第二章章末イベント〜魔術祭!神速鬼ごっこ!?1
時は九月下旬。一般の学校とは違い、学園には秋休みがある。それが今だ。
で、秋休みには毎年、学園では…
「ここに、魔術祭の開催を宣言しま〜す!!」
「ワアーッ!!」
「イエーッ!!」
「ヨッシャー!!」
と盛り上がる上級生と一部の一年生。
残りの一年生は……
「………?」
と理解ができていなかった。それはそうだ。この日は外出禁止と大々的に伝えられただけで、何があるかなんて聞いていない。
今日もアナウンスが流れて、講堂に来たら講堂が一面の平地になっていたりと混乱確定の状況に置かれているのだ。無理はない。
「「「「「………」」」」」
当然、アズラたちも理解不能組の一員だ。
しかし…
「司会進行は私、マフィナと!」
「ハウルで!」
「「お届けしま〜す!!」」
無情にも司会は進む。
「…あの二人が司会…大丈夫か…?」
「…それより、魔術祭って何よ…?」
「その質問には私が答えるわ」
シュタッ!という音がした後、ある種の恐怖の声が聞こえる。
「ハロ〜♪みんな元気にしてた?」
「先生…一体どこから…?」
「というか僕らの後ろに人、いましたよね…?」
会場はたくさんの人で溢れかえっていた。当然アズラたちの後ろにも人がいたので、薬学の女教師が来るのは物理的にも常識的にも不可能だ。
「ちょっと星月!そろそろ私の名前も考えなさいよ!最初はサブキャラの予定だったらしいけど、もうメインキャラに昇格したじゃない!」
「…先生?誰に言っているのですか…?」
奇行に走った女教師…じゃなくてミランダ(今命名)教諭に問うカティ。
「ん、あ、この世界の創造主みたいな存在の人。弱いわよ。あ、あといまから私の名前はミランダね」
〔そりゃ一般人なんだから弱いです。〕
「…ツッコむところが多いんですが…もういいです…。ところで話を戻しますけど、どうやって後ろに来たんですか?」
「あぁ、ここらの人を空間干渉で適当に幽閉して、後ろの校舎から跳び降りてきたのよ」
教師としてあるまじき行為を普通に行い、さらっと言うあたり大物なのだろう。少なくともこの人を物理と常識で図ってはいけない。
「本日はバザーと三年生武闘大会の予選」
「明日は決勝とメインイベントの予定です!」
バカやっている間に司会が進んでいた。
「先生!結局魔術祭ってなんなんですか!?」
「要約すれば、ただの学園祭」
要約して六文字で片付けるミランダ。
「毎年秋休みにやる、お祭りよ。司会の子たちが言ってたけど、バザーと三年生の武闘大会、それと年変わりのイベントをするの。武闘大会とイベントの優勝者には賞品が出るわ」
言うだけ言って、質問を受け付けずさっさと消えるミランダ。授業の時とは180度性格が違う。
「そういう設定にしたのあなたでしょ〜!」
〔確かにそうですが…あまり私に文句言わないでください〕
「先生…どうしたんだろ…?」
「さぁな。壊れてるのかもしれないぜ」
「というより…幽閉された人たち大丈夫なのかな…?」
「「「「………」」」」
とっても不安になる五人。
「「それでは!魔術祭スタートです!」」
いつの間にか開会式が終わっていた…。
―初めての魔術祭が始まった―
秋といったらやっぱり学園祭かな…と思いイベントにしました。いや、ほかの学校は知りませんが私の学校では九月下旬が学園祭なので…。