表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
122/174

果てへ向かう話

「失礼します」


コンコン、と扉を叩きながらカティが部屋に呼びかける。


「アルバイトの募集を見たのですが…」


「あぁ、わかりました。入りなさい」


「失礼します」


そう言って入る四人。


「あなたたちですか…アズラとカティは大丈夫として、ヴェクとマリィはどうでしょうか…?」


「…いくらヴァンたちに教えてもらってるからといっても…まだ二年生ですしね…」


「それなら心配はいらない」

見計らったかのようなタイミングでヴァンが現れる。


「ヴァン!?あなたたちには森林エリアの警戒を指示していたはずですが!?」


「定時報告だ。森林エリア一帯、特に問題なしだ。…で、この二人の何が心配だと?」


「いえ、少し調査を依頼しようと思ったのですが、この二人には少々難しいかと思いまして…」


「なんだ、そんな話か。言っておくが、この二人はその辺りの三年生と比べると遥かに強いぞ?それでも心配だと?」


「…まぁ、ヴァンがそう言うならきっと大丈夫でしょう。では今から同行者の先生と共に、調査の内容について説明します。…先生、いらしてください」


奥の応接室に呼びかける教頭。

その部屋から現れたのは…?


「それでは今日はよろしくお願い…なんだ、あなたたちですか」


「え…ミランダ先生…?」


「何よ、私じゃ不満?」


「だって…「…話が盛り上がっているところ、悪いのですが、調査の説明をしてもよろしいでしょうか?」…あ…ごめんなさい…」


さっさと説明したいらしく、話を無理矢理中断させる教頭。

コホンと一つ、咳払いをして、説明を始める。


「今回の目的は、草原エリアの最南端の『果ての平原』の様子を調べてくる事です。…本来なら、教師の仕事なのですが…今はとても忙しくて、手のあいている教師がミランダ先生しかいなかったのです。いくらミランダ先生が優秀とはいえ、失敗は許されませんし、最悪ミランダ先生が緊急帰還になったとしても、資料を持って戻れる様にとの判断で生徒を数人募集しました。

…説明は以上です。何か質問はありますか?」


最後の言葉は言いながら四人を見回していた教頭。


「先生、果ての平原の特徴を教えてください」

カティが教頭に言う。


「わかりました。果ての平原、通行可能地域は精霊の泉と風の大地。レベルは6、極めて危険です。魔物は当然とても強いですが、もっとも警戒するべき魔物にシルバーウルフがいます。その特性は…「教頭先生、残りは道中、私が説明いたします」…そうですか」


教頭の言葉を止めるミランダ。


「急を要するのですし、もう出発したいのですが?」


「…そうですね。あなた方もよろしいですか?」


「はい、準備は出来ています」


「では、よろしくお願いします。…学園の命運にかかわるかもしれませんので、失敗などしないように」


「はい、教頭先生、学園長。行って参ります」


学園長室を出て、学園南門から果ての平原に向かう五人だった…

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ