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魔術祭!大武闘大会!?4

「やっ、はっ!」


開幕早々に強化術を使い、一気に連続で殴る蹴るの打撃を繰り出すサクヤ。

エンカはそれをのらりくらりと下がりながら避けている。普通の状況なら相手を消耗させる良い作戦だが、いかんせん場所に問題があった。


「………」


場所は闘技場の真ん中のステージ。そのステージの端には観客などに被害がでないように魔力で障壁が作られている。それによって下がる限界ができてしまっている。


「…《…空間転移》」


しかしエンカはその程度想定済みだった。片手を後ろに動かし、空間を切り裂き、ちょうど反対側に移動する。


「《…怨霊弾》」


エンカが宣言すると、不気味な顔をした魔法弾が数発放たれた。「ウオオォォン…」とか言っているのでけっこう怖い。


「ひゃあ~っ!」


悲鳴を上げながら蹴り落とすサクヤ。普通の魔法弾とは違い、意思を持つものでできているので、誘導性能を持つが、倒すこともできる。


なんとか全て撃退したサクヤ。しかしエンカはサクヤが対応に手間どっている間に次なる魔術の準備を進めていた。


「《霊の宴…》」


平然と怖いセリフを言うエンカ。宣言した魔術は幽霊の集団を呼ぶ上級の異世術だ。


「わわっ、わぁ~っ!」


現れた幽霊はサクヤに物理的な攻撃は加えない。しかし、どんどん魔力を吸いあげていく。


「《祓って!祓ってぇ~!》」

自分にまとわり付く幽霊を撃退しようとするサクヤ。少しずつ数は減っていき、やがてゼロになる。






「……限界でしょ…?…ギブアップすれば……?」


幽霊にほとんどの魔力を吸い取られたサクヤ。残っている魔力はあとわずか。降参を促すのは、実の姉にとどめはさしたくないというエンカの思いだろう。


「いやだ!…こうなったら最後の手段…とおっ!」

残る魔力を強化術に使い、足を強化し跳び上がるサクヤ。


「………?」

いきなりの奇怪な行動に身構えるエンカ。


「一発で逆転しちゃえばいいんだよね!?必殺~、メテオ~落とし~!!」


「!?」


名前だけ聞くと隕石でも落ちてきそうな技。しかし現実には隕石のような高さと速さで落ちてくる踵落としだった。…とんでもない威力ということに変わりはないが。


ドガアアアァァン!という音とともにステージが派手に壊れる。大量の砂ぼこりが障壁内に舞う。中の様子はまったくわからないが、直撃していれば十分逆転の一撃となっただろう。






「ガスッ!」「にゃ~!」という音と声が響いた。今の声でだいたいの人が結果を理解したと思うが、一応砂ぼこりが晴れるまで待ってみよう。


…やっぱりエンカの勝ちだった。右手には強化術がかかっており、左手にはどこかで見た形のアクセサリーが握られていた。


「あれ…一年の時のじゃない?」


「あ、それだ!…でも色が違うね…」


形は同じだが、色が違う。効果は相変わらず対象を霊体に変えること。もっとも、色の変化は効果の向上のせいなのだが…。


『勝者、エンカ選手!第3試合の前に、ステージの補修を行いますので、いましばらくお待ちください!』






「アズラ様…」

マリィがアズラに話しかける。


「なに?」


「その…賭けをしませんか…?」


「…何を?」


「相手へ一つ、命令する権利です…。…どうでしょうか…」


「あらいいじゃない。こんなかわいい妹に一つ命令できる権利なんて。…もちろん、逃げないわよね…?」

カティが話に入ってくる。しかも脅迫付きで。


「…逃げたら?」


「学園での生活が………」

途中で切ってあえて全部言わないカティ。


「わかったよ…」

しぶしぶ了解するアズラ。


「じゃあ期限は半年。それまでに使わなかったら相手に権利が移るってことで」


「負けませんよ~!」


『補修が終わりましたので、第3試合、マリィ選手VSアズラ選手、両者、中央にお集まりください!』




―第3試合、開始―

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