コラム:ミルクヒル
ミルクヒル
哺乳類の乳を吸う蛭。体長は乳を吸う前は10cm前後。乳を吸うと直径20cmほどの球状に膨らむ。
他の血を吸う蛭と違い歯はなく、乳頭を傷つけることなく咥え込み吸引する。
孵化後に吸乳がない場合は2カ月、一度の吸乳で一年以上生存することが可能である。
元々はアスリマ大陸に生息していたが、搾乳に便利なためニーネスタ島に持ち込まれた外来種で、近年その害が広まっている。
搾乳に使うときは、予めきれいな水に入れ十分清めたミルクヒルを用いる。牛の乳頭にミルクヒルを吸い付かせたあとは、下にバケツを置く。
十分に乳を吸ったミルクヒルは自重で下のバケツに落ちるので、それを回収する。
回収したミルクヒルを圧搾機などで押しつぶし、ミルクを回収する。このとき、ミルクヒルを潰しすぎるとミルクヒルの体液までミルクに混入してしまい、品質の低下を招くことがある。とくに、ミルクヒルの卵がミルクに混入することで、ミルクヒルが予期せぬ増殖をしてしまう恐れがある。酪農家にとっては便利なミルクヒルだが、他の家畜や野生生物にまで害を及ぼすことがあるため取り扱いには注意していただきたい。
ちなみに、下茹でして焼いたミルクヒルは独特の歯ごたえと旨味があり、酒のあてに良い。




