話の切り出し方って重要だよね?
「お、珍しいな、こんな大勢で。何か用か?」
「別に用はなくても来ていいのですよ?紅茶とコーヒー、どちらがよろしいですか?」
「あ、すぐに出るのでいらないですファルさん。それよりお願いがありまして…」
「なんだ?言ってみろ」
「わたくしたちにできる範囲ならご協力いたしますよ?」
けっこう大変な事だと思っている二人。それはそれで面倒である。
「いや、ただきれいな水がほしいだけなんだけど…」
「…それだけか?」
「うん、それだけ…」
「何に使うのですか?」
「薬学で万能薬を作るのに使うんです。できる限りきれいな水の方がいいそうですので」
「万能薬…となると宝玉の実を採りに水晶の樹海にですか?」
「はい…水晶の樹海ってどんな地域なんですか?」
「そうですね…わたくしたちの輝きの森ほどではありませんが、光とうまく調和した美しい地域ですね」
「魔物とかは?」
「えーっと…「猿に気をつけろ。以上だ、さっさと行きな」あらあら…ご機嫌ナナメみたいですね。では、帰りにまた、いらしてくださいね。水をわけてさしあげますので」
「はぁ…ありがとうございます…」
小屋を出た五人。
「ヴァン、怒ってたよね…?」
「俺たち何か悪い事したか?」
「「「さぁ…?」」」
「大人気ないですよ、ヴァン。いくら最近退屈だったとしても、大した申し出ではなかったからといって、助言もせずに追い出すのはどうかと思いますよ?」
「まぁ、確かにちょっと悪かったとは思っているさ。だがあんな深刻な切り出し方をされてみろ。重大な事だと思うではないか。それが、肩透かしだったときのショック…ああ腹立たしい!」
「…では、わたくしは少し用事を考えつきましたので、少し学園に行ってきます」
「あぁ、行ってこい」
「…少しくらいサプライズがあってもいいですよね?」
そう言って学園に向かうファルだった…