聖女?召喚、え?ババアはいらないのでどこか行ってもらえますか?
ナーロッパ的な王城の地下の一室、そこには光り輝く魔法陣と
その真ん中に残された最後の聖遺物
それを囲む6人神官と1人の大神官
そしてその国の王族たちの姿があった。
大神官
「これが残されし最後の聖遺物です。」
王
「これで聖女様は呼べるのか?」
大神官
「おそらく最低でも聖なるものはおいでいただけるかと思います。」
王
「聖女ではなく聖なるもの?」
大神官
「はいこれは、どうしようもなくなったとき一度だけ女神さまの恩恵を賜れる
といわれている最後に残された聖遺物です。女神さまの恩恵を賜れるということから
おそらくこの状況であれば、聖女様をお呼びできるかと・・・」
この国、いやこの世界は滅びかけていた。
100年前までは豊穣なる大地の恵みにより
繫栄を謳歌していたのだが、100年前を区切りに
どんどん、大地の恵みが失われ、そして50年前からは
一部の大地は、呪われた地とかし、そこからは魔物が
生まれ、世界を滅ぼそうとしている。
そこで人類は、世界を救ってもらおうとこの世界の創造者の女神の
代行者である聖女を探した。
ただどんなに探しても見つからない。
この世界には聖女はいないのかもしれない。
そこで聖遺物を使い神の力の代行者である聖女を召喚しようとした。
代償としていくつもの聖遺物と神官の命が失われた。
そして数十年かけようやく一人の聖女の召喚に成功した
最初に呼ばれた聖女は言った。
「信仰が足りないため、女神様のこの世界への干渉ができなくなっています。」
聖女の言葉を信じ、世界中の神殿では新たな女神像を作り崇めた。
そして聖女はその力をふるい、呪われた大地を浄化し、
一部ではあるが大地の恵みを復活させた。
ただ消耗は激しく、5年ほどで力を使い果たし帰らぬ人となった。
そして、滅びは再開された。
聖女を召喚すれば延命できるとわかったせいか、
それからも何人もの聖女が呼ばれ犠牲となった。
聖女は、犠牲となることを理解していても
その聖なる心から、自己を犠牲としてでもこの世界を延命させた。
ただどんどん聖女が支えられる期間は少なくなり
先代の聖女に至ってはたった一か月で帰らぬ人となった。
そして最後の聖女の召喚から1年がたった。
いくつもの聖遺物、多くの神官の命が失われた聖女は呼べない・・・
そして今・・・
大神官
「残された、聖なる力を使える神官とそして私の命にかけても召喚を成功させて見せます」
王
「すまぬ。ただお前たちだけを犠牲にはしない。還俗したとはいえ私も、もとは神官、
そして妻も修道女だ。これが最後となるのであればこの命も世界に捧げよう、
先代王の遺児たちよ後を頼むぞ」
そして召喚の儀式が始まった。
その場にいる神官、大神官、王、王妃の命を吸い取りながら魔法陣は
今までの召喚の際より明らかに明るく輝き、そしてその光は
聖遺物にささがれていく。
そしてひときわ大きく輝いた瞬間、神官、大神官、王、王妃は崩れ落ち
そして魔法陣の真ん中には二人の女性の姿があった。
一人は金髪の若い美しい、白いローブのようなものをまとった女性
もう一人は白髪のしわくちゃのおばあさんで、服装も薄汚れたローブだ。
第一王子
「ああ、聖女様御来訪いただきありがとうございます。」
第一王子は、おばあさんを押しのけ若い女性に手を伸ばした。
その際おばあさんは転倒した。
第二王子
「目障りだ、兵士よ聖女様のおまけでついてきた下女をすぐに王城から追い出せ!!」
第二王子の言葉を聞いた兵士たちは困惑しつつも、王がなき今
王子の命令には逆らえず、おばあさんをこの部屋から連れ出した。
そして、ここが運命の分かれ道であった。
当初、何が起こったのか理解できず、口を大きく開けて固まっていた
若い女性が言った。
その言葉は、この世界の言葉ではない。
神のみが使える全次元共通言語だ。
それはすべての魂のあるものの根源に埋め込まれ理解ができる。
女神?
「なにをされているのですか?」
第一王子
「この言葉を使われるということは女神さまであられましたか」
バカな王子であれど、相手が神または、神に準ずるものであることが理解できたため
膝をついて言った。
女神?
「なぜ、先ほどのようなことを行ったのですか?」
第一王子
「先ほどのようなことですか、ああ女神さまの下女を追い出したことですか、
申し訳ありません、下女にすら心を砕かれるとはさすが女神様」
女神?
「私は女神ではありますがあなたたちの言う創造の女神ではありませんよ?」
第一王子
「?」
女神?
「自分の代行者の代わりとして、姉妹神である私の世界から代行者をさらっていく
不届きものがいて申し訳ないと、姉に呼ばれ、話をしていたところなのですが
犯人はあなたたちですか?」
第一王子
「え?」
地球の女神
「正しく信仰されないため、信仰の力が届かなくなり、そして干渉もできなくなってきた
ところでこんな事件を言われていましたが、あなたは自分の創造神を理解すること
すらできないのですか?」
第一王子
「え、あんな薄汚れたババアが?女神は美しい女性の姿のはずでは?」
地球の女神
「この世界を創造する際に、あまりに大きな力を使った代償としてあの姿になったのですが
それすらも伝わってないと?」
それは100年前の王族の暴挙から始まった。
100年前の王族
「儀式のためとはいえ、女神の代理としてもっとも女神に近い姿のもの、つまり薄汚いババアに
手とはいえ接吻をするのは嫌だぞ、どうすればいい?」
100年前の王族の側近
「世界創造から時間がたち、女神は力を取り戻したということでお姿も若い女性に戻られた
ということにするのはいかがでしょうか?どうせ形式上の儀式、変えても問題ないでしょう」
100年前の王族
「それはいい、そうしよう。ああそれなら神殿に美しい女神像を奉納でもするか」
100年前の王族の側近
「それは名案ですね、すぐに各地の神殿に新しい女神像を奉納させていただきます。
女神も美しい姿と思われて悪い気はしないでしょう」
そして信仰はゆがんだ。
そして今・・・
地球の女神
「私の聖女を奪い犠牲にするばかりか、あの美しかったお姉さまが犠牲となり支えてきたのが
こんな世界だったとは・・・」
第一王子
「そんなつもりは・・・」
地球の女神
「姉のすべての力を回収し、この世界をさります。この世界は、今後神なき世界となり、
死後の世界もない、死ぬことすらできない呪われた世界になるでしょう。さようなら」
そして女神が消えた。
そしてそれから世界から光が失われていった。
植物はすべて枯れた。
水も消えた。
人と魔物を除くすべての生き物が消えた。
この世界に残る人から生命が失われた。
生命が失われたが、死後の世界がないため人は死ねない。
すべてグールとなった。
グールは生命を口にすることで一時だけ空腹から逃れることができる。
しかしこの世界には生命を持つものはいない、永久に飢えに苦しむしかない。
魔物も奪うべきリソースがなくなったため消えていった。
世界は永遠の滅びにとらわれ悠久の年を超え、すべての物質が摩耗し消えるまで
続くこととなった。
おまけ
城の兵士
「おばあさん大丈夫ですか?」
城からおばあさんが追い出されるとき一人の兵士がついてきた。
おばあさん
「こんなことをしていても大丈夫なのかい?」
城の兵士
「大丈夫ではないですが、あまりにもひどいではないですか
私の立場なんてどうでもいいです。せめて私だけでもお力になれないかと」
おばあさん
「こんな力なきものについてもいいことはないですよ」
城の兵士
「いえ、メリットはありますよ」
おばあさん
「え?」
城の兵士
「私の心が叫んでいます。この美しい女性を話してはいけないと」
おばあさん
「え!?」
城の兵士
「さあ、私の女神様、一緒に逃げましょう!!そして結婚してください!!」
この兵士、性癖がババ専であるw
おばあさん
「この年老いた老人を女神と・・・・」
地球の女神
「お姉さま、こんな世界には見切りをつけて力を回収し私の世界に来ましょう。」
城の兵士
「!?」
城の兵士は困惑している。
創造の女神
「この方はこんな姿になった、まだ私を女神として信仰してくださっていて
先ほど結婚してほしいといってくださったのですが、連れて行っても?」
地球の女神
「もう信仰心をもったものはいないと思っていましたが、まだ残っていたのですね
お姉さまが、そう望むのならひとりくらいであればかまいませんわ」
城の兵士
「!?」
そして城の兵士は、この地球にわたり女神の伴侶となり幸せに暮らしましたとさ。
力を取り戻し若返った創造の女神
「え?ババアプレイ?愛するあなたが望むなら、どんなプレイでも・・」
城の兵士
「え?俺ババ専なのに、新しい性癖に目覚めちゃう―――」
どこまでも続く甘やかしと奉仕で城の兵士の性癖も変わりそうです。
めでたしめでたし
って実は城の兵士ババ専じゃなくて甘やかしてくれるママならよかったんじゃ・・・