…俺が…?ぐはぁっ!?」
「マリィ、楽しんできなさいよ〜」
満面の笑みで二人を見送るカティが、ポケットに何か隠したのは気のせいだろう。
テムダが気絶している事実は変わらないのだが。
その後結局、午後になって、カティに叩き起こされるまで気絶していたテムダ。
誰が悪いのだろうか…?
―二度目の魔術祭が始まった―
今回の章末イベントは七話になりました。
そのうち五話が戦闘パートという構成です。
なんか反動来そうです…。