都市伝説を作ろう ＋

出会い系アプリ

【出会い系アプリ】

大学二年生の頃に行方不明になった友人Aの話。

ある日、Aがふと携帯端末を見るとディスプレイに見憶えの無いアプリがインストールされているのに気づいたそうだ。

なんだろうと思いアプリを開くと、出会い系のアプリ。削除しようとしてたらメッセージが流れた。

『○○さんからメッセージが届いています』

Aは不気味に思いアプリを削除しようとしたものの、なぜかそのアプリだけ削除ボタンも出ない。仕方なく放置することに。

携帯自体は故障するでもなく問題無く使えたが、その日以来、時間も場所も関係なくやたらと誰かの視線を感じるようになったらしい。

そんな日々がいく日か続いた後、ふと気づくと視界の隅に黒い影が見えるようになったそうだ。はじめは靄（もや）のような霧のようなものだったらしいが、しだいに人のような形になってきたという。

一人で家に居るのが怖いから泊めてくれとAが言うので、二三日ならという条件で泊めてやった。この話はその時に聞いたものだ。

初日は何事もなく過ぎたんだが、お泊り二日目の夜に突然Aは立ち上がると「ここも駄目か。泊めてくれてありがとう。別の場所探すわ」と呟くと青い顔で出て行った。

その時は突然どうしたとしか思わなかったが、もしかしたら例の黒い影が見えたのかもしれん。

その後、一人でビールを飲んでいるとピロンという聞きなれない音がしたから、周囲を探るとAが携帯をうちに置き忘れていってることに気づいた。そそっかしいヤツだと思いながらAの携帯を拾い上げると

『マッチングが成立しました』

そうディスプレイに表示されていた。

その日以来、Aの行方がわからない。