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第一章 プロローグ とある日の日記

私は今日-才能-の違いというものを知った。


-------


それはよく晴れた夏の日の出来事だった。

まだ朝方だというのに日差しは強く、私の肌を焼いた。

私はいつものように街に行くために山道を歩いていた。

正直私はこの道があまり好きじゃない。ドリムがでるからだ。

命を危険にさらすくらいなら他の道を通りたいが、街までは時間がかかり、山を越えるならここの道が一番の近道だということを知ってしまっているのでしぶしぶ通っているのだ。


6時間は歩いただろうか。太陽が頭上にきている。

あともう少しで街が見える。そう思った矢先、

何か音がしたのだ。それも何回も……


私は腰に差している剣に手をかけ、当たりを見回す。

当たりに響く金属音が耳の中で騒ぐ。

近い。誰かが戦っているのか。

逃げ出したい気持ちを抑え、私は音の鳴る方向へと足を進めた。


近づくにつれ、次第に金属音が大きくなる。

手前にある木をよけると誰かが......


見えた。3人......いや、4人いる。

4人のうち1人は背の小さい少年 いやあとの3人が大きすぎるんだ。大柄で身長が三メートルはある。

あの野蛮で獰猛な顔、特徴のある角と口から顔を出している牙

近くにいるだけで恐怖を感じてしまうあの風貌


間違いない。あれはオーガだ。しかもよく見るとオーガたちの体の色がところどころ黒い。

「あのオーガ ドリムに取り憑かれているのかよ」

ちっ 思わず舌打ちをしてしまった。


どこか別の世界の負の感情が形になった化け物 それがドリム。

今回のように取り憑くタイプの場合、もとの生き物の力を増長してしまうという厄介な能力付きだ。


対する少年を良く見て見ると、幼い顔立ちで背が低い。

「まさか......子供なのか)

オーガがいるのにも関わらず、声を漏らしてしまった。


刀を持った幼い少年がたった1人で3体の凶暴化オーガを相手している。

少年とオーガとの距離は五メートル離れているがそんなのは関係ないようなものだ。

オーガの手にしている大剣がきらびやかに光り、殺気立っている。完全に殺すつもりだ。


何故子供が......さすがにオーガを3体となると王立統制院の私でさえ、死ぬかも知れない。ましてやあんな幼い少年だ。

死は目に見えている。行っても無駄だ。

しかし、まだあの子供は生きている。

生きている子供を見捨てる訳にはいかない


死してなお人を救うのが王立統制院の者の役目だ。


私は死を覚悟し、震える手で剣を抜こうとしたまさにその時、

信じられない光景を見た。


いつの間にか少年はオーガの腕を斬り落としていた。


私は目を疑った。 

 五メートルもの距離を一瞬で詰め寄り、肉厚で怪力そうなあの腕をなんと一度の攻撃で斬り落としたのだ。


さらに少年はオーガの攻撃を剣で受け流しつつ、オーガの体を斬り裂いてゆく。

少年を捕まえようと別のオーガが腕を伸ばすも

少年は体を回転させて避けながら手に持つ刀でその腕を斬る。

幾度となくオーガが攻撃をするも、少年はぴょんぴょんと

簡単にそして軽快なステップのように避けてしまう。


私は3体のオーガに少年が殺されかけている そう考えてしまつまていたが、

少年がオーガを殺しかけているのだ。


実際、少年の服には血の一滴すら付いていない。

戦っている少年の表情はオーガに恐れてなどいなく、笑みすら

こぼれていた。


その表情に私は恐怖すら覚えた。純粋無垢で無邪気な子供の笑み

この少年はまるで遊んでいるかのように刀を振るっている。

あのオーガ相手にだ......


攻撃の速度を増す少年。

その攻撃にオーガ達は反応出来ず、

瞬く間に3体のオーガを蹴散らしてしまった。


それを見ていた私はまたもや唖然というしてしまっていた。

少年が攻撃速度を上げた時から、少年の動きを目でとらえられなかったのだ。

速い 速すぎる。

少年の動きは若干の無駄はあるものの、全体的になめらかで

一つ一つの動きが完成されている。

更に風よりも速く動くとさえ思えるあの速度。


まるで踊っているかのようなだった。


あの幼い少年の体のどこにあんなに動けるバネがあるというのだ


今もなお日差しが私の肌を焼いて暑いはずなのに、寒気がした。

体からでた汗が背中を撫でる。

私はこれが才能というやつなのだと気づかされた。


その後少年はドリムの死体から出る夢石を早々と回収すし、

とっととこの場を去ってしまった。

「師匠-! 今帰りまーす!」

この言葉を山に響かせながら......



この日の出来事を日記に記す


ーレクト.ランバルトー





今回「感情粒子よ空に舞え」~僕が過ごした4年間~

プロローグをなんとか書き終えることが出来ました。

まだまだ稚拙な僕の文章ですが読んで頂けると幸いです。


感想も今後書いていくための参考として良かったら頂きたいです。

感想お待ちしております。

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