第五章章末イベント〜誘拐事件、天才魔術師と究極剣士1
時期は夏休み、珍しく前の話から続きました。今までにちょっとだけ登場したある人が再登場する章です。
「ふぅ…やっぱり校庭は気持ちいいなぁ…」
夏休み―といってもまだ六月下旬。そのそれほど暑くない日、アズラは校庭でのんびり昼寝をしていた。
「あ、アズラ君?さっき三年生の人からこれを渡すように言われて…」
「あ、ユウ。ありがと」
このユウと呼ばれた少女は現在二年生で、至って本当にとても普通の少女、アズラにとって、珍しいカティ、テムダ、エンカ、サクヤ以外の同級生の友人だ。
「うん、じゃあね。えっと、後は…カティちゃんとテムダ君かぁ…」
「あ、その二人なら僕が渡すよ」
「あ、ありがと。じゃあよろしくね」
そう言って去って行くユウ。
「じゃあ二人を探さないと…」
昼寝をやめて、歩きだした…。
「あら…どうしたの?」
「おぅアズラ。一緒にアルバイトするか?」
ラッキーなことに、見つかりやすい学生課に二人でいたカティとテムダ。状況を見ると二人でアルバイトの品定めでもしていたのだろう。
「えっとね、さっきユウが、三年生から僕と二人あてに手紙を一通ずつ預かってくれてて…。で、それを渡しに来たんだ。はい、これ」
二人に手紙を渡すアズラ。
「何かしら?」
「開ければわかるだろ」
「あ、僕も開けないと…」
三人いっせいに手紙の封を切る。そしてその内容を見て…
「「「………」」」
絶句する…。
その内容は、『アズラ(カティ)(テムダ)様へ
ご機嫌いかがでしょうか?このたび、私たちはあなたがたへの復讐を行う為に、一年生の少年少女を一人ずつ誘拐いたしました。つきましては、助けを呼ばずに『死霊の大樹』にいらしてください。助けを呼んだり、二時までに来られなかった場合は二人の安全は保障しません。
皆さまのお越しを心からお待ちしております』
そんな文章に、写真が一枚同封されていた。当然、写真に写っているのはヴェクとマリィ。
「助けに行きましょ!」
「もちろん!」
「あいつら…絶対に許さねぇ…」
―三人の救出劇が始まった―
今思うとこの学園不良多いですね…。やはり正統派ライバルキャラを入れなかったのが間違いでしたか…?