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秒速10mオーバーの恐怖!

アルバイト編、戦闘パートです。

「ガオオオオオ!!」


「「わ(きゃ)あああああっ!!」」


いつかどこかであった光景。

ただし今回は…


「ぎゃああああっ!!」


二人よりひどい絶叫のオマケがいる。逃げるのが遅れたので、熊の一番近くにいるテムダだ。


このままでは前みたいに異世の密林――に行く訳ではなく、北にある星2の地域、『輝きの森』に着いてしまう。もっとも、星2は昔の話で、今は『学園外で一番魔物の少ない地域』と呼ばれているくらい安全な地域らしい。


「このままじゃテムダが危ないわ!アズラ!」


「うん!《スロウ!》」


簡易術式で熊を狙う。スロウの効力で幾分か遅くなったが、まだまだ速い。しかし、距離ができ始めた。


「わり…い、助かっ…た…アズ…ラ…」


ゼエゼエと肩で息をしながら感謝するテムダをよそに、錬金術で剣を造り、斬りにかかるアズラ。今回の目的があの熊の討伐なら、少しでもダメージを与えておくのがいいと判断したのだろう。吹いていた風を捕まえ、風纏う鉄の剣を手に、ターゲットに向かう。

が…アズラの一閃が通ろうとした瞬間、ターゲットが腕をおもいきり振るった。


「アズラ!《防いでっ!》」


護法でアズラを守るが、軽減しきれず吹き飛ばされる。

アズラも斬ることには成功したようだが、大したダメージになっていない。


「くっ…、《解除!》《風よ!我が導きに応え、昇れ!》」


意識のあったアズラは、錬金術を解除し、その時発生した風とまわりの風に自然術を使い、無理矢理上昇気流を起こし、受け身を取った。


「無理だ!逃げよう!」


アズラの一声で戦闘の準備をしていた二人も方針を変え、逃げ出した。しかし、ターゲットは無情にも追ってくるわけで…




三人は輝きの森の入り口で追いつかれてしまった。

戦闘体勢に入る三人だが、先ほどの一撃でアズラは魔力を相当消耗していた。


「テムダ…わかってる…?アズラに負担はかけられないわよ…?」


「あぁ…俺たちが頑張るしかないな…」


そんな会話をして、戦闘が始まる…。




「……侵入者か……」


輝きの森の小屋の中でそう呟く者がいた。


「どうしたのですか?………?」


「三人ほど、この森に入った者が居るようだ」


排除対象者てきですか?」


「いや、違うようだ。こちらに来るなら容赦はせんが、森の入り口でなにやら魔物と戦っているようだ」


「あなたに害をなす存在ではないのですね?わかりました、暫く静観しましょう」


「あぁ…」




場所は戻って入り口、三人の生徒とビッグベアの戦闘が繰り広げられている場所だ。

「「「《ハイ・ブラスト》」」


三人が宣言すると、無色の魔法弾が三発、熊に向かう。しかし、熊はそれを避ける事もせず、直撃を受けたが怯みもせずこちらに向かってくる。


「くそ…バケモノか…こいつ…」


「間違いなく…バケモノよ…」


そうこう言っている内に相手が迫ってくる、腕を振り上げ、テムダに襲いかかる。


「《ハイ・シルド!》」

「《防いで!》」


二つの防御魔術に、予め仕掛けておいた護法の防御結界でなんとかしのいで反撃する作戦にした三人。

ガンッ!という凄まじい音が響いたが、テムダは無傷のようだ。


「うんっ…お願い!テムダ!」


しかし…その願いは叶わなかった。

ダメージは軽減しきったが、衝撃は軽減しきれず、反撃のための槍を落とし、さらに動けなくなってしまったのだ。


「そうだ!カティ、光で目を狙えば…」


「名案ね!わかった、行くわよ!」


髪飾りに触れるカティ。

しかし天は三人を見放すようだ。晴れていた空が急に曇り出した。当然、集めようとした光は弱まり、うまく集まらず、放たれた光は何の意味も成さなかった。


「くっ…《ウィンド!》」


カティが苦し紛れにウィンドを放つ。しかし全く効いていない。結局、風の刃は周囲の木を軽く傷つけ、葉を散らしただけだった。


「くっ…このっ…」


熊の攻撃を何とか避け続けているテムダ。限界は近そうだ。

アズラが魔術の詠唱を開始しようとした瞬間、ドサッ!と足元に何かが落ちた。薄いオレンジに輝く果実、烈光の実だ。


「確か…これは烈光の実。光を貯めるんだっけ。ん?光を―貯める―?」


何かに気付いたアズラは、カティに作戦を手早く説明する。


「わかったわ、やってみる」


アズラが実を二つに割る。刹那、強い光が辺りに散らばった――その光をカティがまとめ、一つの玉にし、熊にぶつける。

玉は顔に当たり、強烈な光で熊の目が潰れた!


「うおおおおーっ!」


槍で胸を穿つ。会心の一撃。熊はそのまま倒れ伏した――。

えーっと、実は輝きの森が魔物が少ないには理由があります。ただ、今明かすべき設定ではありませんので…。

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