プロ妄想恋愛するお方に遭遇した話3
それから、暫くして坪田が寮に入ったのをきっかけに初めて坪田の家へ彼氏とお邪魔する事になったのだけど、そこで見せられたのは、キラキラな女子会の写真。今でいえばインスタとかに上がってそう。パティードレスに身を包んだ美人さん達と坪田の彼女がシャンパン片手ににっこり笑う写真、パーティーに誘われたこういう場は苦手なので断ったところ、写真が送られて来たという。この写真だけなら、美人の友達は美人なのかくらいの感想だったのだが、別に見せられた写真は凄かった。
実は、沖縄に急に連れていかれて行って来ていたという。綺麗な海、夕焼けをバックにして水着で堂々とポーズをとる姿はさながらモデルだった。スタイルも完璧なんだなぁと思っていると「これは職場のメンツのは見せたの内緒ね」と断りを入れて見せられた写真で一瞬固まった。
裸だった。
すっぽんぽん!!!
いや、綺麗だけど海やん!「まじか」というのが精一杯だった。彼氏も固まった。そして、私に気を使ったのか、急にロフトに登って見たいとか言い出し消えた。取り残されても困るんだけどね。私個人としては、AVとか見たって何かしら感じる方じゃないし彼氏が見たってモヤるとか全くないんだけど、これは普通じゃない行動よねと。
「彼女に見せたのバレたら怒られない?てか。よく撮らせてくれたね」と暫くして至極普通な発言をしたのだけど、それがまぁ彼女バージンだったのよね?こんな美人で20半ばまで貞操守って来た人なのよね?って返しだった。
「あー、彼女は気にしないよ。あいつ『私は見られて恥ずかしい体なんてしてない、だって綺麗だもん』って言ってたし」と言われて、なんか、こう・・・よく分からない気持ちになった。ついこの間までバージンだった人ってこんな事いうのだろうか?
こんな感じに細かく描けばキリがないくらいに様々なエピソードがある。ぶっちゃけ書いててかなり長くなって来て、読んでくれる心優しき方がいた場合だるいだろうし、実際書いてる本人が面倒・・・もとい時系列を正確に思い出すのが困難になって来てしまったので、まとめに入る。
嘘であろう事不可解な行動、謎設定は色々あって
・また京都に行ったが、ゴディバが大好きな彼女にお土産よりゴディバが良いと言われゴディバを買って来た。ちなみにゴディバは近くのイオンに入っている。
・彼女から入電があり話していた。着信音はちゃんと鳴った。会話的には恋人との会話のように感じた。嘘なら、キモいけど、結果嘘なのでキモいというか怖い。
・彼女は二卵の双子で似てないがめちゃ可愛い妹がいる。妹は坪田のツレと付き合っているが、本当は坪田の事が好きで彼女と坪田を取り合っている。ちなみに3Pしたとの事。ハーレムもののラノベか!!てか3Pのくだりは反応に困って「スゴイネ」としかいえなかった。
と行った具合に様々な事があったわけですよ。彼女いる、彼氏いるって別に害がない嘘だし、構わないとえば構わないのですが、内容が濃すぎて私からすると嘘だった場合の闇が深すぎて怖かった。そんなこんなで、こんな事が2年続いたある日、坪田が彼女と別れたと報告してきました。嘘と完全に確信するでもなく、坪田が別れたと言ってきた事に安堵した私。嘘と確信するのも怖かったんですよね。
でも、これで話は終わらなかった。
それから私は転職し、坪田とはたまに連絡を取る程度になったある日のこと、「結婚した。**県から離れて遠くに引っ越した」と連絡が来た。晴天の霹靂というか、何事かと思った。彼女が新しくできたとは言ってこなかったので、元カノかまさかの元カノの妹かと思い聞いてみたが違うという。その後、写真が送られてきた。私は、割と記憶力が良いし散々見せられたのに1年で忘れると思ったのだろうか。
元カノの美人女医やん!!!
私は、なんだか怖くて、「綺麗な人だね。また紹介してね」と定型文みたいな返ししか出来なかった。坪田は嫁は恥ずかしがり屋である事と今は県外だから**県に戻ることがあれば連絡するけど年単位では帰省の予定がないと言った。いや、怖いから一生会いたくないような感じです、と内心思いつつ数日後に会っちゃうんデスヨネー。
数日後の休日、その日はなんとなく有給をとって近くのショッピングモールに来ていた。トイレに入ろうとした時のこと、すぐ隣の男子トイレから坪田が出て来た。バッチリ目が合ったが坪田は素早い動きで立ち去って行った。私はというと、びっくりしすぎて尿意もおさまってしまっていた。
お前、県外じゃないんかーい!!!!
その時、完全に全て嘘だったんだなぁと確信した。本当は分かってたけど。きっと坪田も平日だから遭遇しないだろうと油断して出て来てしまったのだろう。
あれから約10年、坪田から連絡が来ることはない。
これで、プロ妄想恋愛するお方に遭遇した話はおしまい。私の記憶力や文章力のせいで伝わりきらないのが残念なんだけど、坪田はマジで彼女いるっていう嘘を本当にする為に全力だった。今は彼に生身の伴侶が出来ている事をお祈り申し上げる。