謎の書物、魔術書の秘密3
「ふぅ、さっきの場所よりはマシだな」
三人は、隣接地域である錬金術研究所に無事到着した。星5地域なので、わりと危ない地域のようだ。
「来てすぐに魔物ってのも、考えものだと思うけどね…」
見れば二体の人型の魔物――この地域の一般的な魔物、試作型ホムンクルスだ。
人と見るやいなや、速攻で襲いかかってくるホムンクルス。全身金属でのグーパンチ。かなり痛そうだ。
「おいおい…こんなのが星5地域の魔物かよ…」
呆れたように言うテムダ。威力のありそうなパンチ。しかし動きがいかんせん良くない。具体的には遅い。
「ハァ…」
錬金術で槍を造って、突き刺すまでの方が早い。何かが間違っている。
もう一体も適当に相手して片付ける。壊れてバラバラになったホムンクルスの核というべきものは、どこかに吸収されるかのように飛んでいった。
「なんでこんな地域が星5なんだよ…」
「ちゃんと調査してないんじゃない?」
「何かあるって可能性も…」
「ないない。学園のミスだって。…お、これは…」
テムダが一枚の張り紙を見つける。
『資料館の封印書庫開放スイッチ。要教師同伴』
「なんだ。けっこうあっさり見つかったじゃねぇか。押してみよう、ポチッとな」
「…大丈夫かな?」
「はぁ…また誰かが封印書庫の開放スイッチを勝手に押しましたね…。…先生、行ってきてくれます…?」
「面倒な奴らじゃのう…。まぁ、ワシに任せておけ」
教頭の要請に応えたのはいつぞやの錬金術教師だった。
「お願いします。実力行使でもけっこうですので」
「んじゃあ行ってくる」
で、封印書庫に向かうアズラたち。
「…なーんか嫌な予感がするんだけど…」
「奇遇ね、私もよ」
「そうか?」
「…ピ、ピ、ガイテキヲ、ハッケンイタシマシタ…。プログラムニモトヅキ、ハイジョイタシマス…」
「…ほらね…」
機械系の音で話していたのは女性型のロボット。おそらくホムンクルスだろう。
「…どーせやるしかないんでしょ…」
「セントウ、カイシ…」
―不幸はいきなりやってくる―
えーっと、明日は休日なのですが、なぜか模試(代休なし)があるので更新ができないかもしれません。
先に謝っておきます、ごめんなさい。