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最『キョウ』の過去4

「カティ!危ない!」


「っ…!」

(《女神の盾っ!》)

瞬時に天界術を願うカティ。しかし、発生の最中に突き抜けてしまった。


「しまっ…「RE・SET!」…ふぅ…ありがと…」

カティに直撃する寸前、アズラが零の能力を使う。偽カティの光の矢と、カティの光の壁が消えた。


「おいアズラ、それで強行突破できないか?」


「…やってみる価値はあるかも…」


「よし!頼んだぜ!」

強化術をかけて偽カティに突撃するテムダ。その少し後ろを、零を携えたアズラが追う。


「行くぜ!今だっ!」

テムダの全力殴打が偽カティを襲う。当然、天界術で防御しようとするが…?


「RE・SET!」

光の壁が現れた瞬間、アズラが零の能力を発動する。すべての魔力が、その瞬間、消えた――


「もらったぁ!」

テムダが渾身のパンチが偽カティに入ったが…?


「なにっ!?」

まったくダメージになっていない。

…理由は簡単、『RE・SET』は『すべて』の魔力を消し去る。つまり、テムダの強化術も消してしまったのだ。焦って、自分たちにも影響が出ることを忘れていた。


「ちっ…カティ、どうす…?カティ!」

カティに作戦を聞こうと後ろを振り向くテムダ。しかし、そこに元気なカティの姿はなく、代わりに地面に倒れ伏した彼女の姿と、近くで勝ち誇ったように吠えるオルトロスの姿があった…


この状態は、いくつかの不都合が重なって起こった。

一つ、作戦の説明をカティにしていなかった。

二つ、アンノウンに集中し過ぎて、オルトロスを半ば無視していた。

三つ、カティが天界術で防御しようとした瞬間、RE・SETを行ってしまった。

この三つの条件が、悪い具合に噛み合ってしまい、カティがオルトロスの一撃を受ける、という状況に陥ってしまったのだ。


「ガアッ!」

カティにとどめの一撃を加えようと前足を振り下ろすオルトロス。


「くっ…《メガ・シルドッ!》」

カティに駆け寄りながら、彼女を覆うように盾を作るアズラ。ただ、メガ・シルド程度では、オルトロスの攻撃は防げない。


「こいつっ!」

振り下ろす前足を零で斬りつけるアズラ。痛みで威力が軽減され、盾を壊すことはなかった。


「俺のせいだ…あんなバカみたいな案しか出せないから…。…せめて、あの壁を…砕ければ…」


「くうっ!」

アズラがオルトロスと押し合いを始めた。今すぐアズラの手伝いをしたいところだが、偽カティが残っている。アズラがオルトロスに向かったのも、偽カティをテムダに任せるつもりなのだろう。


「…なら…やってやるさ…。この拳が、砕けてもな!」

ウオオオオーッ!と雄叫びをあげながら偽カティに突進するテムダ。それに反応して、光の壁が現れる。


「この…やろぉっ!」

強化術のみの拳で壁を殴り続けるテムダ。ガン!ガン!という音が響くが、壁はびくともしない。


「壊れろっ!」

ひたすらに殴る。ただただ殴る。しかし、壊れない。


見れば偽カティは術歌の詠唱を始めている。溜まりきったが最後、全滅確定だ。


「マジで…壊れてくれ…」


(その願い、力にしよう―)


「は!?」

手を止めるテムダ。


(汝の力は、破壊の力。すべてを叩き壊す力が欲しいか―?)


「なんとかなるなら、頼む!」


(ならば叫べ!そして加えよ!力の名は、絶対なる破壊!)


「よくわからねぇが…絶対なる破壊アブソリュート・ディストラクション!」

宣言した瞬間、テムダの拳に不思議な光が宿った。次のパンチで…


バゴォン!!!


今までびくともしなかった光の壁が、あっさりと粉々に砕けた。そのまま、偽カティをぶん殴る。


アンノウンは水溜まり状に戻り、そのまま蒸発した。




「っ…!限界、かな…?」

徐々に押さえ込まれてきたアズラ。もう数秒も持たないだろう。


「うおりゃっ!」

駆け付けたテムダのパンチが片方の頭を潰す。怯んだ隙に、もう片方の頭をアズラが零で斬り裂く。この二撃で、オルトロスも絶命した…






「っ…ううっ…」

気絶していたカティが目を覚ました。


「大丈夫?カティ?」


「悪いな…俺がバカなばっかりに…」


「…えぇ…本当にバカよ…。まったく…私にも作戦くらい教えなさいよ!」

怒れるくらいまで元気になったカティ。もう大丈夫そうだ。


「「…ご、ごめん…」」

同時に謝る二人。


「…もういいわ。それより、急ぎましょ。新しい魔物が来たら厄介よ」

そう言いつつ、すでに走り出しているカティ。


「わっ!待ってよ!」


「ホントに女か?あいつ…」






「ここが最深部?」

行き止まりになっている祭壇のような場所には、一冊の本が置いてあるだけだった。その古ぼけた本のタイトルは…?


「『マインド・ダイアリー』…日記かしら?」


「見ろよ!ここにヤツの名前があるぜ!」

テムダが表紙の端の方に書いてあった、『スティン』という文字を見つけた。


「マインド・ダイアリーは、願うだけで書き込める便利な日記だよ。父さんも使ってた」


「つまり…これにはあいつの『今』も書かれているのか?」


「まだ、この日記があいつと繋がっていれば…。…読んでみるね…」




―最キョウの魔術師の、過去が明らかに―

更新、遅れてごめんなさい。


二時間目の休み時間に普段は更新しているのですが、三時間目にもテストが据えていまして…。


化け物を学ぶから化学って言うんですね…。バッチリ死にました。

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