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誘拐事件、天才魔術師と究極剣士3

「奴ら、そろそろ『アイツ』にやられましたかねぇ?」


「そうだな、あの恐ろしいバケモノ相手じゃ奴らなどひとひねりだ!」


「あんな奴でも役に立つことあるんですねぇ」


「まったくだ!アッハッハッハ」


「ヒャヒャヒャヒャ」 


主犯の二人が笑い出すと、子分の四人も笑い出す。やはり不良は群れるようだ…。




 

「通してください!死霊の大樹に行かないと弟たちが!」

「三年生に誘拐されたんです!」


「ほぅ…聞くだけ聞いてやろう…」




「なるほど…それはかわいそうに…」


「そういうことなんです。通して…くれますか?」


「駄目だ」


「どうして!」


「ここは誰も通さない。ほかの道を行け」


「そんなことしたら間に合いません!」


「わたしの知ったことではない」


「…なぁ二人とも…こっちは三人いるんだし、こいつを倒して進もうぜ…」


テムダが聞こえないように二人に話す。


「面白いことを言うな。ただ、わたしに勝てると思うのか?」


いつの間にか後ろに回っていたヴァン。


「なっ…、しめた!今だ!」


前にヴァンがいなくなったことに気付き、駆け出すテムダ。


「無駄だ…」


瞬時にテムダの前に移動し、空間干渉でテムダを二人のもとに戻すヴァン。


「たかだか二年三人でわたし勝つだと…?面白い、ならゲームをしよう」


一つの提案をするヴァン。


「ゲーム…?」


「そう、ゲームだ。ルールは簡単、百メートルほどの距離をわたしの妨害を避けて走り、わたしを突破すれば君たちの勝ち。一切の妨害をせず、ここを通そう」


「できなかったら…?」


「全員、病院室行きだ」


「拒否した場合は…?」


「通ろうとするなら全力で排除する。帰るなら邪魔はしない」


「…わかった、受けるわ…。いいわね?二人とも」

「あぁ!」

「うん!」


「いいだろう。あと一応言っておくが、脇道に逃げるのはナシだ。逃げた場合、わたしの友が君たちを狩る。楽しませてくれよ…?」


そう言うとタン、タンと二回後ろに跳び、大きく距離をとるヴァン。そして足元に線を引いた。


「この線を越えれば君たちの勝ちだ。手段は問わない。さぁ、スタートだ!」


スタートの宣言の直後、凄まじい風が吹き始めた。

とてつもない向かい風、とても進める状態ではない。


「自然術…?しばらくすれば止むわ!」


大声で叫ぶカティ。風の影響で声もなかなか聞こえない。

しかし風は一向に止まない。それどころかどんどん強くなっている。


「カティ!これ術歌だ!」


アズラが叫ぶ。


「えっ…?嘘…始めからあんなに強かったのに…?」


「んなことよりやべえぞ!このままじゃ吹き飛ばされる!《行けっ!》」


投影で槍を造り、ヴァンに向かって飛ばすテムダ。しかし槍は数メートル飛ぶと失速し、落ちてしまった。


「《ハイ・ブラスト!》」


カティもハイ・ブラストを放つが、暴風の前には無力。あっさり散ってしまった。


「これなら…?《グランド!》」


隆起した大地が走る。

ガン!ガン!ガン!と音を立てながら、ヴァンに向かう。

直撃する直前、術歌を終了し、岩の槍を回避するヴァン。

風は止んだ!



「走るわよ!」


カティの合図で駆け出す三人。

ただ二十メートルも走らない内にその足は止まった。

巨大な結界に縛られたのだ。



「《行け…》」


ヴァンの号令で、様々な武器が現れた。剣に槍、斧に銃などだ。


「「「《ハイ・シルド!》」」」


三人は次々に盾を生み出し、攻撃に耐える。

砕け、割れ、切り裂かれる大量の盾。

しかし、百数十本の武器を防ぎきるのは困難だったが、なんとか防ぎきった。



再び駆け出す三人。しかし…


「なにっ!」


テムダが怪しげな空間に飲み込まれる。次にテムダが見た光景は…?


「まず、一人だ…」


両手で大きな剣を持ち、今にもそれを振り降ろそうとするヴァンだった…



「グワッ!」


学園に転送されたテムダ。

一撃で魔力をごっそり持っていかれたのだろう。

凄まじい威力だ。



残り五十メートル。走り続ける二人。


「止まったほうが…いいと思うぞ…《ヘルフレイム…》」


ヴァンが急に話し出す。


「え!?」


足を止めるアズラ。

しかしカティは聞こえなかったのか、そのまま走る…。

刹那、まさしく火炎地獄と形容すべき炎がアズラの目の前を覆った…。



「キャアッ!」


炎が消えた時には、カティの姿はなかった…。



「………」


なんとか目の前およそ十メートルまでたどり着いたアズラ。


「ほぅ…ここまで来たか…大したものだ」


「………(テムダとカティの犠牲があった。必ず二人を助け出さないと…)」


一瞬の突破の隙を探す。不用意な踏み込みは、即、アウトだ。



「大変名残惜しいが、これで終了だ」


腰に手をあてて何か呟くヴァン。


(今だっ!)


一気に突破しようとするアズラ。


「…生まれいでよ、蒼炎の不死鳥、ブレイズ!」


「えっ…?」


足が止まるアズラ。




―絶望の蒼い炎が、ともってしまった―

昨日、感想に『読みにくい』との指摘がありましたので、大きく改行してみました。

余計読みにくくなったとか、もっとこうした方がいい、との指摘がありましたら感想に書いていただけるとありがたいです。

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