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影の薄い人っていつから薄いんだろう?

魔法銀編、第二話です。

「ねぇマリィ?」


「どうしました?アズラ様?」


「くっつかれてると、歩きにくいんだけど…」


「マリィも歩きにくいので大丈夫です!」


「そういう問題じゃなくて…。ほら、守るってことなんだからいざとなったとき守れないよ?」


「あぁ、それなら大丈夫よ。私がしっかり守るから、マリィ、思う存分くっついておきなさい」


「うん!ありがとう、お姉ちゃん!」


「よかったな!マリィ!」


「…はぁ…」




一同は現在、幼き荒野を歩いていた。目的は当然、命の洞穴に現れたという魔法銀だ。

ちなみに、五人はかなり出遅れているようだ。その証拠に学園に戻る方向に歩く生徒と何人もすれ違っている。


「まぁ、これだけ人がいれば魔物の心配はいらないかな?」


「そうね、確かに心配しなくて大丈夫そうね」


「オレは魔術を試してみたいな」


「何か出たら、アズラ様守ってくださいね」


「…戦闘の時には離してね?」


そんなどうでもいい会話をする四人。



「…最近俺の出番少なくないか…?」


〔そういう立ち位置なの。ごめんね!〕


「ん!?」

辺りを見回すテムダ。


「どうしたの?」


「いや…何か変な声が聞こえたような気が…」


「僕は何も聞こえなかったよ?」


「私もよ?」


「聞き間違いか…?」


結局、テムダの現在の境遇を嘆く独り言の返事は、なかったことになった…。




「おお~!これが命の洞穴かぁ~」


一同は無事、命の洞穴の入り口前に着いた。


「本来あなたたちは危ないから来れない場所なんだから、ヴェク、勝手にどこか行ったら『絶対に!』駄目よ」


完全にヴェクの性格を見切っているカティ。さすが姉だ。


「そうだよヴェ…!?《ブラストッ!》」


アズラが何か言いかけたが、背後からの襲撃者の対応を優先した。

見れば一体のリザードが倒れている。アズラのブラストで倒れたのだろう。


「ヴェク!マリィ!下がって!アズラ、二人を守って!」


「うん!」


「テムダ、行くわよ!」


「久々の戦闘だな!腕が鳴るぜ!」


相手はリザードが六体。正直、今の三人にはとるに足らない相手だ。


「さっさと片付けるわよ!《ハイ・ブラスト!》」


「《行けっ!》」


簡易術式で一気に相手を殲滅しようとするカティに投影でさっさと止めを刺そうとするテムダ。その目論見通り三体が魔法弾で倒れ、二体が槍に串刺しにされた。

ただ、一体がそれらをかわし、弱そうなヴェクとマリィを狙う。


「《ライトニングッ!》」


しかし、その願いなど叶う訳もなく、アズラが最後の一体を撃退した。




「ありがとうございます!アズラ様っ」


「さすが兄貴!かっこいい!」


「お…俺はどうだった?」


「「野蛮(です)」」


「そ…そんな…」


「まぁ、いつか誰かが認めてくれるわよ」

落ち込むテムダをいい加減に励ますカティ。


「それより早く行きましょ?なくなるかもしれないわ」


「よっしゃぁ!冒険だぁー!」


「行きましょう、アズラ様」


「はぁ…大丈夫かなぁ…」


意気揚々と入る三人に呆れながら入る一人。

もう一人は…?


「俺…一応メインキャラだよな…?」


自分の立場を見直しながら入っていったのだった…

こう嘆いていますがテムダくん、一応メインキャラです。ただ最近はヴェクとマリィに押され気味ですが…。

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