ドロドロおばけのお話
「………」
「………」
「…えっと…ここ、本当に死霊の大樹だよね?」
結局、途中で諦めたアズラは、普通に二人についていった。死霊の大樹へのルートには、学びの木、輝きの森、そして死霊の大樹というルートがあるため、変な魔物と鉢合わせする事はなかった。
で、問題の死霊の大樹なのだが、まったくもって死霊がいない。普段ならそこらじゅうに数え切れないほどいるのだが、気配すらしない。
ちなみに、ヴェクとマリィが誘拐された時も、後ろには背景のごとく死霊がいたのだ。…死霊避けの結界があったので、その時は気にしなかったが。
「……変だね…週に一度くらい通ってるけど…こんなの初めて……」
「え!?エンカそんなに来てたの~?」
「……通ってたら…あの先生みたいに…幽霊と友達になれるかな…と思って……」
「…死霊だから襲われるんじゃ?」
「……こっちの気持ちがわからないの……」
少し無理な話である。
「……仕方ない…聞いてみよう…《交信…》」
エンカが使ったのは少し応用の異世術。自分の意識を残したまま、異世に呼びかける方法だ。
「……えっと…なになに…?『今日は異世のカーニバルなので…全員休業です…ご了承ください…』…ふざけてる……」
「いや、別にいいんじゃない?…何かイヤな予感しかしないし…」
おそらくアタリである。
「……もういい…異世術で呼び出してやる……」
「おばけ屋敷みたいになるんだね~?」
「いや、絶対にそんなレベルじゃ済まないから!待って!エン…「《開け…異世の裂目…》」…カ……はぁ…」
ゴゴゴゴゴ、と空間が揺れた後、裂目が開く…。
「誰だ…我を呼び出したのは…?」
大型の王様的な幽霊一体が出た後…?
「うわぁぁぁぁ!!!」
死霊がカーニバルごと出てきてしまった…
「せっかくの休日を…許さ~ん!」
…魔術祭の対戦組み合わせですが、いまだに一つも希望がありません。もうどうでもいいとお思いの方も多いと思いますが、一応、後一週間で締め切りたいと思います。
…希望があればほぼ絶対に通るので、本当によろしくお願いいたします。