第一章 師匠との出会いpart1
この世界に来れば何かが変わる。そう、思っていた、、、、、、
人見知りなこの性格も、
でも、環境が変わっただけで何も変わらなかった。
絶望にくれている僕はもう人生の終わりだ。そう思ってしまっていた。
そんな時、師匠はこういった。
「何事も一歩前に、踏みださなければ始まるものも始まらないのじゃよ」
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僕がこの世界--ハルシオンに来た時、1ヶ月前の話だ。
それまで僕は人見知り、コミュ障、弱気な性格という難点を抱え、生きてきた。見る人全てが僕の敵だと思え、
聞く人の声が僕を罵倒する言葉だと錯覚し、鼻に吸い込む匂いはみな、僕を苦しめる。
僕は嫌っていると同時に怯えていた。生きる人全てに。
世界が息苦しく、毎日生きるのがつらい。
まるで小さな虫かごに入れられているような
そこで僕は他の虫と戦わなければいけない。
小さな領域の中で自分の居場所を得る叉は奪うために
外の世界から与えられる食べ物で餌付けされる。
嫌だった。1日を生きるのがつらかった。
そんなある日、いつものように僕は見る夢を設定し、その日の夜***の夢を見た。
「***** ***」
えっ、なんて言ったの?
ぼやける意識のかなで誰かの声が頭に響く
だが、その言葉が聞き取れない。
正常に働かない五感を無理やり使い、今自分がおかれている
状況を知ろうとする。
誰かが 僕をおぶっている?
苦しそうな息づかい。この人は僕をおぶって走っている、何故?
そこで徐々に意識が遠のいてゆく。
「生きるのを止めるなよ」
この言葉を聞き終える前に僕の意識は途絶えてしまった。
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木々の香りが良い。リラックス効果は絶大のようだ。
髪をなびかせる程度の風が僕の思考を目覚めさせる。
肌に触れている物はしっとりと湿っていて、冷たい。土だ。
気がつくと僕は土の上に倒れていた。
辺りを見回すと暗い。
もともと夜で暗いのだが、月の明かりすらも飲み込むうっそうと茂る木々によって光がほとんど届かない。
「ここはどこ。 僕は知らない、、こんなとこ、、、、、、」
怖くなった。いつもの部屋がない。壁がない。
僕を世界から切り離す存在が。
僕はただうずくまった。これが悪夢なら覚めてくれと願って
いつまでたってもこの景色は消えない。
だが、落ち着きはしたので、辺りを見回す。
相変わらず木々によって光が遮られ、暗い。
光を求め、周囲をくまなく探すと、
うっすらとした光の粒が動いているのが見えた。
蛍 もしくはそれに似たようなものがちらほらと見え、
どこかえと続く道しるべのようになっていた。
僕はただ好奇心でその光が集まる方へと進んで行った。
まるで光に導かれているかのように
しばらく歩くと何かとてつもなく大きい物が何百 何千もの光に照らされている。
白いそして触ってみると滑らかなタッチだ。だが,木々が絡まり、苔があちこちに張り付いてかなり年代を感じさせる。
高層ビル位の高さはある。柱かな。にしては曲がりすぎているし、大きすぎる。
骨だ。 僕が触っていたのは一本の大きな骨だったのだ。
骨の付近を見ると、似たような骨がいくつものあった。
何かの生き物を形作っているかのように並んでいる。
いや、繋がっているのだ。
この骨の主は大地に立ったまま死に、そして骸になったのだ。
僕はこの骸の全体の大きさを知ろうと、上を見上げた。
先が見えない。骸の周りには月の明かりが届き、暗くて見えないということはないのだが、この骸が余りにも大きすぎるのだ。
一本の骨で高層ビル位の大きさがあるのだから
きっと東京タワーの半分の大きさはあるのではないだろうか。
骨の一本一本から生気が感じられ、骸となった今でさえ、動き出しそうなほどだ。
僕は今までにないほどの大きさの骨をみてしまい、
ただ唖然届きするしかできなかった。
(スケールが違いすぎる。 僕はこんな生き物知らない)
今までの価値観が覆されるそんな感じだ。
僕がいた世界にはこんな生き物いなかったはずだ。
夢ならば、僕が見間違えるはずがない。
だっていつもは自分で夢を設定しているのだから。
「やぁ、この世界を楽しんでいるかい少年。」
突如の事で気づかなかった。
反射的に後ろを振り向き、その声の主の方を見た。
見ると一人の人間がこちらに手を振りながら近づいてくる。
僕は警戒心からか一歩後ろに下がる。
「そんな警戒しなくてもいいって、僕はエイリ クライリ。 エイリでいいよ。メイジ君」
少年はさっと身をひるがえし、近くにある石の上に立つ。
金が混じる黒髪が一瞬ふわりと揺れ、少年は手を大きく広げ、
威勢のいい声で僕に告げる。
「ようこそ、夢の世界-ハルシオン-へ 」
夢世界? what?
さっきから頭がついていかない。頭がこんがらがるようだ。
この世界は僕がいた世界じゃないの。
その後、僕はエイリに連れられ、街へと反場無理矢理つれてかれた。
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街は人が多く賑やかだった。というかさっきまで夜だったのに
今は昼間だ。
行き交う人が物を売り買いし、会話を楽しむものもいる。
みんな笑顔だった。
でも僕にとっては恐怖そのものだ。
みんなが僕をあざ笑っている。そう思えてしまう。
僕はエイリの背に隠れるように道を歩いた。
エイリは背も年も僕より上だ。
「そんなに警戒しなくても。誰も君を襲ったりしないんだけど」
「怖いものは怖いんです。人見知りでコミュ障な僕の気にもなってください。」
エイリは珍しい物をみるかのように僕を一瞥すると、
いきなり僕の手を掴み
「そんなん気にすんなって! 行くぞ」
急に駆け出した。
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多分5分で着いたと思う。大きな屋敷の前にいた。
「エイリ、ここは?」
「んっ、ここは俺達のギルド五月だけど」
そう言うなり、エイリは僕に向かって指を指す。
「メイジ お前を僕のギルドに招待しよう」
「無理です。ごめんなさい」
即答だった。 あまりの早さにエイリは口を開けたまま ぽかんとしている。
だって、いきなり誘うとか怖いよ。それに大勢の人がいるとか僕にとっちゃ拷問だよ。
「俺達のギルド、結構有名だぜ、、断る理由なんてある、、、、、、」
声が震えていた。 相当自信があったのだろう。
予想外の僕の反応に戸惑いを覚えている。
人見知りな僕は実力の有る無しに関わらず、ギルドという
大勢の人がいるところには関わりたくはない。
エイリには悪いですが、ここはお断りを......
「入ってみりゃわかるって、すぐ慣れるから!」
開き直りやがった。
(嫌だぁぁぁ。離してぇぇ)
嫌がる僕を無理やり、引きずっていく。
大勢の人が集まる部屋に僕を運ぶなり、
「今日からコイツが入るから、みんなよろしく」
とエイリは叫んだ。無茶苦茶だ。
みんなの視線が僕に集まる。怖い。早く逃げ出したい。
(もうやだよ、こんな世界、、、、、、)
そんな怯えた表情の僕を見たのか、みんな反応に困っていた。
「ほらメイジ、みんなに挨拶」
頭が真っ白になった。
気づいた時にはもう足が動いていた。
「ごめんなさい! 僕には無理です!!」
叫ぶなり僕はギルドから逃げ出した。
(もうやだよ,世界が変わった。知らないよ。僕は何にも変わって いない。弱虫のままだ。)
泣きながら僕は街を駆けた。人にぶつかった。何度も
そのたびに謝り,その場を去る。
結局、僕に居場所なんてない。世界が変わろうと
いくつもの路地裏を通り、転びながら僕は走った。
河辺までくると、僕はへなりと倒れ込んでしまった。
川の水が綺麗な事もあり、魚がちらほら見えた。
「なにやってるんだろ 僕は」
途方に暮れていた。 これからどうするか、飯は?
そんなこと関係ないくらいに僕は疲れていたのかもしれない。
だから、こちらに来る足音もその人の声を聞くまできずけなかった。
「お主、よそもんじゃの」
それは穏やかで何かを知ってる。そんな声だった。
視線だけをそちらに向けると、一人のローブを纏ったおじいさん
が興味深そうにこちらを見ていた。
元々今いる世界に馴染めなかった僕が急に夢世界なんてとこに
着てしまい、わけのわからぬままエイリにギルドに連れられ
逃げ出してしまった。
落ち込んでいる僕に声をかけた人こそが後の僕の師匠。
ニコライ アレイスだった。
どうも、投稿に1日遅れてしまいましたが無事完了です。
世界観設定はあらかた書き終わり、あとは文章にするだけなのですが、文章にするのって難しいです。
読者の人に読みやすく書く。
大変です。頑張って書くので引き続きこの話を読んでくれると ありがたいです。
読みにくかったりしましたら、感想なのでダメ出しを具体的にしてもらえると参考になります。