7月31日
ぐっどばい、さよなら、さよなら、ぐっどばい。
桜が散り、天は柔らかく光って、
僕らは卒業する。
ぷるぷるゆれるゼリーの中のような6年間でした、
ぐっどばい、さよなら、さよなら、ぐっどばい。
冷え込んで、乾燥して、手の中のマッチが燃えていく
手袋を持ってこなかったせいで手がちぎれてしんでしまう
無意味に明るい校舎を見ている
仲直りせずに過ぎた夢
卒業した学校を見ている
とてもさみしかったの、あなたも君もお前もいなくなって
大好きだったあなたと毎日会えたあの日々は
最高に幸せだったのに
ゼリーは食べているときにはそのおいしさに気付かないものなんです。
食べ終わって、「おいしかった」と思う時が一番おいしいの。
戻りたいと願うのが、
まるで凡人の考えのようで、
特別が好きな僕は嫌がって頭を振った。
いつまで泣いているんだ、
早く顔を上げて家に帰ろう。
ぐっどばい、さよなら、さよなら、ぐっどばい。
ありがとう、そしてさようなら
大好きだったあなたへの手紙を書く
僕は手紙の才能がすこしだけあって、
だから褒められて喜ばれる手紙を書くことができました。
すてきなあなたの似顔絵、
先生がくれたシールできらきら光っている。
■ + ■
+ ■ ■
きらきら。きらきら。
さよなら。さよなら。
また会いたい。
何度でも会いたい。
何度だって会って、おはようと言って、
ばかばかしい喧嘩をして、あなたの一言に一喜一憂したいよ。
でも、
桜が散る、
僕らは合唱が上手になっていく、
じっと座っていられるようになる、
可愛い服を買ってもらう、
きれいな編み込みをしてもらう、
春の風がふっと吹いて、
あなたの髪も僕の髪もひとしく揺れて、
天が柔らかく柔らかく光って、
卒業式がやってくる。
僕らはいつの間にこんなに遠くまで来てしまったのだろう。
ちいさな甘いゼリーをみんなでひとつずつ口に入れた
もぐもぐと咀嚼する口の中では、おいしさがまだわからない
思い浮かべるだけでしかその味を味わえない今じゃ、
すごく甘くておいしいのに。
ただ、卒業してしまったというだけで、
僕らは学校に戻ってこられなくなるし、
懐かしい教室だって後輩のものになってしまう。
最後に、言いたいことがたくさんあった
別に今言えないわけじゃない
その気になれば明日にだって言える
だけど
今
言いたいことは
いくつも
そう
いくつもあって
それでも
小心者の僕は
声を
出せないから
あなたは
ここから何か感じ取ってね
僕の言いたいこと
あなたにずっと言いたかったこと
ぐっどばい、さよなら、さよなら、ぐっどばい。
7月31日の夢。卒業前の夢を見た。小さな甘いグミを、クラスのみんなで食べたことが印象に残っている。




