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神ゲームの最古参 ~私の師匠は猫さんです~  作者: ma-no
一章 猫に弟子入り

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014 猫さんの過去


「さてと……今日はどうしよっかにゃ~?」


 私の疑問に答えた猫さんは、腕を組んで考える。


「もうちょっとお話したいんですけど……」


 でも、私は話を希望。昨日知ったことを聞きたいもん!!


「話にゃ~……今日、ここにくるまでにコケたりしなかったにゃ? 走ったりしたにゃ?」

「大丈夫でした。普通に走れましたよ。ここに入る時に怪我しましたけど……」

「う~ん……元々まだ軽い症状にゃったし、こんにゃもんか。わかったにゃ~」


 ドリルジャンプ着地の苦情は流されたけど、猫さんは話をしてくれると言ってくれたから私はグッと手を握る。そして丸太の椅子に座ると、質疑応答だ。


「失礼ですが、猫さんのこと少し調べました」

「ふ~ん。でも、にゃにも出てこなかったから聞きたいってことだにゃ」

「はい。ファーストキングダムにいたのに、何も語られていないのは不思議です。どうしてそんなに知られていないんですか?」

吾輩(わがはい)は途中入団で役職に就くのを逃げ回っていたから目立たなかっただけにゃ。そもそもあのクランは特殊でにゃ~……」


 どうやらファーストキングダムとは、戦闘狂の集団らしい……強い人を見付けては試験という名目で喧嘩をふっかけ、勝っても負けても気に入ったら強制入団。仲間内で毎日のようにPVPプレイヤーバーサスプレイヤーをやってたんだって……


「え? え? どのストーリーも一番にクリアーする凄腕クランって書いてたんですけど……」

「そりゃありとあらゆる戦闘のプロ集団にゃよ? それもPHOトップだらけにゃ。力業(ちからわざ)のゴリ押しでボスだって楽勝にゃ~」

「なんか思ってたのと違う……」


 もっと仲間達で切磋琢磨、協力してクランを盛り上げていたと思っていたのに、全部パワーで解決していたなんて……


「ね、猫さんはどうして入団することになったんですか?」

「にゃんだったかにゃ……大手PKギルドを壊滅したのがバレて……だったかにゃ?」

「ひ、1人でやったのですか?」

「うんにゃ。忍び込んでちょっとずっと仕留めて、最後は10人と大乱闘だったはずにゃ。1人にやられたにゃんて恥ずかしくて言いふらさないと思ってたのににゃ~」

「そ、そうなんですか……」


 規格外! 何人いたかわからないけど、そんな組織を1人で潰す猫さんも規格外すぎるよ! そりゃ目を付けられるよ!!


「あ、スパルタスランキングで22位になってたんですけど……それなのに正規の年間ランキングには入ってないのはどうしてですか?」

「集計方法が違うからにゃ。年間ランキングはモンスターの討伐数とPVPの勝利数を(もと)にしてるんにゃ。PVPで全勝していても、数がないと上に行けないワケだにゃ」

「なるほどです。ゴウキさんが猫さんは相手に合わせて不利な条件で戦うとか言ってたから、あまり勝ててなかったのですね」

「その記事も見付けちゃったにゃ~」


 猫さんは照れて頭を掻いた。恥ずかしいのかな?


「スパルタスの集計方法はどう違うのですか?」

「そっちはPVP数と勝率が決めてにゃ。極端に負けていにゃかったら、PVPの数だけでも上に載っちゃうんにゃ。これ、集計してるの、運営なんにゃよ? 非公式に社員の1人が勝手にやってやがるんだってにゃ。余計にゃことしやがって……」

「何を怒っているかわからないんですけど……あ、ネロさんがランクインしてるからですか? しかもニャンニャン位??」


 私の質問はハズレらしく、猫さんはプルプルと頭を振った。


「その社員、ファーストキングダムをバカにするためにそんにゃランキング作ったんにゃ! PVPの数が一万以上の人は自動的に載ることになってるんにゃ!? だからファーストキングダムだらけだったにゃろ!? 吾輩は戦闘狂じゃないんにゃ~~~」


 怒りの理由、よくわかりません。一万回以上戦ってるなら、猫さんもそっち側では?


「いま、吾輩のこともそっち側とか思ったにゃろ?」


 心を読まれた!?


「吾輩は被害者なんにゃ~。アイツら吾輩のことが面白いからって、毎日毎日、何人も何人も、戦わないと帰してくれなかったんにゃ~。そのせいで、PVP、断トツの1位なんにゃ~。十万にゃんて誰が抜けるんにゃ! 吾輩、ソロでバグを見付けるだけで幸せだったんにゃ~~~」


 怒りの理由、わかりました。強制的に入団させられ、毎日甚振られて戦闘狂組に入れられ、猫にさせられたんだね……


 今日も猫さんが泣いてしまったので、頭をよしよし撫でて慰めたら引っ搔かれる私であったとさ。



「あ、もうひとつだけいいですか?」


 猫さんにはまた泣かせてモフるのかと(いぶか)しんだ目を向けられたが、必死にお願いして聞いてもらう。


「いまの年間ランキング1位の人斬り以蔵って人は知ってますか?」

「うんにゃ。あのジジイ、吾輩のことを見付けると嬉々として斬りかかってくるからにゃ」

「あ、やっぱり戦ったことあるんですね。勝ったことは??」

「にゃん度もあるけど、今の戦績は527勝534敗で負け越してるにゃ」

「へ~。そんなに勝てるなんて、猫さんってすっごく強いんですね~……ん?」


 いま、耳を疑うようなことが聞こえたような……


「戦績はいくつって言いました?」

「527勝534敗にゃ」

「戦いすぎ!? やっぱり猫さんも戦闘狂じゃないですか!?」

「ち、違うにゃ~。初対戦で勝ってしまったから、一時期あのジジイに付け狙われてたんにゃ~~~」


 パパが一瞬で斬り殺されて今でもトラウマになってる人と、千回以上も戦えるモノなの?


 私は猫さんもそっち側だと認識して、哀れむ気持ちが失せるのであったとさ。


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