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誘拐事件、天才魔術師と究極剣士5

「兄貴!」

「アズラ様!」

「なっ…!?」

「…二人を…返せ…」


ボロボロになりながらも、なんとか死霊の大樹にたどり着いたアズラ。その気迫は凄まじい。


「だ、大丈夫ですぜ!こっちには人質がいるんですから」


「そ、そうだな!おい!この二人が大事ならそこを動くな!」


「なっ…!?っ…!」


アズラの動きが止まる。


「アズラ様!?」

「オレ達の事はいいから、戦って!」


「へへ…いい子だ…。そのまま動くなよ…?」


「アズラ様!!」


「ごめんね、二人とも…。助けてあげられなくて…」



汚く笑いながら不良が近寄る。アズラは抵抗しない…。




その時!不良の足元にトントントン!とナイフが刺さる。


「相変わらず汚い手ばかり使うんだな、メゾ、グル!」


アズラの頭の上から声がする。


「なっ…お前は…ヴァン!」


木の上にヴァンが立っていた!


「おい!こっちには人質がいるんだぞ!」


「そうですね。ではそちらを助けましょうか」


ファルがアズラの前に現れる。

その瞬間、ヴェクとマリィを抑えている不良二人の背後になぜかファルが現れた。

ガキッ!と刀がプロテクターに当たる音が二ヶ所で鳴り、二人のファルがそれぞれヴェクとマリィを抱えて戻ってくる。


アズラの後ろに二人を置くファル。


「ご苦労さま、ゲンガー、幻影、解除ミラージュ・オフ!」


ファルのその言葉で二人を抱えてきたファルが消える。どうにも、これは彼女の能力のようだ。


「では、巻き添えの心配もなくなったことだし、排除するか」


「ちょ、ちょっと待て!お前の管轄は輝きの森だけじゃないのか!?」


「関係ない。厳密に言うなら、わたしの管轄は森林エリア全域だ。そこを汚すゴミの掃除も、仕事だ。《テンペスト》」


ヴァンがそう宣言すると、辺り一帯にバリバリバリ、という音が響き始めた。

次の瞬間、四方八方に電撃が走り、不良四人を一撃で戦闘不能にした。



「ふん…奴らの汚さは変わっていなかったか」


「「あの…」」


「ん?」


「「助けてくださって、ありがとうございます…」」


「あぁ、それはどうも。ただアズラをこんなにボロボロにしたのはわたしでな。まぁ、その責任みたいなものだ」


「「え!?」」


「さて、君たちも疲れただろう。ファル!」

「はい」


ヴァンの呼びかけでファルが空間干渉を行う。


「え!?ちょっと!」


「行き先は病院室ですので、怪我があるなら診てもらってください」


満面の笑みで二人に告げるファル。


「兄貴ぃ〜!」

「アズラ様ぁ〜!」




「あの…」


「どうした?」


「僕、ボロボロなんですが、どうして歩きなんですか?」


「聞きたいことがあるからだ」


三人は輝きの森を歩いていた。


「…早く帰らせてください」


「ふむ、では聞くが、どうやってブレイズの炎を止めた?」


「えっと…あの時はひたすら必死で…、炎が来たからとりあえず自然術を使ったというか…ただ、それだけです」


「ふむ…次だが、わたしの見積もりでは中級魔術が使えないみたいだが、どうだ?」


「えぇ、なぜだかわかりませんが、使えません」


「いったいどうなっている…?それだけの魔術の才能がありながら、中級ごときが使えないとは…?」


「あの、ヴァンさん?」


「なんだ?」


「ヴァンさんは、輝きの森に住んでるのですか?」


「あぁ」


「どうしてですか?ヴァンさんのような魔術師が…」


「聞きたいか?」


「できれば」


「なら、話してやろう」


「ヴァン!?」


「構わない。話す気になったのだ」


「そうですか…」




―究極の魔術師の過去が、明かされる―

次回で第五章は終了です。

人を徹底排除するヴァンの過去とは?

ファルがヴァンに着く理由とは?

お楽しみに。

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