僕と君の出会い
僕は普通であるという特別な事に、
君と出会って知ったんだよ。
それは昨日と変わらない今日だった。
人でいっぱいの駅。
電車のなかに立ち尽くし、
目的地に停ると降りる。
何回か繰り返す。
そうして少しずつ人は減って
僕一人だけが揺られていた。
それは決められた事のようだった。
そこに君は現れた。
誰も乗ってこない筈の駅で、
ひょいと偶然迷い込んだ君。
ボーっと見蕩れていると、
君は確かこう言ったよね。
「君も特別な様だね」
何を言ってるんだろうと
きっと顔にも出てしまった。
その顔を見てもう一言
「やっぱり特別な人だ」
軽やかに数歩君は僕の向かいの席に腰掛けた。
「何を言ってるか分からないんでしょう?」
まだ僕は一言も発していないと気付く
「君は誰?」
君はつまんなさそうな視線を僕に向ける。
「いい? 今からする話はとっても大事なの」
「無粋な事はしちゃダメなのよ?」
この世界で笑顔という言葉は、
君の為だけにある様な、
そんな事を僕に思わせる笑顔。
正直ズルだよね。
「私も君も特別なんだよ」
うんうんと一人で君は頷いた。
「だから一緒にこの世界を壊しましょう。」
「どう?気になるでしょう?」
僕は降りる筈の駅を乗り過ごした
ごめんなさいって言いたくなります