7月24日
懐かしい風景より、
まだ知らない世界に会いたい日がある。
いつか思い出になるその世界に、
会いにいきたいな。
カラフルと言うことが、世界ではたくさんの意味を持っていて、
バカっぽかったり、素敵だったり、富の象徴だったりするけど、
私の中では子供のころの思い出です。
カラフル、カラフル、
虹を見られない雨の日が、もう何年も続いていて、
世界はだんだんモノクロになっていって、
ある日悲しい夢の帰り道に虹を見つけたい。
そして駆けだしていって虹のねっこを探しに行きたい。
見つけたら、少し切り取って、
庭に植えて立派な木にしよう。
真面目ばかりでは、つまんない。
遊び心が何事も大事だと思います。
カラフル、カラフル。
博物館だって、絵本の中のようにしてしまえばいいのさ。
ピンクは女性に似合う色だと聞いて、
なぜそうなったのだろうと首をかしげている君は、
桜の花の下にいるときがいちばん美しいよ。
理屈ではわからないことがたくさんあって、
だから勉強なんてしてもしなくても一緒なんだ。
桜が散るときれいなこと、
向日葵畑の中のおばさんが昔器量の良い娘だったろうことを想像できること、
冷え込んだ朝に、あたらしいボルドーのセーターを着て散歩に出かけること、
つめたい空気を吸い込むと、咲き始めた金木犀のにおいがすること、
冬、夕焼ける空に裸の木々が影絵みたいに映ること、
アスファルトを突き破って生えてきた雑草、
空の様に青いふぐりの花、
生きて、死んで、命がえいえんに続くこと。
終わりがあるのは命じゃなくて僕たち。
命はえいえんに終わらない。僕が死んでもきみがいる。きみがしんでも誰かがいる。
僕は死んだら戻らない。君が死んでも戻らない。
まるで命は儚くて、短いもののように言うけれど、
そんなことはない、命は何億年も前からあって、これからもある。
命は僕らを試しているのだ、
命にふさわしい心か、生きるのに適した性格か。
合わなかったら放すだけ。ぱっと手を放されて僕が死ぬだけ。
ふしぎなことだ。
これらのこと全部分からなくたっていい。
化学式にして解明しなくたっていい。
だけど知っていてほしい。
夢の中にも香りがあること、そしてそれを感じられること。
古い本ばかりの図書館があった。
たくさんの老樹で作られた本棚の中、
誰かが笑って楽しんだ本たちが眠っている。
私はある本を探している。名前を、知らない本、
いつも終わりは突然なんだ。
見つけて、手に取ったとき、
風が吹いて特急が到着する。
特急に乗ってどこまでも行ける。
まだ見ぬ世界へ。
怖いな、僕の知らない世界たち。
会いたい、と思うけれど、
狂ったように踏切の音と電子音が響く駅はさすがに泣いてしまった。
逃げ出して、走っている。
走っているとき、振り返って、
私はあっと気づいた。
今まで知らない世界をずっと来ていたことに。
博物館も、図書館も、駅も、雨の町も。
いつのまにかこんな遠くまで来てしまった。
ずっとずっと向こうに私の部屋が見える。
朝になる。そして朝になる。
眠りが途切れる。
虹も桜も君も消える。
そして、
7月24日の夢。絵本のような展示法の植物博物館、娯楽本ばかりの図書館、いろんな駅に行く夢を見た。何かの木のにおいをかいだことが、とても印象に残っている。




