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家族に会いたいのは自然な感情

「はぁ~…弟たちどうしてるかしら…」


集合して早々、何気ないカティの独り言がこぼれた。


「そうだな…母ちゃんや弟たちは元気でやってるかな…」


テムダもそれに呼応するかのように言い出す。


「そういえばさっき先生から、テムダにこれを渡してほしいって」


そう言ってアズラが取り出したのは一通の手紙。


「ん?お、母ちゃんからだ!サンキュなアズラ!」


手紙を受け取り、ポケットに放り込む。


「あれ~?学園に外からの連絡ってできたの~?」


「ん?あぁ、原則は禁止だ。でも俺ん家は貧乏でな、この学園にスカウトされた時に母ちゃんや弟たちを養わないといけないって断ろうとしたら、リムを一般通貨に換金してもいいって言われて、それで時々、仕送りと手紙を学園長に出してもらってるんだ。それの返事だな」


「あれ…じゃあ前のリム不足は…?」


「ちょっと…計算ミスってな、金欠になっちまったんだ…ハハハ…」


「言ってくれればよかったのに…」


「……正直…言っても嘘に聞こえるけど……」


「だから言わなかったんだよ!」


「あれ…でもそれって学園長の許可とれば外に手紙出せるってことよね?」


「うーん…そうかもね…」


「じゃあ行くわよ!」


「…どこに…?」


「学園長に直談判しに行くのよ!」




で、場所は管理棟に向かう廊下――


「あれ…教頭先生?」


「あぁ…アズラたちですか…。どうかしましたか?」


「つーか先生こそ何を?」


「…テムダ、私が学園長室から出るのは何かおかしいのですか?」


確かに五人が今まで学園長室に行った時、学園長がいないことはあっても、教頭がいないことはなかったので、その疑問はもっともだろう。


「…星月、失礼な説明はやめてください」


〔…ごめんなさい…。でも話しかけないでください…〕


「先生?」


「いえ、何でもありません。それより誰にご用ですか?」


「学園長にです。外への手紙を送りたいと思いまして…」


「カティ、外への連絡は原則禁止です。テムダはスカウトの際その約束をしたので特別なだけです」


「でも…そんな!」


「あぁ…そういえば…。カティ、誰に手紙を送りたいのですか?」


「え…?弟と、妹ですけど…?」


「名前は?」


「ヴェクと、マリィです…」


「なるほど、では後三ヶ月待ちなさい。そうすればいくらでも連絡を取れるようになりますから」


「…本当ですね?約束ですよ?」


「えぇ、なので今日は帰りなさい。アズラやエンカ、サクヤはいいのですか?」


「別に、原則禁止ならいいです」

「……うん……」

「別にいいよ~」


「じゃあ行こうぜ」






「…事実を伝えてもよかったのですが…。まぁ、一応秘密ですからね」


五人の聞こえないところで教頭が呟いた…。

学園に入ってもうすぐ一年。そういった感情を抱くのは普通かなぁと思って作った話です。

…イヤ、ケッシテ、フラグタテナンカジャナイデスヨ…?

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