最『キョウ』の過去2
「道順は…あら?わりと近いのね?」
生徒手帳備え付けの地図で、道順を確認していたカティが言う。
「え…?あ、ホントだ」
具体的な道順は、学園を北門から出て、ひたすらまっすぐ北に進むだけだった。通過する地域は優しき廃虚、錬金術研究所だけというわかりやすい道のりだ。
「とはいえ、最近は星1の地域にも凶暴な魔物が多いから、気をつけて行きましょうね」
「あ、アズラ様、カティ様、テムダ様、こんにちはデス」
「お前たちは何をしておるんじゃ?」
無事に廃虚を通過した三人。次の錬金術研究所ではジクスと錬金術教師がいた。
「先生たちこそ、どうしてここに?」
相手の質問は無視してアズラが質問仕返す。…若干失礼だ。
「どうしてって、ここは『錬金術研究所』じゃ。錬金術を行う設備とかもまだ生きておるからな、少々大掛かりな錬金術はここでやるんじゃよ」
ジクスの一件以来、かなり柔らかい性格になった錬金術教師。夢っていいね。
「で、皆様はどうされたのデスカ?」
「学園長から『天魔の遺跡』に行くように言われて…その通り道です」
「…ずいぶんと危険な地域に行かせるものじゃな…。ワシはそこに行ったことはないのじゃがな」
「ワタシは何度か行ったことがアリマス」
おそらく暴走時代だろう。
「何かあった?」
「ワタシにそっくりな魔物が何匹モ。弱かったデスガ」
「ああそういえば、『天魔の遺跡では、自らに気をつけろ』とよく聞くぞ」
錬金術教師が思い出したように言う。
「わかりました、ありがとうございます、先生。…行ってきます」
「気をつけるんじゃぞ!」
「お気をつけテ、くださいネ!」
…で、天魔の遺跡にたどり着いたわけだが…
「…なんかカビ臭いわね、ここ」
「エジプトのピラミッドみたいだな」
※この世界にはエジプトなど存在しません。ピラミッドもありません。また、ピラミッドのイメージは作者のものです。
「…エジプト?ピラミッド?」
「…何言ってるの?テムダ」
変なことを言い出したテムダに疑問の目を向ける二人。
「…あれ?何言ってんだ、俺?」
…無意識の発言だったようだ。
「とりあえず、進みましょ。立ち止まっててもいいことないし」
「ガルルルル…」
アウレスの宝物庫で戦った、オルトロスに見つかってしまった。さらに…
「なんだあれ?」
真っ黒な水溜まりのようなものもあった…
そんな話をしていると、水溜まりが急に形を変える。
「うそ…」
なんと、モノクロのカティになったのだ。
―歴史にたどり着くことはできるのだろうか―