不穏地域調査依頼!
8月のある日、学園長室―
「…まずいですね…例年より、影響が早いかもしれません…」
「もうですか!?…確かに…前回で力は使い果たしてしまいましたし…。影響が出始めているのはどの辺りですか?」
「…草原エリアですね。この状態なら、高いレベルの地域が危ないかと。至急に調査隊を結成しましょう」
「教師で編成は…この様子では厳しいですね…。少し危険な仕事ですが、生徒に依頼しましょうか…」
「では、学生課にアルバイトとして出しておきますので」
「お願いしますね、教頭先生」
「探したのよ!アズラ!」
カティがヴェクとマリィを連れてアズラを呼んだ。
「どうしたの、カティ?」
「面白そうなアルバイトがあったんだよ!兄貴!」
「いっしょにやりましょう!アズラ様!」
「別に予定はないけど…手伝うも何も、アルバイトの内容を聞かないとどうしようも…」
「じゃあ来て!」
「わわっ!」
ズルズルと引きずられていくアズラ。わりと学生課は遠いが、大丈夫だろうか…?
「着いたわ!…あれ?アズラ、大丈夫?」
「…痛いんだけど…」
「あぁ!アズラ様!大丈夫ですか!?」
「マリィたちも、途中で助けてよ…」
「あ…わりぃ…」
「まぁ、一応無事に学生課には来れたわけだし…ほら、このアルバイトよ…」
「…もういいや…どれどれ…」
『草原エリア、調査隊急募!依頼主、学園長
最近、少し思い至る事がありまして、草原エリアの調査をお願いしたいのです。
かなり高いレベルの地域ですので、腕に覚えのある生徒に限らせていただきます。
受けていただける生徒は、学園長室まで』
「…なるほどね、学園直々、しかも珍しい調査型のアルバイトか…。…わかった、手伝うよ」
「ありがとう。じゃあ学園長室に行きましょ」
そして学園長室に向かう四人だった…