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2話 殺戮 後半

勇士が異世界から日本に戻ってきて5か月が経過した。勇士は高校に通い、日本語を習得したハルミアは1か月前からコンビニで働いている。

「おかえり勇士。ちょっとテレビを見て」

「なんでだよ」

 制服姿の勇士は母に促されてテレビを見た。

「剣を持った不審者が高校を襲撃して生徒が沢山、殺されたみたいよ」

「マジで!? 日本じゃ珍しいな。どこの高校だ?」

「レドサン高校よ。そんなに遠くないわね。犯人は捕まってないから気をつけて」

「俺は魔法を使えるから犯人に襲われても大丈夫。そいつが異世界人だったら別だけどな。まぁ異世界人なんて、そうそういないだろ。だけど、母さんは気をつけろよ」

「ええ、気をつけるわ。……ハルミアちゃんは大丈夫かしら? 今、バイト中よね」

「アイツも魔法を使えるし使わなくてもゴリラより強いから大丈夫だろ」

「あんた、酷いわねぇ。ちょっとは心配してあげなよ」




 その日の夜、勇士の部屋にスマートフォンを持ったハルミアが入ってきた。

「勇士、これを見て!」

「わぁ!」

 ハルミアがドアをノックもせずに勢いよく開けたため勇士は驚いた。

「びっくりした。なんだよ」

「高校襲撃事件で生き残った生徒のブヤッキーなんだけど……」

 ハルミアはブヤッキー(200字以内の短文を投稿できるウェブサービス)に投稿された文を指さした。

 そこには、こう書かれている。


 【拡散希望】死んだはずの大森翔輝がレドサン高校を襲った犯人です。彼は復讐のために魔法でみんなを殺しました。翔輝はレドサン高校でいじめられて自殺した生徒です。翔輝をいじめたことがある人は気をつけてください。殺されます。


「魔法で殺した?」

 勇士は呟いた。

「この大森翔輝っていう名前を調べたんだけど、同じ名前の子が去年の夏にいじめが原因で自殺してるの」

 亡くなった大森翔輝とはレドサン高校に通っていた高校2年生。1年前の夏にいじめを苦に自殺した。

 遺書にいじめの内容といじめた生徒の名前が書かれていたが、高校や教育委員会はいじめがあったことを認めていない。このことは当時、盛んに報道された。

「へぇ~。……コイツ、本当に生き残った生徒か? ブヤッキーだから生徒のフリをした奴が面白がってるのかも」

 ブヤッキーは他人になりすまして短文を投稿することができる。

「そう思うよね。じゃあ、このブヤ主が撮影した動画を見て! 結構、むごいから気をつけてね」

 勇士は動画を見た。

 殺戮の様子が鮮明に写っている。

「炎魔法!?」

「それだけじゃないよ」

「雷……氷……これはビーム?」

 勇士は動画を見終わった。

「本物……なのか? これ」

「たぶん本物だと思う。ねぇ、この犯人、亡くなった大森翔輝君に似てない?」

 そう言ってハルミアは大森翔輝の顔画像を見せた。

 レドサン高校を襲撃した者と大森翔輝はよく似ている。

「確かに似てるな」

「ねぇ、この翔輝君って子、異世界に転生したんじゃないかな? で、向こうでスキルを貰っていじめっ子に復讐するために日本に戻ってきた。ほら、洋一さんが読んでいるラノベに高校生が転生する話があるじゃん。勇士だって転生じゃないけど召喚されたんだから」

「ん~、その可能性はありそうだな」

 普通は異世界に転生したという推理をされても賛同する者はいない。しかし、勇士は異世界に召喚されて魔王を倒したという過去があるためハルミアの荒唐無稽な話を否定することができなかった。



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