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どうして某有名RPGの魔法は味方を巻き込まないのだろう?

魔装具学2編、一応戦闘パートです。

「しっかし歩きにきぃな、ここ!」


五人の足元には蔦、ツタ、つた!確かに古びた壁に絡まる蔦に光が刺すのはなかなかに趣き深いが、足元に絡まるのはうっとうしいだけである。


「……焼こうか……」


エンカがしびれを切らし、手に火の玉を掲げ始めた。


「ダ、ダメッ!そんなことしたら辺り一面火の海よ!」


止めるカティの手には水の玉。最悪ぶつけて止めるつもりだろう。


「……冗談……」


火の玉を消すエンカ。ただ冗談というのは口だけだろう。止めなければおそらく…




「…ん?あれ、十字架のカケラ?」


危うく大火事になる騒ぎの直後、アズラが蔦の隙間の金色の石を見つけた。


「……うん…あれが十字架のカケラ……」


「じゃあこれで一つ。あと四つだね。」


そう言ってカケラを拾う。



五人はなんとか蔦地帯を抜けた。


「なかなか見つからないわね…」


「そうだね~。そもそもそれって砕けた十字架なんでしょ~?いつかなくなるんじゃないの~?」


「そういえばそうだね…。帰ったら聞いてみようか?」


「そうね、今は…。あっ、一つ見っけ」


「……あった……」


立て続けに二つ目、三つ目を見つけた五人。先行きは明る…


「うわっ!この蔦生きてる!?」


い…のか?






「なんとか…揃ったな…」

場所は堕ちた聖堂の大十字架前。ここが『堕ちる』前は退魔の力を惜しげもなく発揮していたが、その名残はもうない大十字架だ。


四つ目のカケラはわりとあっさり見つかったが、五つ目がなかなか見つからず、聖堂の一番奥まで来てしまったのだ。


「早く戻りましょう?悪魔に囲まれると大変よ?」


「…もう手遅れ…だね…」


五人のまわりには空中に浮き、フォークぐらいの槍を持つ、ちっちゃい紫色の魔物がたくさんいた。リトルデビル―堕ちた聖堂に大量に生息する悪魔の魔物だ―。


「くっ…走るぞ!」


テムダの号令をスタートに五人が走り出した。目指すは出口。テムダが槍、サクヤが銃で道を切り開く。右と後ろはカティ、左と後ろはエンカ。

中央で詠唱をしているアズラを守り、後ろからの追撃を阻んでいる。



「…っ!エンカ!手伝ってくれ!」


行く手を阻む悪魔の数が増えてきている。走る速さは始めの70%ほど。決して疲労からではなく、邪魔が多いだけだ。


「無理…」


エンカの返事も当然のものだった。集まる敵が次々にファイアを放ってくる。それの処理で手いっぱいだ。


「…よし!みんな、伏せて!」


詠唱していたアズラが叫ぶ。その声で四人は一斉に伏せる。


「行けっ!《ライトッ!》」


掲げたアズラの手のひらから光の玉が生まれる。光はすぐに散り、辺りを薙払う矢となり悪魔を討った。


「みんな!逃げるよ!」


前の方向にはほとんど悪魔は残っていなかった。そのまま蔦地帯を突っ切り、聖堂の外に出た。



「…とりあえず、学園に戻るか…」


「感想は…後にしましょう…」


息切れを起こしながらも、無事だった五人は学園に戻ったのだった…。

後一話で第四章通常編は終わりです。

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