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3話 復讐は続く

1


「久しぶり、杉本正人!」

 レドサン高校の生徒を殺した男が、制服姿の少年に挨拶をした。

「誰だ?」

「覚えてないの? 大森翔輝だよ」

「……デブッピオ? お前、死んだんじゃないの?」

「死んだよ」

「あ? デブッピオのくせにからかってるのか」

「本当だよ。生き返ったけどね」

 そう言いながら翔輝と名乗る男が無言で正人を殴った。

「ってーな。やんのか? おい、おい?」

 翔輝と名乗る男はローキックで正人の左脚の骨を折り、右手から出した剣で腹を刺した。

 さらに、前方に蹴って正人を仰向けに倒した。

「ううっ」

「ハハッ、死ね」

 と笑った後、翔輝は上から2メートルほどの岩を落として正人の下半身を潰した後、首を切断した。翔輝が正人を殴ってから殺すまで30秒もかかっていない。

 朝の登校時間、目撃者がいるのにも関わらず翔輝は堂々と犯行を行った。





2



「おお、すげー」

「グロッ」

「俺をいじめた奴は覚悟しろ、だってよ! ハハハハ」

「うるせーな、あいつら」

 教室で弁当を食べている勇士が、騒いでいる男子生徒を蔑んだような目で見た。

「何を見てるんだ?」

 と言ったのは面多胴一。イケメンで、勇士とは小学校以来の友人だ。

「どーせ、昨日の事件の動画だろ」

「あー、レドサン高校の。よく見れるな。グロいらしいじゃん」

「胴一は見てないの?」

「見てない。俺は、ああいうの苦手。お前は?」

「見たよ」

「マジかよ……」

「そんな目で見るなよ。魔法を使ったらしいから気になったんだよ」

 実際はハルミアに見せられたのだが、勇士はハルミアと一緒に暮らしていることを胴一に話していないため適当な嘘をついた。

「お前、本気であれを信じたのか? 魔法なんて使えるわけないだろ」

「そう思うだろ? 本当に犯人が使ったんだよ。魔法を」

「編集じゃないの? それかフェイク動画」

「編集でもフェイク動画でもないと思う」

 勇士も異世界に召喚されなければ編集か事件に便乗したフェイク動画と思っただろう。

「それに犯人がいじめを苦に自殺した奴にソックリなんだ」

「偶然だろ。死んだ人間がどうやって人を殺すんだ?」

「まぁ、普通は死んだら異世界に転生でもしなきゃ殺せないよな」

「お前、まさか、いじめられっ子が異世界に転生して復讐しにきた! と思ってるのか?」

「思ってねーよ」

「だよな!」

 たとえ冗談で異世界に転生して復讐のために戻ってきた、と言えば白い目で見られるため勇士はごまかした。



 





「諌山さん、昨日レドサン高校で生徒が亡くなったのを知ってますか?」

「知ってるよ」

 夜、アルバイトを終えたハルミアは少女に話をかけられた。彼女の名前は大森美奈、高校1年生。髪を肩まで伸ばしているおとなしそうな少女だ。

「その時の動画がネットにアップされてるみたいですけど、見ましたか?」

「え?」

「あ、ごめんなさい。普通は見ませんよね」

「見たよ」

「そうですか。あの動画エグイらしいですけど諌山さんは平気なんですね」

「まぁね」

 ハルミアは異世界にいた時、敵対する人間に命を狙われたことがある。そのため、人間の死体はある程度見慣れている。

「それで……あの……犯人の顔が映ってるみたいですけど、どんな人でしたか?」

「1年前に自殺した大森翔輝って子に似ていた」

「え……なんで……?」

 ハルミアが言った事実が予想外だったのか美奈は困惑した

「どうしたの?」

「あ、いえ。一瞬、幽霊が生徒を襲ったと思ってびっくりしただけです」

「そう。……ねぇ、美奈ちゃん」

「なんですか?」

「やっぱり、なんでもない。殺人犯が、そこら辺をうろついているから気をつけてね」

「はい。気をつけます」

 ハルミアは何かを聞こうとしてやめた。



 ハルミアは異世界にいた時、敵対する人間に命を狙われたことがある。そのため、人間の死体はある程度見慣れている。

 狙われたことがある。~そのため、 の間はあえて描写しません。

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