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1.ブルック家

彼女は、妹であり、姉であった。そして誰よりも愛する親友であった。

それ故に、失った痛みは計り知れず、いつまでも膿んだ傷のように、心の奥底に在り続けた。


◆◆◆◆◆ ◆◆◆◆◆ ◆◆◆◆◆


ジョセフィーネは、養女であった。

彼女の両親は5歳の頃流行り病で相次いで他界したため、母の生家であるブルック男爵家へと貰われていった。


ブルック男爵家は、母の兄であるサイモンが継いでおり、そこには生まれつき心臓の弱い一人娘のマリアンヌがいた。

マリアンヌはジョセフィーネより一つ下の黒髪の儚げな美少女であった。

対してジョセフィーネは艶やかな茶色の髪、少年のような中性的な美しさを持った少女であった。

マリアンヌはその身体の弱さから永くは生きられないだろうと思われていたため、実質の跡取り娘としてジョセフィーネが養女とされたのである。



「おねえさんができて、うれしいわ」


初めてジョセフィーネに会った時、マリアンヌはそう言って大層喜んだ。


「マリアンヌは、わたしのしんゆうよ」


ジョセフィーネも自分を求めてくれる愛らしい少女に心を寄せた。

ジョセフィーネはベッドで過ごすことの多いマリアンヌのために、彼女の喜びそうな物語を読み聞かせることを喜びとして、多くの時間を二人で過ごした。


そんな仲睦まじい姉妹の様子にマリアンヌの両親は喜んだ。

ただ、それはマリアンヌの両親としてで在り、ジョセフィーネに思いを寄せているわけではなかった。

ジョセフィーネのことを心底愛してくれるのは、このブルック家ではマリアンヌただ一人であった。

それでも、ジョセフィーネは幸せだった。

ただの一人でも自分を愛し、求めてくれるものがいるそれだけで幸せだった。


しかし、二年後、そんな暮らしに変化が訪れた。

マリアンヌに妹が生まれたためであった。

生まれた末娘はソフィアと名付けられ、輝く金髪に薔薇色の頬、健康にも恵まれ、マリアンヌの両親は思いがけない子宝に大層喜んだ。


そして、ソフィアが跡取り娘となり、ジョセフィーネはただの養女となった。

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