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世界を×××、小悪党ども  作者: つちのえーたつ
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カルトなオカルトのアラカルト話(10)

 カルト村3日目。普通に歩けるけれど押すと痛みがある。いけなくもない。

 なんだか村がざわざわしている。ガゾンゾに聞くと風邪が流行しているかもしれないとのこと。老若男女問わず皆一様に寒がり怖がり。何にかわからない。ただただ震えている。やばい病状だ。

「キングーさんはどうなんです」

「巫女様はご無事です。お一人で神殿に籠り祈りを捧げておられますが、多くの者が体調を崩し神殿が回らない状態で……」

 それは結構なことだ。

 治療といえば普通、患者を診て行うものである。なのに神殿にこもってとは、どうやってやるのだろう。

 私は魔力感知が極端に出来ないが、すごい魔導士というものは気配でわかる。キングーの気配はあんまりパッとしなかった。神殿で精神統一して魔力を増幅させても限度がありそうだし、素直に出て癒せばいいのに。

「死亡フラグ立ったね」

「フラグは折るためにあります」

「どうやって?」

「ばくは しましょう!」

「ここは大戦艦じゃないよ!? どっかに秘密の逃げ道ないかなぁ。でも昨日あんだけ探しても何もなかったから…」

 マユさんは百面相している。

「今はとにかく休んで襲われたときに対処できるようにしておきましょう」

「襲われるの確定なんだ…」

 はぁ、とため息。もっと慌てると思ってたのに、意外と落ち着いている。これならいざという彼をつかんで脱出ができるかもしれない。

 しかし、早すぎる。一昼夜でこんな病人が出るなんて。しかも強く打った足の痛みが引くのも早すぎる。何かあるのだろうか。

 朝食昼食は何ともなかったが夕飯のメイン料理に毒が仕込まれていた。臭いはないものの、口に入れると変な味で思わず吐きだす。ゲホゲホ咽せた。

「サンさん!?」

「……食べちゃダメです。毒が……」

 マユさんはすぐに席をたって背中をさすってくれた。ただ、とても慌てている。

「大丈夫? 気分悪い? どうしよう、誰か呼んだら、ダメじゃん。毒入れられてる、ええと、お水飲める? お水に毒はないよね。そうだ、サンさんお水出すカード持ってたよね、それで早くうがいをして」

「大丈夫です。毒にある程度耐性はつけていますから」

 コンコン、と窓を叩く音。マユさんはびっくりして固まる。彼をしっかり私の背に隠してから返事する。

「こんばんは。開いてます」

 音もなく、ガイドが降りたった。思いつめたように私を見る。

 ふらふらと覚束ない足取り。ぬーっと私の首元に伸びてきた手をとる。

「どうしました」

「……母さんと父さんが倒れて、突然震えはじめたの。ハニーの家に行ったら、おばさんもおじさんも、っハニーも、熱っを、出し、てて……」

 拳きつく握りしめ、どんどん言葉がつっかえてくる。

 はてさて、どんな罵声が飛んでくるかな。

「……て」

「何ですか」

 よく聞こえない。残念ながら家族は諦めて。返せないものは返せない。

「助けて!!」

 瞳には涙がいっぱいだった。

「給仕さんから、きっ、聞いたの。セイントが薬を作ろうとしてるって。お願い、家族を、みんなを助けてください……!」

 大粒の涙を流し、泣きじゃくっている。てっきり私やマユさんを殺したら何とかなると勘違いして刺しに来ると思っていたので拍子抜けだ。

 カルト村限らず小さな村だと不作や悪天候はよそ者のせいなり殺しにかかってくる(実際そんなに目に数回あった)。助けを求められるのは初めてだ。とても優しい子なのだろう。自分の中でガイドの株がぐっと上がった。

「正直今から薬草を探したって時間がかかります。私のタバコに薬効成分が含まれていますから、タバコを見つける方が早いです」

「それヤバいのじゃないの?」

 ずっと固まっていたマユさんだったが我慢できずツッコんできた。

「ヤバくないです。ガイド、聞きたいことが」

 バッと扉を見る。毒を仕込んできたのだ。回収しに来るに決まっている。マユさんとガイドを扉から遠ざける。男が4人、ノックしないで入ってきた。生きている私を見て驚いている。

「どうしました。今食事中です」

「い、生きている!? ちぃっ!」

 毒殺に失敗したとすぐ理解し、腰の短剣に手をかけた男の首をはねる。変なとこを切ったか首が後ろにぽーんと飛んだ。子供2人が間の抜けた声を上げる。胴体が倒れ床いっぱいに血が広がった。

 しまった。石造りだから下に漏れてしまう。男たちから目を離さず、死体を蹴り上げベッドに乗せる。ボキボキ変な音がしたけど死体だし関係ない。もう一度尋ねた。

「どうしました」

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