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プロローグ、学園案内!

カティ…いたって女の子らしい少女。けっこうドジ。

サクヤ…元気系の少女。発育がよく、アズラより背が高い。エンカの姉。

エンカ…ミステリー系の少年。無口。

「学園案内を始めます!新入生のみなさんは案内係が着きますのでしばらくお待ちください!」


アナウンスの後すぐに、上級生と思わしき人が数十人、講堂に入って来た。

それらの上級生は適当に近くのグループに着いていった。




で、アズラたちに着いた人は


「俺はハウル。よろしくな!」


…普通の人だった。


「当たり…みたいだね…」


「そもそもはずれってあるのかよ」


アズラがこっそりテムダと話していると


「上級生はくじ引きで選ばれた人ですが、たぶん仕事はきちんとしますのでご安心ください!」

というアナウンスが聞こえた。


「当たりだな…」


「うん、当たりだね…」




講堂から出ると、ハウルと名乗った青年は


「俺のことはハウルと呼んでくれればいい。」


「じゃ〜ハウル〜!」


「せめて『さん』ぐらいつけてくれ…」


サクヤの尊敬の欠片もない発言にがっくりとするハウル。


「そ、それはいいとしてハウルさん、これ、さっき配られたんですけど、何なんですか?」

アズラが入学式で配られた粘土状の物を見せる。


「あぁ、それは『プロテクター』と言って身につけている者の魔力を減らすことでダメージを無くす防具みたいな物だ。形は自分の好きに変えられるからな、身につけておけ」


五人がプロテクターを身につけると、次はカティが質問をした。


「ハウルさん、先ほど生徒手帳を見たのですけど、履修表を兼ねていますよね?あれ五ページで足りるのですか?」


「あぁ、あれは…少し前に、えーっと、そうだ『ですのーと』とかいう映画が流行っただろ?それのノートみたいに使うと勝手に増えるんだ。ちなみに一ページに単元一つだ」


「{{{{………」」」」」


怖い、そうみんなが思った。


「ま、それはいいとして学園と学園周辺四地域の案内をしろとのことだが…学園内は説明用のプリントもらったから勝手に読んでおけ。だから今から学園外に出るが面倒なところが先でいいか?楽なところは混む」


各々が肯定するとハウルは西門に向かって歩きだした。




西門から出るとあたり一面の岩地。俗に言う荒野だった。


「ここは『幼き荒野』今日まわるところじゃ最も危ないが…魔物の気配はしないし、万が一遭遇したとしても俺が撃退するから大丈夫だ」

そう言ってあちこち歩きまわった。



北東に向かって瓦礫の山が目立つ地域に行く途中、左手に真っ赤な建物が見えた。


「あれは『深紅の舘』と言って今日案内しない地域では一番安全な地域だ。肝試しとかに使う奴も多いな」

そう言ってどんどん進むハウル。




瓦礫の山に着くなり


「ここは『優しき廃虚』だ。わりといろいろなものが落ちてるから戦えるようになったら来るといいだろ」

そして南東に進む。




次は少し木の多い草原。


「ここは『学びの木』。ここの果物はうまいから今度取りにきてみればいいと思うぞ」


そして南西に進む。




最後の地域だという草原、アズラたちも一度通ったことがある。


「ここは『始まりの草原』。一度通ったことがあるだろ?ここは学園外で一番安全な地域だからな、魔物相手に魔術の練習をしたい時はここに来るといいんじゃないか?」

そう言って学園に戻ろうとした瞬間…


「グルルル…」


茶色い狼―この世界でウルフと呼ばれる魔物に遭遇した。


「よし!俺の魔術を見せてやるからよく見とけよ!」


そう言って待ってました、と言わんばかりの勢いで前に出るハウル。

わくわくした表情でハウルを追うテムダとサクヤ。

怖いので少し下がるカティ。

成り行きを見守ろうとするアズラとエンカ。


「《対象を縛れ》」


そうつぶやき指でウルフの足元に魔法陣を描くハウル。

次の瞬間、地面に足を縫いつけられたように動かなくなるウルフ。

それに少し長い詠唱の魔術を叩きこもうとするハウル。

詠唱が完了し{《バーン!》」と、声高らかに宣言する。

その瞬間、ウルフの足元が爆発した。確実に、目の前のウルフは倒れた。しかし―


「グルル…」

ハウルの遥か後ろ、カティのすぐ近くにもう一匹のウルフがいた。ハウルは『魅せる』ことに集中し過ぎてほかの魔物の気配に気付かなかったのだ。


「ガウッ!」


ウルフが牙と爪でカティに襲いかかる。

カティに当たる瞬間――アズラが渾身の力で体当たりし、ウルフを吹き飛ばした。

しかしウルフは急な攻撃に怯んだものの、目標をアズラに変え、再び飛びかかる。


アズラがもうだめだと思い、目を閉じた瞬間――カキンッ!っと小気味いい音がしてウルフが再び吹き飛んだ。

そして少し驚いた顔をしながらハウルが追いつき{《ブラストッ!》」と、ウルフを無色の魔法弾で仕留める。




「…悪い、怪我はないか…?」

申し訳なさそうに尋ねるハウル。


「ない」とそれぞれの方法で意思表示する三人。


「そうか…よかった…」

と安堵の表情を浮かべたあと、ハウルは感心したように


「しっかし新入生で魔術を使うとはなぁ。護法とはいえすごい天才じゃないか?」


しかし…


「{{……?」」」

なんのことだか分からない三人。

テムダとサクヤも{自分ではない」という顔をしている。


「あれ?じゃあ何の偶然だ?アズラ、君『シールドリング』でも持っているのか?」


「いえ、そんなもの持っていませんが…」


「???」

考えこむハウル。


そこに…


「ねぇハウル〜私疲れた帰りたい〜」

サクヤが寮に戻りたいと言いだした。


「…そうだな、もう戻ろうか」

ハウルも考えるのをやめて学園内に五人を連れて行った。




 

―その日の夜―



「ねぇレム、あれは何だったの?」

意味不明な言語で書かれている{しきたり」の魔術書を寮の自室読もうと努力していたが、諦めて本を閉じたアズラが問う。


「あれは『護法』と言う魔術でな、対象を守ることに特化した光の魔術だ」


「じゃあ、やっぱりあの場の誰かが…?」


「あぁ、あの場の誰かだ…」

そう言って寝ようとするレム。


「その人にお礼言わないとね」


「あぁ、そうだな」

そしてアズラも寝ようとする。


「おやすみレム」


「あぁ…」







アズラが寝静まったころ…


「『誰か』ぐらい俺には分かっているんだがな…」

そう、レムは呟いた。

えーっと、予告通り三話以内に終わらせようと思っていたら今までよりかなり長くなりました。ハウルさん、かなりがんばってくれたんですが、たぶんもう出番がありません。そういうキャラが今後も出ると思いますが、

「気に入ったから出して欲しい!」という場合は感想にでも書いてください。できる限り努力します。


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