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魔法剣士学園の救世主  作者: 寺田ゆきひろ
第ニ章 魔法剣士学園の生活
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第九話 魔法と剣術の訓練

 今日から本格的に魔法と剣術の訓練が始まる。ルーフェルトも教えてくれるので、リリアは楽しみにしていた。

 早速、リリアはルーフェルトの部屋に行ってドアをノックした。「ルーフェルト、朝よ」と声をかけたが返事がなかった。

 ドアを開けるとルーフェルトはいなかった。リリアは慌てて、「ルーフェルト、何処へ行ったの」と叫んで探すと使用人が、「お嬢様、ルーフェルト様は裏庭にいましたよ」と教えてくれた。


 リリアは、急いで裏庭に行くとルーフェルトが目をつぶって座っていた。

「ルーフェルト」とリリアが声をかけると「どうしたんだ。リリア」と返事をした。

「何をしているの」

「無の極致で集中することで精霊力を高めていたんだ。精霊力を高めるには一番いいんだ」とルーフェルトは言った。

「精霊力を高めるって」

「精霊力を高めることで、魔法の威力が格段に違うからね」

「そういうものなの」

「そうさ」

「あ、そうだ、朝食が用意できたそうよ。食事にしましょ」とリリアは言った。

 そして、リリアとルーフェルトは朝食をとってから制服に着替えて学園に登校した。


 学園に着き、教室に入ると皆んながルーフェルトのところに集まってきた。

「授業が終わったあとは、ルーフェルトが教えてくれるのよね」と級友のルナが聞いた。

「あぁ、今日は皆んなに魔法剣士としての原点を教えるよ」とルーフェルトが話しをすると「おー」と声を出した。

 皆んなは、早く授業が終わるのが待ち遠しかった。やっと、授業が終わり、皆んなは校庭に出た。


 早速、ルーフェルトは魔法の発動に伴う原点から説明した。

「皆んなは、魔法陣をイメージして出現させてから魔法を唱えるんだよね」とルーフェルトが聞くと「そうだよ」と答えた。

「それでは、魔法の発動するまで剣術での攻撃もできない。まったく効率が悪いんだ」とルーフェルトが言った。

「どうするの」とルナが聞いた。リリアも興味深々でルーフェルトの話しを黙って聞いていた。

「頭で魔法陣をイメージしながら剣を使っての魔法陣を出現させる訓練をしよう。僕たちは魔法剣士だ。剣で攻撃をしながら魔法陣をイメージするんだ。同時に魔法陣を出現させて魔法も唱えるんだ」とルーフェルトが言った。

「えぇー。そんなことができるの」と皆んなが言った。

「そうさ。訓練さえすれば皆んなもできるよ。同時にできると効率がいい。魔法を使うにも無防備にならないし、攻撃しながら魔法も使える。これが本来の魔法剣士なんだよ」

「そうなんだ。皆んなやろう」と級友のアナルドが言うと皆んなは、「やろう」と叫んだ。


「皆んな、目をつぶってくれ。まずは集中訓練だ。集中して頭の中で魔法陣を描いてくれ」とルーフェルトが言った。

 早速、皆んなが始めた。そして、この訓練を二週間程度行うと皆んなの魔法力も高まり。剣で攻撃しながら魔法も使えるようになってきた。

 この様子をミステリアは校舎の屋上から見ていた。

「あの、ルーフェルトという少年は、ただの魔法剣士ではないな」と感じていた。

 そして、空では、ラフェルがルーフェルトを見守っていた。ミステリアを見かけると「あいつは、誰だ」とも思っていた。

 ミステリアも同じく、「あいつは、何者だろう」と空を見上げて思っていた。

 お互い、危害を加えるやつではないなと思ってお互い何もしなかった。


 ルーフェルトは異常な魔力を感じて「なんだ、この魔力は」とルーフェルトが突然、言った。「これは、魔人だ。皆んな、校舎の方に逃げろ」とルーフェルトが叫んだ。

 そして、ラフェルとミステリアも、この魔力に気が付いた。

 そうすると北側の空から軍勢が見えてきた。暗黒魔人ガルバロスの部下ガゼルと魔人の軍勢を引き連れて北側の空から飛竜に乗って向かってきたのだった。


 ルーフェルトは、精霊魔法を唱え空に舞い上がった。皆んなは、ルーフェルトが空にとんだので吃驚した。

 ガゼルと魔人の軍勢の前にルーフェルトが立ちはだかるとガゼルが叫んだ。

「ルーフェルト、我が主、ガルバロス様の命でやってきた。お前を殺すためにな」とガゼルが叫んだ。

「ガルバロスの部下だと、なぜ我々を襲う」と聞くと「問答無用」とガゼルが手を掲げて魔人をけしかけた。


 ルーフェルトは「こんだけの魔人がいると皆んなを守れないかもしれない」と判断して叫んだ。

「皆んな、四人一組になって、一人の魔人に対処してくれ」と皆に指示を出した。

「了解した」と皆んなは答えた。


「ラフェルいるな。皆んなをサポートしてやってくれ」とラフェルにも指示を出した。

「承知しました」とラフェルも叫んだ。


「ミステリアさん。申し訳ないけど助っ人をお願いできませんか」とルーフェルトは叫んだ。

「わかりました」とミステリアも叫んだ。「ふ、私がいることがわかっていたのか。やっぱり、ただものではないな」とミステリアは思った。


 早速、ラフェルも生徒たちをサポートしながら風の刃を出して、魔人を切り裂いていった。

 ルーフェルトは集中し、急激に精霊力を高め精霊魔法を唱えた。手を上にかがけると空から光の矢が出現した。

 ルーフェルトが手をおろすと大量な光の矢が魔人たちを襲った。バタバタと魔人が倒れていった。

 ミステリアも水の刃を出して、魔人を切り裂きながらルーフェルトを見ていた。


「これは精霊魔法ではないか、これだけの精霊力は半端ではない。あいつはエール族ではない人間だぞ。しかも光の魔法を」とつぶやいていた。「しかも、あのラフェルという男も、風の精霊魔法を使っている。あいつは風の聖剣士なのか」とつぶやいた。

 生徒たちも四人一組で魔人と戦い貢献していた。ラフェルに対して「サポート、ありがとう」と声をかけていた。リリアも、アリア、ルナ、ルベルトと四人一組で戦っていた。


 ルーフェルトは、再度、精霊力を高めて火の魔法を唱えた。空から三十メートルぐらいの大きい火竜が出現した。それを飛竜にさし向けた。火竜は、飛竜と飛竜の乗った魔人たちに攻撃して敵を消滅させた。

 それを見ていたミステリアは、「これは、火の魔法と光の魔法を使っただと。この膨大な精霊力を使った精霊魔法、それと複数の魔法種を使う魔法師は、ルーフェルト様しかできないことだ」とつぶやいた。

 そして、ミステリアは確信した。「この人こそがルーフェルト様だ」と思った。


 さらにルーフェルトは風と水の精霊魔法を唱えた。空から竜巻が発生して、竜巻の中では氷の刃が混ざっていた。そして、竜巻が魔人を取り込んで魔人を切り裂いた。

 またたく間にルーフェルトの前にいた魔人の軍勢が全滅してしまった。そして、ミステリア、ラフェル、生徒達が戦っていた魔人も全滅した。


 ガゼルは「なんてことだ。あれだけの魔人が全滅だと」と叫んだあと、ガゼルは、ルーフェルトの前にたちはだかった。

「ルーフェルトさすがだな。我が軍勢を全滅させるなんて」とガゼルが言うと、「これで、最後だ」とルーフェルトが言った。

「ふふふ、私の負けだ。一ついいことを教えてやろう。我が暗黒城にくるといい。ガルバロス様が待っている。そして、おまえにとって大切な人がいるからな」とガゼルが言い残して、「スッ」と消えた。

「僕にとって、大切な人って誰だろう」とルーフェルトは思った。


 するとリリア達、ラフェル、ミステリアがルーフェルトのところに来た。

「皆んな、大丈夫か」とルーフェルトは聞いた。

「大丈夫です」とリリアは答えた。ラフェル、ミステリアも「大丈夫です」と答えた。

 ミステリアが「ルーフェルト様」と声を出そうとするとルーフェルトは首を横に振った。


「皆んな、格段に強くなったな。今の訓練を続ければ、もっと強くなるよ」とルーフェルトは話して、その場を歩いて去っていった。その後をラフェル、ミステリアは追いかけた。

 リリアもルーフェルトを追いかけて「ルーフェルト、何処にいくの」と聞いた。

「リリア、僕にはいかなければいけないところがあるんだ」

「私も、一緒にいきます」とリリアが言うと「駄目だ。危険すぎる」とルーフェルトは答えた。

「私は、あなたの婚約者です。いつも一緒です」とリリアは話した。

「私がリリアさんを守りますから、一緒に」とラフェルは言った。ミステリアも「私も一緒に同行させてください」と言った。

 ルーフェルトは少し考えた。「ありがとう。わかった。もう少し準備をしてから行くとしよう」と話した。

「念には念をいれて。戦力を強化しよう」とルーフェルトは思った。


「リリア、先に帰ってくれないか。ラフェル、ミステリアに大事な話があるんだ」とルーフェルトは言った。

「でも」とリリアが言うと「たのむ」とだけルーフェルトが言った。

「わかったわ。ルーフェルト」と答えて、リリアは、この場を歩いて去った。


 リリアの姿が見えなくなるとミステリアとラフェルが片足をひざまついて、頭を下げた。

「ルーフェルト様ですね」とミステリアが話した。

「あぁ、立って、顔を上げてくれ」とルーフェルトは言った。

 二人は、「はい」と言って、立って顔を上げた。


「ミステリア、君の攻撃を見ていたが君は水の聖剣士だね」とルーフェルトは聞いた。

「はい。水の聖剣士、十二剣将の一人です」とミステリアが答えた。

「でも、君の名前は聞いたことがなかったな。あっ、もしかして水の問題児と言われたやつがいたな」

「はい、その水の問題児です。私はミステリアといいます」

「そうか、君だったのか」とルーフェルトが言うと「へへへ、そうです」とミステリアは答えた。


「ラフェル」

「はい。わかりましたルーフェルト様、私は風の聖剣士候補生であるラフェルといいます」と答えた。

「そうでしたか、だけど、ルーフェルト様がこんなところにいるなんて、聖剣士はルーフェルト様を探せと指示がでてましたよ」とミステリアは話した。

「ミステリア、黙っていてくれないか」とルーフェルトは話した。

「仕方がないですね。黙っていますよ。だけど、ルーフェルト様と一緒にいさせてくれませんか」とミステリアはお願いした。

「ミステリア、君には一緒にいてほしい。あと、ミリアとミルリルを呼んできてほしい」とルーフェルトは頼んだ。

「わかりました」とミステリアは答えた。

 ラフェルが「水の聖剣士である姉妹のミリア様とミスティ様ですか」と聞くと「そうだ、ただ、僕がここにいることは内密にしてほしい」とルーフェルトは言った。

「はい」とミステリアは答えた。

「僕は、少し行くところがある」と言って、ルーフェルトが空を飛んで去っていった。


 リリアは先に帰ると父ルベルトと母リリーが深刻な顔をしていた。

 リリアが「お父様、お母様、どうしたのですか」と聞くと二人とも何も答えなかった。

 すると、リリー泣き出した、ルベルトが「申し訳ない。リリア」と言葉を出すだけだった。

 リリアは、「何があったのだろうと」と心配するのだった。


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