第三章章末イベント〜吹雪に舞う乙女、雪女騒動1
第三章章末イベントです。タイトルの通り雪や氷が中心のイベントです。
時は十二月下旬、世間も学園も冬休みの時期だ。秋休みのように魔術祭などがある訳でもなく、学園でのイベントは特にない休暇だ。
その、冬だがよく晴れた日、特にすることもなかったので、レムと一緒に校庭で昼寝をしているアズラ。とても気持ちよさそうだ。
「ねぇレム、あの本なんだけど…」
「…いずれわかる」
「そればっか。まぁいいや…今日は天気が良いし、絶好の昼寝日和だよ……」
「あぁ…そうだな…」
のんびりごろごろしている一人と一匹。しばらくすると……
「キャハハハッ!」
と女の子の声が聞こえた…。
「なんだろうね…レム…」
「さあな…」
気にもとめない一人と一匹だったが………
ブオオオオオ!といきなり猛吹雪が吹きだした。
「うわっ!なにこれっ!?」
「とりあえず、部屋に戻るぞ!」
結局、昼寝は中止となった…。
「まったく…なんだったんだろう今の?」
部屋に戻ると愚痴をこぼすアズラ。
「…あいつらか…面倒なことを…」
「あいつら?」
「何でもない。こっちの話だ。それより、客だぞ?」
聞けば部屋のドアがコンコンと鳴っている。ドアを開けるとそこには…
「「アズラッ!」」
氷漬けの果物を抱えたテムダと、ところどころに切傷のあるカティがいた。
「えっと…どうしたの、二人とも…。とりあえず、《ハイ・ヒール》」
事情を聞きながら、カティに回復魔術をかけるアズラ。
「あ…ありがとアズラ。こんなに切ってるとはね…」
「で、どうしたの?」
「聞いてくれよ!学びの木にアルバイトで果物採りに行って、大量に持って帰ろうとしたら吹雪でこのありさまだ。学生課に持って行っても『凍った果物は買取れません』って言われてよ…」
「私は部屋で着替えてたらあの吹雪で窓が割れて…。その破片で肌がズタズタよ!」
「う、うん、それで?」
「「テムダ(俺)が聞いた情報だと、『舞雪の山』の『フリーズプリンセス』って魔物が原因らしいのよ(んだ)!それを私(俺)たちで懲らしめに行こうと思うわけよ(だ)!」
見事なまでにシンクロする二人。そこまで怒っている二人にアズラが逆らえる訳がなく…、
「わ、わかった。いつから行くの…?」
「もちろんいまからよ!」
「じゃあちょっと準備するから…って、あれ、レム?」
俺も行く、と意思を示すようにアズラの肩に跳び乗るレム。
「うん、わかった、一緒に行こう」
―こうして、三人の雪女退治が始まった―