第十一章、終わりの始まり
「スティン、か…」
よく晴れた秋休み明けのある日、校庭で寝転んで考え事をしているアズラ。
「…間違いなく、姉さんが死んだのはあいつのせいだ」
自分に言い聞かせるように呟く。
「姉さんのことだし、逃げたって怒らないだろうけど、父さんとも約束したし、なにより…姉さんの仇を討ちたい。そのための力もあるみたいだし」
零の指輪とレムのブローチに触れながら呟く。
「…とりあえず、学園長に会いに行こう。…よっ、とっ「アズラ!ここにいたの!?」わわっ!?」
勢いをつけて起きあがろうとした瞬間、急に声をかけられ、バランスを崩して倒れるアズラ。
「おい、大丈夫か?」
「あたた…急に声かけないでよ…」
「仕方ないじゃない。それじゃ、いつ声をかければいいのよ?…それより、戦うんでしょ?」
「…うん、姉さんの仇を討ちたいし…」
「なら俺たちも力を貸すぜ?」
「噂によると、もう6分の1は退学の手続きを出したみたい。さらに残りの5分の2も手続きを検討してるらしいわ」
「そんなに!?…もしかしてカティも…?」
「まさか!私だってここを守りたいもの。一人になったとしても戦うわ」
「そっか、よかったぁ…」
「あとさっきヴェクとマリィとも話をしてきたわ。二人も戦うって」
「俺はエンカたちとだ。あいつらも大丈夫だそうだ」
「そうなんだ」
「ところでアズラ、さっき立ちあがろうとしてたみたいだけど、どこかに行くの?」
「あ、うん。学園長室に行こうかなって思って。姉さんとスティンの話をもっとしっかり聞いておきたいし」
「あぁ、そうね。じゃあ私たちも行くわ。これから、やっておかないといけないこととかもありそうだし」
「そうだね、じゃあいっしょに行こうか」
そして学園長室に向かう三人だった…