プロローグ、旅立ちの朝
アズラ(青のかかった髪の少年)、本作の主人公。15歳。長めの髪に長いまつ毛に大きな目の女顔の少年。魔術の名家の出。
レム(黒猫)、アズラの飼い猫。人語を話すが、珍しいことではない。
学園に向かう日の朝の話です。
「アズラ様、朝ですよ。」
僕を呼ぶのは若い女性の声。この家にいる「メイドさん」だ。
かなり裕福なこの家は「執事」やら「メイド」とかが結構な人数いる。
「はい、おはようございます」と返事をして、いつもの服に着替えてリビングに向かう。
そこでは立派な髭をたくわえた男の人が座ってコーヒーを飲んでいた。
そして僕に気がつくと
「おぉ、アズラ、起きたのか。」と挨拶してくれた。
僕も
「はい、父さん、おはようございます。」と返して机の向かい側に座った。
座ってすぐに、朝食が出されて、それを食べている間、
「今日から学園だな。」と話しかけられ、
「はい、がんばってきます。」と答えただけでそれ以外会話はなかった。
朝食が済むと父さんは
「ついてきなさい」
とだけ言い、席を立った。
ついて行った先は資料室。一生かかっても読みきれないほどの本がある部屋だ。
父さんはその先の通ったことのない扉の前に立ち、なにやら呪文を唱えている。
そして
「入りなさい」と僕に言って、部屋に入った。
従って入ると今までの部屋とは違う空気の部屋だった。
父さんは
「しきたりによって書を一冊与える」とだけ言って、部屋を出た。
何をすればいいか迷っていると、声が聞こえた。
頭に直接響く声。その声に従って進むと、突然まわりが真っ暗になった。そして目の前に一冊の魔術書が浮かんでいた。
それに触れようとした瞬間、まわりが明るくなり、手にはその魔術書があった。
不思議な文字で表紙も中身も書かれてる。僕には読めない。
とりあえず外に出る。
「なるほどな…」
外に出ての父さんの第一声がそれだった。
「これは何?」と聞くと、
「この家の者が魔術師になる時に与えられる本だ」という中途半端な答えをもらった。
次の質問をしようとしたら、
「後は自分で考えなさい」
と言われてしまった。
準備を済ませ、出発するため玄関に向かうと、飼い黒猫のレムが
「俺も行くぞ」と肩に乗った。
父さんも
「しっかりやってこい」と見送ってくれた。
そして僕は学園に向かった―。
不明なことは多かったくせに面白みの欠片もない話でした。ごめんなさい。