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7月18日

空想家のあなたが、想像のままお空を飛んでいく

楽しいなぁ、とあなたが飛んでいく。

うらやましいな、と僕たちは思うから

空を見上げて声を上げるのだ。

ちいさなあなたが飛んでいく。


恋、来い、

哀しい別れの、その先に

ただ咲き誇っている花をつんで、

リボンでまとめたら

あなたにあげるから、

今はただ笑顔でおやすみ。


絵本を開いて読み聞かせ。

あなたの語る言葉は、

寂しい物語をうつくしく変えていく。

泡となり消えてしまった人魚姫は、

天使となって王子を祝う。

その夜僕は深い海の夢を見た。


ないてわらってねむるだけ。

なにもつくってくれなくても、

てつだいをしてくれなくても、

あなたはねむっているだけで生きてていいよ。

そうささやかれて

しんでしまったようにねむるあなたは、

ほんとうにしんでしまっているようで、

ぼくはそれを起こしてしまう。


誰も知らないあなたの友達を、

あなたも忘れてしまった友達を。

ずっと昔の懐かしいあのころ、

夢か本当か、今となってはわからない日々

あなたの友達はたしかに怪獣のソフト人形で、

あなたの恋人はたしかにぬいぐるみのクマだった。


わ すれな いで

いつか あな た が

おと なに なっても

ああ きょうも いい ゆ めをみた

あかい リボ ンのかわいいはな たば かかえて

ねむっている だ けで

いきる かちが あったあのころ

あなたは

ゆめの なかで

いつでもあの ころにもどれ るから

いちにちじゅう ねむっていたあのころ

よる しか ね むらないいま

あのころ あなたが おきて いたじかんは

ねむり の なかに とじ こめられて

ほうせき み たいにきらきらひかる

ゆめいろの ほう せき

ベッドのなかで なん どでも

みつめて みがいて

そして



おやすみ。



目が覚めて僕は隣の布団を見下ろした

そこに眠っていたのは

あなたの形をした静かな色だけだった。


7月18日の夢。飛び出す絵本と、花束をかかえた誰かが強く印象に残っている。


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