第十章章末イベント~魔術祭!大武闘大会!?1
「今日から魔術祭だな!」
「えぇ、存分に楽しみましょう!」
時は秋休み――学園の恒例行事、魔術祭の季節がやって来た――
「開会宣言は講堂跡地でやるそうですし、みんなで行きましょう」
「あれ~?マリィが司会じゃないの~?」
「……自分も…ヴェクとマリィがやると……」
確かに今まで、二年ともアズラたちに縁のある人たちが司会をしていた。だから今年はヴェクとマリィが司会だと予想されていたようだ。
「オレたちは司会なんてやらないぜ?」
「はい。マリィも申し込んでいませんが…」
完全に違うようだ。
「…ねぇ…司会って先生がやる事ってあるのかな…?」
「さぁ?どうして?」
「…なんとなく予想がついたんだ…」
で、講堂跡地…
『皆さま!これより魔術祭の開会を宣言いたします!』
『…なんでわたしが…』
「やっぱり…」
舞台の上で司会をしていたのはヴァンとファル。しかしヴァンは自らの意思でいるわけではなさそうだ。
『司会進行はわたくし、ファルと!』
『………』
『とっても機嫌の悪いヴァンでお送りしま~す!』
『ワアアアァァーッ!』
祭りの興奮に加え、二人の美人司会の登場で男どもが雄叫びをあげる。
『えーっと、本日はバザーと大武闘大会の予選、明日は本戦とメインイベントです!』
『………』
『皆さま!存分にお楽しみくださ~い!』
開会式の後、ヴァンとファルに呼び止められた七人。
「驚きました?今年はわたくしたちが司会なんですよ」
「おいファル、どういうつもりだ…」
「あらヴァン。あなたが退屈だとうるさいからわたくしからのサプライズプレゼントです」
「…いつの間に申し込んだ!?」
「えーっと、アズラさんたちが薬学のための水をもらいに来た日ですね。退屈のあまりに皆さんにやつあたりしてたでしょう?」
「で、なんでこうなるんだ!?」
「だから暇つぶし、ですよ。非日常を体験できるでしょう?」
「………」
「まぁちゃんとやるように学園長からも命令を受けていますので。…やらないとクビだそうです」
「…わかったよ、やればいいんだろ?や・れ・ば」
「はい、それでいいのです」
ヴァンの不満たっぷりの反撃も普通にスルーするファル。
「ねぇ師匠たち?」
「…なんだ?」
「そんな漫才見せるためにオレたちを呼び止めたの?」
ヴェクが話を急かす。
「漫才って…「いえ、きちんと用事があるのですよ」…おい!」
ヴァンの発言を遮るファル。
「ヴェクさん、マリィさん、あなたたちを大武闘大会の特別参加者に推薦しておきました。午後からの予選、がんばってくださいね」
「「えぇっ!?」」
「今年から教師の推薦があれば三年生以外でも大会に参加できるようになったのです。あなたたちの思い出作りも兼ねて推薦しておきました」
「え!?でも…「お前たちは十分に強い。普通にやっていれば勝てる」…はぁ…そうなんですか…」
「まぁ、ご武運をお祈りしていますわ」
「負けたら覚悟しておけよ」
思い思いの台詞を残して司会に戻る二人。
「じゃあ解散。七人みんなエントリーしたんでしょ?準備ってことで」
「わかった。じゃあね、みんな」
「じゃあな」
「また後でね~」
「……うん……」
「おっしゃ!兄貴と戦える!」
「マリィが戦うの!」
そして祭りに散っていった七人だった…
『これにて大武闘大会の予選を終了いたしま~す!』
『勝ち抜いた強者どもはこいつらだー!』←ヤケクソ
いい加減だが、一応司会らしい事を始めたヴァン。
で、予選だが運がいいのか悪いのか、七人同士で直接潰しあいは起こらなかった。
「組み合わせは明日わかるんだよね?」
「えぇ、残った八人…といっても七人は私たちなわけだけど…適当にシャッフルされてトーナメントで決戦、だそうよ」
「じゃあ俺はもう帰るぜ?明日に備えてゆっくり休むとする」
「うん、お疲れ」
その日はそのまま解散となった…
翌日、朝早くに貼り出されたトーナメント表がこれだ
カティ┓
┣━┓
ヴェク┛ ┃
┣━┓
エンカ┓ ┃ ┃
┣━┛ ┃
サクヤ┛ ┃優
┣
マリィ┓ ┃勝
┣━┓ ┃
アズラ┛ ┃ ┃
┣━┛
テムダ┓ ┃
┣━┛
ユ ウ┛
―武闘大会、開始―
仲間内で決闘…楽しいなぁ…。そう思いません?
あと、トーナメント表がつぶれた方はいませんか?特にいないようでしたらこのまま進めますが…