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神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
一章 猫に弟子入り

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015 私の望み


 猫さんは立派なスパルタスと認識した私は、人斬り以蔵との戦いをもうちょっと知りたい。


「千回以上も戦っているのに、どうして猫さんのことは知られていないんですか?」


 そう。そんな有名な人斬りが戦っているなら、私だって近くにいたら見入っている。しかも五百回以上も勝っているのだから、百回でも見られていたら、超有名人になっていてもおかしくないはずだ。


「ほら? 吾輩(わがはい)、バグを探すのが趣味にゃから。人が多くいるところはすぐに修正されるから、いつも辺鄙なところをウロウロしてるんにゃ」


 うん。猫さんの行動のほうがおかしかった。そんなところを1人でウロウロしていたら、殺してくれと言っているようなモノだ。


「それに吾輩も以蔵のジジイも人に話さないからにゃ~。そのせいにゃ」

「以蔵さんはわからないから置いていて、猫さんはお仲間さんにぐらい話してもよかったのでは? いっぱい居たでしょ?」

「んにゃこと言うとゾロゾロとついてきて、吾輩のバグエリアがバレるにゃ~」


 この人、すっごい秘密主義者だな。しかもバグを見付けても誰にも教えないなんて……あれ? なんで私達には教えてくれるんだろう?


「あんまりよくわからないんですけど、そういうバグって見付けたら、発表したくなるもんじゃないんですか? 自慢になるというか」

「たぶん普通は自慢したがるモノだろうにゃ。どっかのバカもネットに上げて『すげ~にゃろ~』みたいにゃこと書いてたにゃ」

「あ、やっぱりそういうモノなんですね」

「そういうモノにゃ。でも、すぐ修正されるにゃ。どっかのバカのせいでにゃ!」

「あ、はい。そういうモノですよね」


 そりゃそうだ。バグは直さなきゃいけなかった。そりゃ猫さんも怒るね。


「でも、私なんかに教えてもよかったのですか?」

「妹ちゃんは言わないにゃろ?」

「まぁ……はい」

「ぶっちゃけ、初心者の戯れ言にゃんて誰も信じないしにゃ~。にゃはは」

「そういうことでしたか~~~」


 信じてくれてると思ったのに! たった3日の付き合いじゃ無理か! 当たり前だ! でも、私は猫さんのこと信じてるよ!!


「あ、そうにゃ。以蔵のジジイのことにゃんだけど……」

「はあ……」

「第1フィールドにはこないから安心していいからにゃ」

「そうなんですか?」

「にゃ? 心配でその話題をしてたんじゃないんにゃ」


 そういうところも信頼できるところだね。私が怖がっていると思ってたんだ。


「ちなみにどうして言い切れるのですか?」

「吾輩と約束したからにゃ。弱い人とか戦闘職以外の人には迷惑にゃろ? だから、真ん中より上のフィールドを狩り場にしろと言っておいたんにゃ」

「人斬り以蔵と話ができるのに、なんでそんなに知名度ないんですか~~~」


 信用はしてるよ? 信用はしてるんだけど、こんなに知られていないことが信じられない。猫なのに! どうして!?



 猫さんは知名度が低いほうがバグを修正されないからそのほうがいいってさ。あと、撫でられるから……

 それで私も納得してしまったから、猫さんはこれからの話をし始めた。


「スキル構成は魔法使いで合ってるにゃ?」

「はい。魔法、知力、MP、火属性、風属性の5個です」


 パンゲアヒストリーオンラインの遊び方は、職業といった物がない代わりに、自分のセットしたスキルでアバターメイキングができる。私のように魔法使いになりたかったら、それに合わせたスキル。

 お兄ちゃんのように前衛職がいいなら、剣、鎧、力、駿足、HPといったスキルをセットしたら剣士になれるのだ。


「それって……自分が決めたにゃ?」

「いちおう……お兄ちゃんに勧められて……」


 猫さんは全てを見透かしたように私の顔を覗き込む。


「違うにゃろ? 体が不自由だから、魔法使いか回復職がいいと言われたんにゃろ? 体が不自由だから、言い返せなかったんにゃろ?」


 その通りだ。私はそもそもゲーム自体も無理矢理やらされているから、自分のやりたいことも言えなかったのだ。

 猫さんは私が目を逸らすと、フッと笑った。


「最初に言ったけど、ここは夢の中にゃ。妹ちゃんは体が動くんにゃから、好きなプレイスタイルにしたらいいんにゃ。てか、お兄ちゃんはにゃ~んもわかってないにゃ。どうせ勧めるにゃら、生産職にゃろ?

 それにゃら町からそんにゃに出なくてもいいのににゃ。自分が冒険したいけど妹ちゃんから目を離せないから、それにゃら一緒に連れて行け~ってなったのバレバレにゃ~」

「プッ……」


 猫さんにかかれば、お兄ちゃんの思考もバレバレ。私も同じこと思ってたから笑いが漏れちゃった。


「んで……本当はにゃにがしたかったにゃ?」

「……自由に走り回れるようなことがしたかったです」

「んじゃ、後衛職より前衛職のほうがいいにゃ。パーティを組みたいとかあるにゃ?」

「できれば……同年代のお友達もほしいですから」

「うんにゃ。素直でよろしいにゃ~。パーティメンバーはリハビリギルドに相談するか、始まりの町にあるヌイーゼの酒場ってところに行けば募集してるから、それは追々説明するにゃ。その前にスキルをリセットしなくちゃにゃ~」


 猫さんは選択肢を挙げる。


「てっとり早いのは、アバターを消去する方法にゃ。今までの経験値はなくなるけどにゃ。面倒なのは、レベル上げして得たスキルポイントで新しいスキルを入手する方法にゃ。アバターを消去して困るのは登録したフレンドが多い人だけにゃ。いない今にゃら、消去がお勧めにゃ~」


 私はどうしようかと考えて、もう少し助言をしてもらう。


「魔法は使えると嬉しいんですけど……前衛職でも使ったりする人、いませんか?」

「いるにゃよ? 魔法剣士とか、魔剣士とかだにゃ」


 猫さん(いわ)く、魔法剣士は剣に魔法を(まと)わせたり魔法を放ちながら戦う人のことで、魔剣士は魔法の剣を作って戦うお財布には優しくてMPには優しくない人のことらしい……


「カッコつけの人が魔剣士を選びがちにゃ。にゃにもないところから剣を出すのがカッコイイんにゃって」

「じゃあ、私は魔法剣士がいいです」


 私はカッコつけたいワケじゃないもん。実用性を取りますよ。


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