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異世界権利者の選択

 ――破滅の街道――


 この地は古来より温厚な気候と肥沃な大地が人々を支えている。

 種を植えれば大いに芽吹き、家畜を飼えばそれはもう立派に育った。

 育つ作物は国内だけでなく諸外国の飢えをも潤した。

 治安の良い街道は安心と活力を与え、この地を与えた神に人々は感謝した。

 しかし深い闇が襲い、ここに連なる全ての道を赤く染め上げる事になるだろう。

 そして挑む者は等しく殺され、逃げる者全てが血に染まる。

 やがて人々はこの地をそう呼ぶだろう。


 今は……まだ……。


   †


「ん……」

 深い眠りから目覚めるまどろみの中、薄目を開けて視界を確かめる。

 俺の瞳には青い空が映った。

 空? そういえば随分と眺めていない。監禁生活になってからは一日中自室で自堕落な生活を送っていた。特に最近は日がな一日ずっとゲームをしていたので澄み渡る青い空を眺めるのはどれくらい振りだろうか。

 未だ中途半端な思考が頭を駆け巡る。

 そして……。

「ゲームやらないと!」

 跳ねる様に飛び起きる。

 そうだ。寝ている場合じゃない。

 100億もしたゲームだ。今すぐやらないと。

「んー……?」

 意識がハッキリと覚醒して解った事は自分が今どこにいるか解らないという事。

 視界に映るのは生い茂った雑草ともたれ掛かった大きな木。

 そして雲一つ無い晴天。

「どういう事だ?」

 無難な線で誘拐事件だろうか。

 これでも俺は誘拐される程度には金持ちの子供だ。

 しかしながら先日の一件で俺に対する金銭的地位は極めて低くなった。

 もちろん誘拐犯がそんな事知るかどうかは解らないが。

 だが、そうなるとこんな場所にいるのには説得力が無い。

 普通誘拐したら拘束するだろう。

「ほんとどうなってるんだ? けほけほっ」

 喉に違和感を覚えて堰を吐く。

 どう例えていいか、率直に起きた出来事を述べるなら喉が妙にスーと空気を通したと表現すればいいんだろうか。

 小さな頃、そう声変わりするより前はこんなしゃべり心地だった様な気がする。

「あーあーうーえーおー」

 やはり普段よりも空気の通りが良い。何よりもかなり声音が高い。

 妙に甘い声だと思う。

 どちらかと言えばかわいい系か。

「なんだこりゃ?」

 視界に映る自分の右手をマジマジと見つめる。

 白い肌だ。

 引きこもりは大体白い肌だがそういうのとは違う。健康的な肌とでも表現する。

 元が良いのか、生活習慣が良いのかは判断に悩むが、瑞々しくプニプニしたスベスベの肌だと我ながら絶賛したい。

 何より小さい。小学生高学年位だろうか。

「う~ん?」

 俺は理解不能な状況に唸る。

 この際にもかわいらしい声が自分の喉から発せられて違和感が凄い。

 取り敢えず身体を動かして見る。

 右手左手と順番にぐるぐる回し、足腰を準備運動の要領で動かす。

「ちょっと違和感があるな」

 少なくとも俺の身体では無い。

 そういえば以前TS……トランスセクシャルというジャンルの話を読んだ覚えがあったか。男が女、あるいはその逆になってしまうという創作物のキャラクターだ。

 確かどこぞの誰かが実際に突然TSした場合、脳と身体の不一致で、些細な身体の動作で人体を損傷してしまう、とかいう話をネットで見た覚えがある。

 しかしながら違和感こそあるが、そういった様子は無い。

 俺は確認に付けている衣服、妙にパツンパツンの胸を強調した日曜ヒーロードラマに登場する悪の女幹部の様な格好の下半身を確認してみた。

 やはりか、案の定男の象徴たる男性器が無い。

 怪訝な表情のまま、う~んう~んと唸る。

「お? 何か感じた事の無い感覚! なんだこれ!?」

 背中の辺りとお尻の先の方に動かせる部位を発見した。

 慣れない動作、というか筋肉の動かし方だ。

 背中の方の物体を前に持ってくる。

「羽?」

 黒い粒子状の羽だ。

 ツルツルとしていて伸縮性の高い、蝙蝠の様な……この場合悪魔の羽か?

 となると、お尻の方は尻尾か。

「空飛べるか?」

 羽に力を込めてブンブンと振って見る。

「おお? 何か行けそう!」

 足を使って跳ねて見ると、ピョーンと飛び上がった。

 バサバサと鳥の様に数十秒維持する。

「おお~……」

 飛行機やヘリコプターでは体感できない感覚だ。

 不思議と高揚感がある。

 だが、一分二分と飛んでいて羽の辺りが疲れてきた。

「はぁはぁ……これは、きつい……」

 どうやら羽で飛ぶには足と同じで走る時みたいに結構な疲労となるらしい。

 ゆっくりと地面に着地して、呼吸を整える。

「ふぅ……人間じゃないよな?」

 人間に羽と尻尾が生えている訳も無いし、空を何の道具も無く飛べるなんて話聞いた事が無い。

 それにこの服、さっきは無礼な事を言った気もするがサキュバスが付けている伝統的なコスプレではないだろうか。

「サキュバスか……」

 ここまで来れば、さすがの俺でも何通りか案が出てくる。

 サキュバスと言えば俺がゲームで作成したキャラクターと一致する。

 もちろん安易にここはゲームの世界だ! などとアホな事言ったりはしないが可能性の一つとして万が一にはあるかもしれない。

 年齢も十歳と選択したので若干平均よりも大きい気がするがサキュバスだから身体の成長が早いのかもしれない。

「お、小さい割には胸もちゃんとある」

 触れてみると成長痛なのか鋭い痛みを発して男には無い硬い乳房があった。

 胸というにはまだまだ幼いがしっかりとその片鱗はある。

 この歳でコレなら後数年したら化けるかもしれない。

「あ……」

 冷静に自分が何をしているのか気付き、ちょっと気不味い。

「ともかく夢にしろ、現実にしろ、サキュバスって事で当っているのか?」

 俺はこの段階で結構興奮していた。

 もしかすると今俺がいる場所が、あの世界なのではないか、という空想だ。

 状況的には不可解な事ばかりだが、目に見える物を信じるとその結論しか出てこない。

「仮にそうだと仮定した場合、魔法とか使えるんだよな?」

 俺は自分に言い聞かせる様に呟く。

 確か淫魔の固有能力は魅力値上昇(大)と人化だったか。

 他、状態異常魔法、特に魅了系の状態異常攻撃に強い追加補正が発生する。

 種族的能力でここがゲームの、異世界だとするなら人化を使えば判明するか。

「人化!」

 かっこつけて叫んで見たがこれと言って変化が無い。

 あれだ、メタモルフォーゼか?

「メタモルフォーゼ!」

 違うみたいだ。

 何か虚しくなってきたぞ。というか恥ずかしい。

 どうやれば使えるんだ? 使用方法使用方法っと……。

 お? 何か視界に映ってきたぞ?


 種族/淫魔 性別/女 年齢/十

 出身/人間界 容姿/幼い 社会的地位/見習い淫魔

 称号/世界の権利者 レベル/1 

 取得能力/人化、淫魔の発現、練習状態異常魔法、練習支援魔法


 おお、まるでゲームのステータス画面みたいだ。

 というか、まんまなのか。

 俺は人化の項目に意識を集中する。

 すると別の映像が瞳に広がった。


 淫魔固有能力/人化

 効果/人間に擬態する事が可能。

 ただし人化中は自身の魅力値に三分の一の減少補正が発生します。

 効果時間/常時。

 ON/OFF切り替え可能。

 ONにしますか?


 『はい』と念じて見た。

 すると俺の身体が音も立てずに変化していく。

 主に羽と尻尾が消滅し、肌の質が目に見えて下がった。

 ついでに着ている衣服も違う物に変化した。

 ファンタジーに出てくる少女……少し小奇麗な都会っぽい衣装だ。

 目に見えない所は解らないが人間に変化したと見ていいだろう。

 確定した。ここは異世界だ。

 一度大きく深呼吸する。

「すー……はー……」

 空気が美味しい。湿気が少ない。

 温度はちょっと低いか。

 まあ地球温暖化とか騒がれているし、あっちと比べると涼しいのか。

 でもエアコンとか無いから暑いのも寒いのもだるいかも。

 きょろきょろと落ち着き無く辺りを確認して見る。

 ここが異世界だと思うと心がソワソワしてしょうがない。

 とは言っても、先程とまるで変わらないので生い茂る雑草と大きな木があるだけだ。

「お?」

 目を凝らして遠くを見て見ると歩き易そうな道が見える。

 街道か何かだろうか。

「ここで考えていてもしょうがないか、取り敢えず歩くとしよう」

 ポツポツと歩き、街道へと足を運ぶ。

 太い車輪が通った様な年季の入った泥濘が何個かある。

 人が通る道で間違い無いだろうな。

「さて、問題はどっちに行くか……だ」

 蛇みたいに延びている道を眺めると地平線の向こうまで道が続いている。

 道があるのだから歩いていれば人気のある場所に着くだろうが、どっちに行くかが重要だ。

「右でいいか」

 以前、どこかで人間は迷ったら右に行くと聞いた。

 俺は右の道を選ぶと歩き続けた。

 歩けど歩けど道が続くばかりで人影は無い。

 こうなってくると寂しさにも似た不安が押し寄せてくる。

 このまま死んじゃうんじゃないか、といった具合に。

 そんな心理状態でビクビクしていると左の雑草畑から草を擦り合わせる様な音がした。

「な、なんだ!?」

 我ながら恥ずかしながらビクンッと三歩後ろに下がり、転びそうになりながらも正体不明の物体に視線を向ける。


 ――液体状の魔法生物がそこにいた。


「スライム?」

 スライムは赤い半透明の液体を内包しており、良く見ると中に丸い球体が存在する。

 そういえば下級のスライム種は核を破壊する事で倒す事が出来たはず。

 危機感の無い思考に囚われていた所為か赤いスライムがびょんと飛んできた。

「うわっ!」

 赤いスライムは俺に体当たりすると、そのままへばり付き、胸の辺りを強く押し付けてくる。

「痛っ! いてててっ!」

 前途の通り小振りながら胸があり、触ると針に刺された様な鋭い痛みを発する。

 そこをドスドス押してくる。

 エロゲー……いや、このゲームはエロゲーだが、そんなワンシーンで使われそうな映像だ。反射的に赤いスライムに触れようとするも手がスライムの体内へと入っただけで剥がす事が出来ない。なんて面倒な状態だ。

 何か、何か策は無いか。

 ぶっちゃけ、この程度で死にはしないが、痛いのは確かだ。

 下手をすればこのまま捕食、なんて事もされかねない。

「そうだっ! 魔法があるじゃないか!」

 攻撃魔法は無いが一応この子は淫魔だ。

 魅了系状態異常魔法を扱う才能に関しては種族的にかなり高い。

 俺は直にさっきのステータス画面を思考して同じ要領で状態異常魔法の項目を出す。


 魔法系統/状態異常

 効果/魔法を使う必須条件

 使用方法/所持している魔法を念じると使用者の能力に比例した効果を発動させる


「ファストチャーム!」

 直に赤いスライムに向けて魅了の魔法を撃ち出す。

 見事にピンク色の光線が赤いスライム目掛けて飛んでいった。

 が、特に変化は無い。

「おい! 無視すんなよ!」

 その間も赤いスライムは胸をドスドス押してくる。

 痛いのなんのって。

「あ……そうか、そりゃ効かないよな」

 先程俺は人化を使用して魅力値が減少している。

 魅了魔法は使用者の魅力値で成功率が左右される。

 三分の一になったらいくら淫魔とはいえ成功するのは難しいか。

 そもそも俺はまだレベル1だ。

 俺は人化の効果をOFFに変更して、サキュバスに戻る。

 そしてもう一度。

「ファストチャーム!」

 ピンク色の光線が俺から発射されて、赤いスライムに命中する。

 先程とは違いポワンって感じのエフィクト、成功表現か? を発した。

 すると赤いスライムの動きに変化が起こる。

 ふらふらと泥酔した仕事帰りの呑んだくれ親父みたいな動きでベチャッと地面に落下。

 俺は胸部が開放されて痛まない程度にさする。

「……?」

 赤いスライムがモジモジと、もといふらふらと左右に揺れている。

 これは魅了に掛かったと考えればいいのか?

 良く見て見るとスライムの核がハートマークの形になっている。

「微妙だ……なんか、とてもやるせない気分だ……」

 淫魔という種族柄、この戦闘方法は人間を襲って餌を得るという関係、対人間戦でも重要になってくるのだが、ちょっと虚しい気分になる。

 と、ともあれ、この赤いスライムを倒せばいいか。

 そうして意を決して赤いスライムに目を向けると。


 レッドスライム Lv5


 そう表示された。

 なんだ? さっきはそんな文字表示されなかったぞ?

 俺はステータス画面を確認してみる。


 種族/淫魔 性別/女 年齢/十

 出身/人間界 容姿/幼い 社会的地位/見習い淫魔

 称号/世界の権利者 レベル/1 

 取得能力/人化、淫魔の発現、練習状態異常魔法、練習支援魔法、審美眼


 審美眼という能力が追加されている。

 文字からして解析効果のある奴か?

 元々淫魔は魔眼系統能力を多く取得できる種族だが聞いた事の無い能力だ。


 コンバート能力/審美眼。

 効果/対象の物や人物に目を合わせた際に様々な情報を得る事が出来る。

 対象者との関係によって得られる情報に変化が生じる。

 ただし敵対状態の相手の場合発動しない。

 効果時間/常時。


 コンバート能力、ね。

 少なくとも俺は長い事あのゲームをしていたが聞き覚えの無い系統だ。

 だが、文字から察するに体験版からコンバートした際に付与される能力辺りだろう。

 優秀な能力に見えるが、それ程優秀じゃない。

 何故ならこれの上位互換に匹敵する能力を俺が知るだけでも7つは存在する。

 まあそこは体験版コンバート特典といった所か。

 しかし序盤に使うなら便利な能力だ。存分に使わせてもらおう。

「ん?」

 赤いスライムが何やら変な動きを始めた。

 もしかすると魅了状態から回復したのかもしれない。

 俺は咄嗟に身構える。

 予想と反してスライムは攻撃してこない。

 ハート状になった核を表面に出すと俺の手の辺りをウロウロしている。

 俺が怪訝な表情で手を差し出すと核以外の張りのある液体が両手一杯に広がる。

 液体の割には指の隙間から落ちないソレを俺に全て渡すと赤いスライムは核のままコロコロと地面を転がって視界から遠ざかっていった。

「それでいいのかスライム……というか大丈夫なのか? 核はお前の心臓みたいな物だぞ。つまりこの液体は身体か? 身売りなのか?」

 どうにも残念な気分の抜けないスライムとの初戦であった。

 まあレベル1の俺がレベル5のスライムと戦うのは少々厳しいので良いといえば良いんだが。ちなみに本気で戦った場合、五分五分か、装備の関係こっちがちょっと不利といった所だ。

 現に武器らしい武器を俺は持っていないからな。

 一度ステータスを確認しとくか。


 種族/淫魔 性別/女 年齢/十

 出身/人間界 容姿/幼い 社会的地位/見習い淫魔

 称号/世界の権利者 身体を貢がせた女 レベル/2 

 取得能力/人化、淫魔の発現、練習状態異常魔法、練習支援魔法、審美眼


 ――身体を貢がせた女


「人聞き悪いな……」

 称号に身体を貢がせた女と表示された。

 まあ事実ではあるが、かなり語弊があるぞ。

 勝手に置いて行った癖にそりゃ無いだろうに。

 まあいい。

 称号の欄を覗いているとそこの部分がアップで表示される。


 称号/身体を貢がせた女。

 効果/所持者の魅力値に付与効果(中)を与える。

 概要/文字通り命以外の全てを奪った者に与えられる。


 ちょっ……まっ……。

 まるで俺が今世紀最大の悪女みたいな概要文だ。

 これはテンション下がるわー……。

 効果的には淫魔として優秀な気もするのだが、どうなんだろうね。

 待てよ? て事は世界の権利者の方も効果見られるのか?

 俺は世界の権利者の方を強く意識する。


 称号/世界の権利者。

 効果/レベル上昇時に全ての能力値を追加で上昇(超)させる。

 他、固有能力を取得する条件である。

 効果時間/無限。

 概要/この世界の所有者であり、絶対の権利者。

 この称号は世界で一人しか取得出来ない。

 この称号による影響を全ての世界、全ての種族は受けなければならない。


 なんだこりゃ。とんでもない効果だ。

 レベルが上がった時に受けられる上昇パラメータに超が付くという事はほんの1レベルでどれだけ上昇するんだ? しかも俺は初期レベル1でスタートしている。つまりレベルが上がった際に受ける影響力が尋常じゃない。大器晩成とは言ったが、それ以上の状態だ。

 これじゃゲームバランス悪……今はゲームじゃないんだよな?

「はぁ……はぁ……」

 突然さっきレッドスライムに襲われた恐怖が込み上げてくる。

 襲われている最中は事態が事態だけに必死だったが、あの痛みは本物だ。

 もしも、もっと強い。それこそレベル20や50の敵が出てきたらどうなった?

 というか死んだらどうなる?

 現実世界に戻るのか?

 解らない。そもそも実験できるはずが無い。

 というか元の世界に戻れるのか?

 ――ドクンドクン。

 心臓がバクバクと痛みを発する。

 異世界? 異世界とか言ったな!?


 ――これより異世界への転移を開始します。


 あの言葉が本当の事を言っていたとしたら……。

 見る見る気分が悪くなっていく。

 きっと他人から見たら俺は今、顔を青くしているはずだ。

 一時期webノベルにハマッていた頃、現在の俺と似た様な境遇の小説を読んだ。

 ネトゲの能力を手に入れた主人公だとか、神様にチート能力を付与されたとか、現代の知恵を駆使しただとか様々な話だった。

 完全に一致する。

 世界の権利者。

 この称号はそれ等のチート能力に属すると考えて間違いない。

 これさえあればある程度の問題はレベル上昇と共に解決していくはず。

 見慣れたこの世界も全てを把握している訳では無いが、ある程度は知っている。

 気を楽にしろ、俺。

 異世界で冒険する。男の夢だろう? 怖がるな。

「うん……大丈夫だ」

 マイナスばかり目が行くが、この世界が現実になったなら色々出来るじゃないか。

 このゲームはエロRPG。

 奴隷制度もあるし、勇者や魔王、天使や淫魔、魔族や獣人、エルフなど様々な種族がいる。

 そしてどちらかと言えば能力的に優れる者が優遇される世界でもある。

 そう思えば俺はかなり恵まれた環境にいるとも考えられる。

 サキュバスなので男を襲ってえっちな事をするのが無難なんだろうが、どう考えても俺は男だ。男に犯されるなんて考えられない。

 百合だ。いや、レズで行こう。

 そういう行動もできた……よな?

「ああ……くそっ! 攻略ばっかりやってないで、そこ等辺もやっときゃよかった!」

 多分、出来る。

 ゲームの時は自由度だけは無駄に高かった。

 正義にも悪にもなれたし、勇者にも魔王にもなれた。

 問題は繋がる世界か。

 繋がる世界とは人間界、天界、魔界、冥界、精霊界、天上界、妖精界などの複数から連なる世界群の事だ。

 これ等全てが繋がっていて、多くの種族は自分の世界で生活している。

 魔界、魔王と呼ばれる王が人間界を攻めるといったパターンがあるが、それも魔王によって異なる。

 性格の悪い奴なら、虐殺だ! ヒャッハーー! みたいな感じで侵攻してくるが良い魔王もいて、そこはまちまちだ。

 逆に人間が魔界ゲットだぜ、ヒーハー! みたいなパターンも考えられる。

 人間は正義にも悪にもなれる代表的な種族だからな。

 特にNPC、この場合一般人はその傾向が強い。

 まあそこは世界を旅して追々解ってくるだろう。

 ともかく今は人がいる場所に行かないとな。

「おっと、人化しておとかないと」

 人間は魔に属する種族を嫌う傾向が強い。

 亜人種は打ち解けている種もいるが闇属性の種族は総じて評価が低いからな。

 特に淫魔や吸血鬼みたいな種族は特筆して嫌われる。

 餌が人間だからな。好かれる方が不自然だが。

 俺は人化して先程の姿に戻る。

「さて、歩くか」

 とぼとぼと俺は歩き始めた。


 それから一時間位した頃だろうか。

 地平線の向こうから黒い影が映った。

 大きさは程々にデカイ。

 一般車両位の大きさ位はある。

「……馬車か」

 大きな荷車の付いた馬車だ。

 人が二人乗っている。

 種族は解らないが状況的に人間だろう。

「おーい!」

 俺は大きく手を振って馬車がこちらに来るまで待つ。

 やはり馬車だ。

 30代、あるいは40代位のおじさんと同じ位のおばさんが乗っている。

 どちらも割腹が良く、体格は良い。

 商人か農民って所か。

「どうしたんだい?」

 俺に気が付いて馬車をゆっくり進ませながら優しげに尋ねてきた。

 言葉は通じる様だ。

 少し安心した。

 俺が以前読んだ小説だと盗賊だの、村八分みたいな農民が襲ってきたのがあった。

 幸いそういった感じでは無さそうだ。

「ちょっと道に迷ってしまって困っていたんです。道を尋ねてもよろしいでしょうか?」

 そう丁寧な口調で目を合わせると審美眼の効果が発動した。


 種族/人間 性別/男 年齢/38

 出身/人間界 容姿/老けている 社会的地位/普通の農家

 称号/20年の実績 レベル/17


 レッドスライムよりも多くの情報をくれた。

 どうやら俺を疑っている様子は無さそうだ。

「そりゃ難儀じゃな。わしと連れは荷台の物を村から売りに来たんじゃが、見た所都会のお嬢さんの様じゃな。これも何かの縁、乗っていきなされ」

「いいんですか?」

「ええ、ええ! お嬢さんみたいなもんをほっぽといたら神様のバチが当たるっちゅーもんじゃ」

「ありがとうございます!」

 こうして農民と思われるおじさんは荷台に俺を乗せてくれた。

 目的地は俺が歩いていた方向とは逆だよ……ハハハ……。

 ちなみに荷台の中身は、それ程高価な物は無い。

 何かの豆やら果物やらだ。

「荷物はどれ位で売れるんですか?」

「そんな大層なもんじゃねえさ。全部で6セリンス行ったら良い方さね。わしらはどちらかといえば村長さに頼まれて買出しに来た所さ」

「6セリンス?」

「お嬢さんにはまだお高いかもしれんね。これの事さ」

 一枚の硬貨。

 金属は……ぱっと見た所、鉄ではない。銀だろうか?

「これが6枚って事ですか?」

「うんにゃ。これで6セリンスさ」

「うん?」

 文頭に6という数字が入っていたので6枚だと思っていたがどうにも違うらしい。

「詳しく教えてもらってもいいですか?」

「勤勉なお嬢さんだね。いいさね、いいさね。今は手持ちはねーが、他に3セリンス、1セリンス、半セリンス、その下には1フィングって具合にあるのさ。ここまでいけば解るんじゃねーかい?」

「あ……はい」

 さすがに硬貨について何も知らないのは不自然だ。俺は適当に相槌を打つ。

「わし等はそう縁のあるもんじゃねーが6セリンスの上には他にも沢山あるんだ。お嬢さんも大きくなったら勉強するとええ」

「はい、ありがとうございます」

 唯荷車に乗っているのも暇なので貨幣について色々聞いた。

 6セリンスは所謂銀貨、俺の世界でいうニッケルに近い金属なのか白銀色で腐食は殆ど無い。これで一人の人間が慎ましく生活すれば三日食事には困らないらしい。

 3セリンスは黄銅貨。1セリンスが赤銅貨。半セリンスが赤銅貨で柄や大きさが違う。

 そして1フィングが青銅貨。

 他、上に7種類あると聞いた。

 金貨が3種類。銀貨が6種類。銅貨が3種類。

 1ハルマ金貨には1ポルン金貨と1カルド銀貨の価値がある。1ポルン金貨が20カルド銀貨、そして半ポルン金貨が10カルド銀貨、1カルド銀貨が12セリンス銅貨、1セリンス銅貨が4フィング銅貨と言った具合でごちゃごちゃしていて解りづらい。

「う~ん」

 しばらく唸っていると、おじさんが笑う。

「お嬢さんもいずれ解るようになるさね」

「そう……ですかね?」

「そうさね、見た所多少は理解しているようじゃしな」

 実際ある程度は理解している。

 ゲームでも貨幣は結構な頻度登場する。

 これでもまだ少ないほうだ。

 つまり現在判明している貨幣を当てはめていくと20進法? いや12進法か?

 この二つを織り交ぜた様な計算式だ。

 実に解りづらい。人間ってなんでこんな面倒臭い事しているの? 私サキュバスだから理解できなーい! キャハハ! アゲポヨー。

 ……現実逃避は程々に、知らないと後々困るんだろうな。

 一応記憶の隅には覚えておこう。

「そういえばこれはどれ位の価値になるんですか?」

 俺は持っていたスライムの半固形物をおじさんに見せて見る。

 おじさんはマジマジと見つめた後、口を開いた。

「これはどうしたんさね?」

「さっき襲われたんです。どうにか倒しましたけど」

「大丈夫だったかい? 怪我しているようなら見せなさい」

「いえ、特にこれといった怪我は無いです」

「お嬢さんは強いんだね~。この辺りは治安が良いから魔物は滅多に出ないんだけど、お嬢さんは運が無かったね」

 ハハ……その運の悪いスライムは未だ現存しているけどな。

「それにしても随分と状態が良いね。こんな代物見た事が無いよ」

「そうなんですか?」

「わしもあまり見た事がないけど、大体半分に切れてたり、細切れだよ」

「なるほど」

「これだと……そうさね、3セリンス位さね。買い取ってやろうかね?」

「おねがいします」

 そして俺はもう一度目を合わせる。


 種族/人間 性別/男 年齢/38


 先程よりも項目が減っている。

 なるほど、吹っかけられているな。

 だが、それを口には出来ない。

 タクシー代わりの代金として渡すとしよう。

 それにさっきまでは善意だったぽいしな。

 俺は3セリンス銅貨を貰うと年頃の子供らしく何も知らない純粋な顔をした。

 おじさんとおばさんは妙に機嫌が良い。

「~~~~♪」

 鼻歌まで歌い出した。

 相当ボラれたな。

 これはちょっと気分が悪い。嘘を吐くならバレない様にしろよ。

 ん?

 荷車を押している馬が随分と歳を召しているのか少し疲れ気味だ。

「馬さん疲れているみたいですが、休憩させなくても良いんですか?」

「ああ、この子も随分歳を取っているからね~。かと言って新しい馬は早々買えるもんじゃないしね~」

「なるほど、支援魔法掛けましょうか?」

 一応実験に使っておきたい。

 どの程度効果があるのか、ゲームと完全に一緒だと考えるのは危険だろうし。

 可能ならゲームと一緒だといいんだが。

「できるのかい?」

「えと、簡単な物ですが」

「凄いさね! 大きくなったら魔術士に仕官するのかい?」

「まだ、考えていませんが、もしかしたらそうなるかもしれません」

 おじさんおばさんの目が超輝いている。

 魔法使えるって珍しいのか?

 俺がやったキャラの三分の一は使えたぞ?

 そういえば人間族は結構魔法資質低いんだっけか。

 危ない、危ない。奴隷商だったら売られているな。

「おねがいできるかい?」

「わかりました」

 俺は支援魔法の項目を眺めてから使える魔法をチェックする。

 そこには支援魔法の基本である四つの魔法が書かれている。

 ファストパワー、ファストガード、ファストスピード、ファストマインド。

 最初から四つもあるのは珍しいな。俺は支援系が得意なのかもな。

『力の根源足る主が命ずる。理を今一度読み解き、彼の者に力を与えよ!』

「ファストパワー!」

 魅了魔法とは違い。一分位の詠唱を必要とした。

 これは淫魔が魅了系統を得意とする為だろう。

 ちなみに馬は身体の力が増えたのか弱い力でも運べる様で調子が良さそうだ。

「おお……」

 おじさんとおばさんは凄い感動している。

 魔法、超珍しいみたいだ。

 ファストスピードも掛けたい所だが、身の保全から使わない方がいいな。

「効果は弱いと思いますがお馬さんも少しは楽になるかと」

「凄いねーお嬢さん! 名前はなんて言うんだい?」

 馬などお構いなしに尋ねてくる。

 なんだろうか、このテンションの高さは。

 俺は気負けした感じに素直に名前を答える。

「あ、はい。ユタカと言います」

「珍しい名前さね。でも共感を覚える名じゃ、実りの豊かさが伝わってくるよ」

 字が違うぞ。

 豊かのユタカでは無く、優しいのユタカだ。

 厳しいけど色々教えてくれた尊敬していた父さんと明るくて子供ながらに信頼していた母さんが付けてくれた名前だ。結果的に俺は自分が生きる為に二人を殺した奴等に復讐しなかったが、二人が大好きだった。

「いえ、優しいと書いてユタカなんです」

「へ~、尚のこと珍しいね。ご両親は立派な方なのかい?」

「はい!」

 そんな会話をしつつ馬に揺られ旅。

 じいさんばあさんテンションアップ。

 更に馬がヒヒンヒヒンとテンションアップ。

 俺、テンションダウン。

 人間、裏の顔が見えると、ちょっと微妙な気分になるな……。

 なんてボーッと考えていると前方に何か見える。

 今度も馬車だ。一つや二つじゃない。更に人が沢山歩いている。

 おじさんおばさんは前を向いているのに気付いていない。

 目が悪いのか? それともサキュバスは特別目が良いのか?

 一応知らせるか。

「あの、前から沢山人が来ます」

「そうなのかえ? 何かあったんのかね?」

 危機感が無い声をあげていたおじさんだったが、前方から来る馬車の大群を見て、キリッと表情が変化した。

 あれだ。他人事だった不幸が自分にも降りかかって来た直後の顔。

 にしても、この人等話をすればする程印象が悪くなっていくな。

 良くも悪くも普通といった所か。

 そして不可解な顔を前方に向けていると徐々に近づいてきておじさんが叫ぶ。

「何かあったんですかい!」

「何かあったなんて話じゃないよ! ブリストールの教会が魔物に占拠されちまったんだ!」

「なんだって!?」

 おじさんおばさん大興奮。悪い意味で。

 おろおろした様子でどうしようどうしようと考え込んだ。

 そして俺の方を向く。

 え? 俺?

「わしらはどうすればいいんじゃ!」

 と言われてもな。

 無難に逃げるでいいんじゃないか? 自分の村が襲われた訳でも無いんだし。

 まあ俺もおじさんおばさんと同行するとしよう……。

「くっ!」


 ――依頼発生! 『教会を救え!』『都市を救え!!』『聖女を守れ!』


 なんだ、いきなり。

 頭をハンマーで叩かれたみたいな衝撃が発生して目眩がした。


 種族/淫魔 性別/女 年齢/十

 出身/人間界 容姿/幼い 社会的地位/見習い淫魔

 称号/世界の権利者 身体を貢がせた女 レベル/2

 取得能力/人化、淫魔の発現、練習状態異常魔法、練習支援魔法、審美眼

 世界依頼発生中/『教会を救え!』『都市を救え!!』『聖女を守れ!』


 俺は世界依頼と書かれた項目に意識を集中させる。


 世界依頼/教会を救え!

 内容/ブリストールの街の教会が魔物に占拠された。詳細は不明。

 達成条件/魔物の殲滅及び、教会の存命者の救出。

 報酬/二つの依頼と混合(達成数に応じて報酬変化)。

 適正レベル/不明。


 世界依頼/都市を救え!!

 内容/ブリストールの街が魔物に占拠された。詳細は不明。

 達成条件/魔物の殲滅及び、魔物の親玉の討伐、あるいは撃退。

 報酬/二つの依頼と混合(達成数に応じて報酬変化)。

 適正レベル/不明。


 世界依頼/聖女を守れ!

 内容/ブリストールの街が魔物に占拠された。詳細は不明。

 達成条件/指定の人物を保護し、他二つの依頼を達成する。

 あるいは依頼終了期間まで聖女を守りきる。

 報酬/二つの依頼と混合(達成数に応じて報酬変化)。

 適正レベル/不明。


 これは所謂、ワールドクエストという奴だ。

 依頼には正義よりの内容が表示されているが、この依頼内容は変化する事もある。

 例えば魔物に知能があるなら、そちらに加担するという事も可能だ。

 中には依頼自体にフェイクが含まれていて、悪者の手伝いをさせられる事もある。

 だから無条件に依頼を達成する必要は無い。

 何より、まだ俺はレベルが低い。

 この手の依頼はこちらの状況に関係無く発生する傾向があり、序盤からじゃんじゃん発生する。

 無論、無視して逃げるという選択もプレイヤーしだいだ。

 要するに死ななければ何をするのも自分しだい。

 さて、どうするか。

「どうすればいいんですか!?」

 俺が聞きたいよ。

 おじさんおばさんは俺に意見を仰いでいる割には既に馬が反転を始めている。

 その間も俺は思考を続ける。

 逃げるのが一番無難な選択肢だ。

 レベルも低く、世界にも疎い。装備も無ければ能力も貧弱。

 この状態で達成できる依頼とは到底思えない。

「だが、行こう!」

 元の世界に戻れるかは解らない。

 しかし、もしもこの世界で生きていく事になるのならワールドクエストの重要性はかなり高い。今の内から調べて置いても問題は無いはずだ。

 それに、ワールドクエストは勇者と呼ばれる人物や戦闘能力に優れる仲間になりうるNPC……いや、人物が集まる。

 この世界で生きていくなら仲間は必要だ。

「おじ様、おば様、ありがとうございました。私は苦しんでいる人を放って置けません。直にブリストールへ向かいます」

 キャラクターを作って演じる。自分でも堂に入った演技だ。

 きっとサキュバスとしての上昇効果でも掛かっているんだろう。

「そんな! ユタカお嬢さんみたいなお子さんが何をしようっていうんですかい」

「幸いにして私には神より授かった力があります。きっと神が導いてくれる事でしょう」

 なんか思ってもいない言葉がホイホイと口から出てくる。

 サキュバス、ハンパないな。

「偉い!」

「はぁ?」

「ユタカお嬢さんみたいな考えの人わしは長年生きてきたが見た事が無い! わしは見ての通り人間じゃ、妻の事もある。一緒に行く事はできん。じゃがこれをもって行ってくれ」

 そう言うと荷台から売り物である豆を瓶に詰めた物と包丁サイズの刃物を渡してくる。

 受け取って審美眼で確認する。


 道具/ファーマナ豆。

 効果/食べる事で体力や怪我などに回復効果(微)を得られる。

 料理の材料や保存食にもなる。


 武器/錆びたハンティングナイフ。

 効果/大振りのナイフ。攻撃力は見た目程高くない。

 材質/鉄。刃の部分以外に所々腐食の形跡が見られる。


「いいんですか?」

「ええ、ええ! ユタカお嬢さんが役立てておくれ!」

「何から何までありがとうございます! このお礼は必ずします!」

 そうしておじさんと瞳を交わすと……。


 種族/人間 性別/男 年齢/38

 出身/人間界 容姿/老けている 社会的地位/普通の農家

 称号/20年の実績 レベル/17

 取得能力/農家の知恵、緑の指、作物加工、馬術。


 最初より多い。随分と信頼されたもんだ。

 ちょっと嬉しい。

「後、これも持っていきなされ」

 チリーンと弾かれるコイン状の物体。

 両手で掴んで中身を確認すると見覚えの無い銀貨だ。

 材質は白銅貨か。

 確か白銅貨は……。

「1カルドじゃ。恥ずかしながらスライムの本当の値段じゃよ」

 やはりボラれていたのか。

「これがあればお二方は――」

「ユタカお嬢さん程のお歳の子が他人の顔色を気にするもんじゃありやせん」

「あ……はい、ありがとうございます! あの、名前はなんというんですか?」

「ソルソ村のクストじゃ、近くに寄ったら尋ねておくれ」

「わかりました。クストおじ様、必ずお礼にお伺いします!」

 大きく手を振って別れを惜しんだ後、俺は疎らに通り過ぎていく人波を掻き分けてブリストールの街へと急いだ。


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