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7月27日

誰かのために生きることは幸せなことではないし、

だけどそれをみんなが幸せと言うならそうなんだろう。

知らない妊婦のために死ねる、というあなたが、

それを称賛する世界が、

理解できない俺は人間ではないですか。


新年に、おみくじをひいた、

吉だったことを今も覚えている。

狭い参道をもこもこ着込んだ軍団が動いていく様子を

頭が痛くなるほど覚えている。

そのあと×※〇▽がやってきて、

雪の中にそうっと置かれたあなたを、

怖い夢のようにずっとずっと覚えている。

ぎょろ目でこっちを見たあなたを、

ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと

死んでも、きっと忘れられない。



雪の中に、消えていくあなた

言葉を贈ることだけしかできない俺は、

本当に、ふがいなかったんだ、

生まれた瞬間から呪われてしまったかわいそうなあなたに、

ぎょろぎょろ目のあなたに、

たった一言だけ、言わせてほしい、

「ごめんな」

ごめんな。


その大きな目から、ぽろぽろ涙をこぼす

雪の中、白いおくるみのなか、

俺はあなたを助けることができなかった

俺はお金持ちでも自由人でも大人でもなかったから、

言い訳ばかり、させてくれ、

俺は家族といっしょだったから、

俺は未成年だったから、

俺はあなたが怖かったから。

だから助けられなかったんだ。

悲し気にこちらを見ている。

怖い、悲しい、寂しい、恨めしい。


雪が降っている。

しんしんと降っている。

ただ降っている。

まだ降っている。

世界中に降っている。

それが雪であったか今となっては思い出せない。

もしかしたら永く降り続いているこれは、

雪じゃなくて

かもしれない。

あなたを壊し、

俺を悲しませ、

みんなを滅亡に向かわせ、

天に祈ってもなお、

降り続けるだけの、

灰かもしれない。


誰かのために生きることは、幸せではない。

みんな誰かのために生きたせいで、利用されてしまったんだ。

自分の夢や欲望にでも振り回されて、

地球中を駆け巡っていればよかったのに。

だから誰かのために生きることは幸せじゃない。


炎が地上を駆け巡った夜のことを、

俺は教えてもらえなかった。


誰かのために、きっと夫のために、

×おか※あ〇さ▽んはきっとあなたを捨てたのだ。

誰かのために生きたせいで、俺たちはおみくじの吉を喜べず、

ただ明日明後日しあさってと来る滅亡を待つだけの

かなしい人類となってしまったのだ。

それでも希望を捨てず、あなたを産んだ×※〇▽は素晴らしい人なのに、

そうだ、

誰も恐ろしい人間なんていない。

みんな、

誰かのために生きることが幸せだと思っていたせいで、

あなたは醜い顔を背負い雪の中でただ白く消えてしまうのだ。


泣いている。

一つ目を赤くうるませて。

あなたが灰に埋もれていく。

俺は手を伸ばすことができない。

「ごめんな。」



核戦争後。


7月27日の夢。戦争、執事、幽霊の夢を見た。こちらをじっと見ている赤ちゃんが、強く印象に残っている。

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