第十一章章末イベント~最『キョウ』の過去1
「…歴史の勉強をしてもらいましょう」
冬休みの初回の集合の頭で、妙なことを言い出す教頭。しかし休みとはいっても、魔術祭での一件以来、わずかな数の授業しか行われていない。故にほとんどいつもと変わらないが…
「…歴史…ですか?」
聞き返すアズラ。
「はい。しかしただの歴史ではありません。敵を知ることは勝利へ近づくと昔から言われています。アズラさん、カティさん、それとあと一人くらいで、遺跡エリア最北端の『天魔の遺跡』に行ってきてください」
「ちょっと待ってください!」
即座にカティが反論する。
「『天魔の遺跡』といえば、星7…立入禁止の地域ではないですか!?そんなところ、生徒だけで行くのは危険だと思います!」たしかに、立入禁止になるような地域なので、危険なことは目に見えている。
「落ち着いてください、カティさん。星7の地域といえど、危険性は星6の地域と大差ありません。7というのは、生徒が絶対に入らないようにする措置なのですよ」
学園長がなだめるように説明する。
「じゃあどうして私とアズラは決定なんですか?」
カティが再び意見を言う。
「カティさんは天界術、アズラさんは古代禁術を使って、スティンと直接戦うことになると思われるからです。異論はありますか?」
教頭が淡々と説明する。
「いえ…ありません」
「ではあと一人、遺跡に向かう人を決めてください。残る四人にはまた別の仕事があります」
少し相談した結果…
「んじゃ、俺が行く」
テムダが行くことになった。
「残った人は…勧誘活動です。…がんばってください、本当に…」
もはや懇願ともとれる発言をする教頭。
「意味あるのかな~?これ~?」
「……半分は無意味…役立たずどもめ……」
後半部分は聞こえないように言ったエンカ。案外腹黒…
「……うるさい……」
…事実を言ったまでです。
「ではアズラさん、カティさん、テムダさん、がんばってください」
―災厄の歴史とはいかに―
久々のあとがきです。今回のサブタイトル、『キョウ』には3つの意味があります。まぁ、すぐにご想像つくと思いますが。