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On the Origin of Species Japanese
はじめに
かつて私は、ナチュラリストとして軍艦ビーグル号に乗船していた。そのとき、南アメリカにおいて、生物の分布と、その大陸における過去と現在の生物との時間を超えた関係にとても驚かされた。そこで見た事実は、さる偉大な哲学者が「謎の中の謎」と呼んだ「種の起源」を解明するうえで、何らかの光明をもたらすのではないかと思えた。そして帰国した翌年の一八三七年には種の起源という問題に関係しそうなあらゆる事実を辛抱強く集めて考察を重ねれば、この謎が解けるのではないかという予感が湧いてきた。
それから五年間の研究を重ねた時点で、そろそろそれまでの考察をまとめてもよい頃だと判断した。そこでいくつかの断章を書き上げ、一八四四年にはそこそこ納得できる一つの結論にまとめ上げた。それ以降も私は、種の起源という問題に関して、着実な探究を続けてきた。こんな細かい私事をあえて書き連ねるのは、決して性急に出した結論ではないことをわかっていただきたいからである。
(『種の起源』上 光文社古典新訳文庫)




