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ファンブル特攻隊 in Fantasic Wonder World  作者: ニリとん
02 胎陛妖のクソ雑魚ラッシュ
19/50

急に始まったのは暴虐~うぉっほ!?~

うぉふ!(一番くじチャレンジ失敗で怒りの投稿)

うぉふぅ!(どなたか艦これ一番くじのちょこのっこのしゅじゅやを私にお恵み!下さい!)

[22回やってちょこのっこ9個獲得してこのザマかよ]

うぉふぅ!(聞いてよ奥さん、神通と那珂と瑞鶴がダブったんですって!)

[あらやだ交換してさしあげて?]

うぉふ!(何はともあれ更新です!)

 ぷかぷか。ごうんごうん。うぉふうぉふ。

 僕達はとても安心で安全に道の隣を進んでいます。道の隣のエリアは草原が広がってて、このままショートカットで北にもいけるとか。でもまあ、道に沿って行こう。


 そんで、僕達は安全なんだけど。


「あっ、シマウマさんだよファンブル」


 草原から走ってきたのはシマウマさん。シマウマの癖に立派な1本角をお持ちで、しかも翼すら有していらっしゃる。そんな奴の名は。


『ジュラフポニー Lv.12』


 ちゃんと種族をはっきりしろ。シマウマなのかペガサスなのかキリンなのかポニーなのか分からん。


 そんなジュラフポニーさんは猛突進してアオハルに向かってくる。そして雄叫びを上げて速度も上げた。


「クェエエエエエエエエエエッ!」

「「鳴き声は鳥だよなぁ……」」


 ガンガン加速してアオハルへ、いやその上の僕達を轢き殺そうと空中を走るジュラフポニーは。


「クェエエエ!?」


 アオハルガードに阻まれてビリビリされ、そのまま黒焦げになって動かなくなった。やっぱりこの船強い。よっこらせーと立ち上がって寝転がる姫を抱っこしてぽいっと放り投げる。ぷぃいいいいと落下してく姫はその勢いでジュラフポニーに蹴りを入れて完全に倒し、収納にぽいっと素材を回収してからふよふよと甲板に戻ってくる。


「ただいま」

「お帰り」

「じゃあパパにする」

「は?」

「えっ?今『お帰り。ご飯?お風呂?それともパパ?』って……」

「幻聴ですね」

「…………世界は、終わった……」

「終わったら次が始まる。ちゃっちゃと切り替えろ切り替えろ。うりうり動け動け」

「ぷぃいっひひひ!」


 ぷぃーっとぷかぷかしていた姫はぷぃひっと甲板に張り付き、そのままゴロゴロと足元まで転がってくる。そしてによによする表情が絶望に変化すれば横からわふが割り込んでくる。勿論わんわんの弾丸は姫を突き飛ばして場外に落とし、うぉふんと勝利の鼻息と共にのし掛かってくる。あーらかわいいわね。よによに。


「うぉふんうぉふん」

「ぷぃいいい、もぉ怒ったもんね!わふは私が場外にしてやる!」

「うぉっふ」

「何だ何だその見下した態度はー!」


 再びふよふよと浮上した姫はぷりぷりしてわふに向かって行く。だがしかし新たな乱入者により姫はまたも吹き飛ばされた。


「うるせぇ蜂」

「ぷぃぁぁぁあああああ…………てめえコルァ乳虫ィ!」

「黙ってろばーか」

「搾るぞ」

「やはり持たざる者とは分かり合えんのか……やれやれ」

「よし面ァ貸せ」

「てめえがな」


 いつものきゃっとふぁいとが開始し、わふはやれやれと首を振って甘えてくる。もぉー困った子ねぇ。

 ふにふにとわふの耳で遊びながら観戦していれば、てるるの奇声がアオハルに響き渡る。なぁによ今度は。


 どったんばったん大騒ぎしながら駆けるてるるは僕を見るとすぐに泣き顔で走り寄ってきた。ふええええんと半泣きのてるるは僕に……違った。わふにもふっと飛び込んだ。うわぁおべとべとの鼻水がわふに……後できれいきれいしようねわふ。そんな『コイツ殺して良い?』みたいな目をしない。多分殺したところで復活するから。


「びえええええんわふちゃぁぁいああああ!」

「うぉっふ!」

「ぐべらちっ!」


 まあ色々ごしごし拭いてくるてるるは鬱陶しかったらしく、わふはぷっちんして器用に背中のブツを投げ飛ばした。そのままてるるはバウンドしてぽよんぽよんときゃっとふぁいとの中に……あっ。


「「「にゃびーーーーー!?」」」


 ボウリングのピンかのように吹っ飛んだちーちゃんと姫、そしてボールことてるるはちーちゃんについでに殴られて場外。わふ、ストライク。ふふーんって……そんなに嫌だったか。はいはいシャワーしようね。






 さっぱりしてからふわふわ度の増した、何処かツヤツヤしているようなわふと一緒に甲板に戻れば、ボロボロの3人が床からお出迎えしてくれた。正直とても絵面がアブナイのだが、大体状況は把握しているのでそういう気持ちにはならない。というか娘2人に男の娘1つだぜ。


「ボクは物じゃにぇいぞクォルァファンブルゥア!」

「うわ心理学振ってやんの」

「これはクリティカルですかね?とりあえず謝罪のドゥゲーズァをどうぞ」

「断る」


 全く。わふが鼻を鳴らしててるるを煽ればてるるが乗せられ、怒ってるるにぐれえどあっぷした。寧ろ弱体化かもしれないがまあそれはそれ。


 そんな感じに、僕達は非常にゆるゆるしながらポートポートに進んでってます。アオハルが強いのが一番問題。




 てちてち歩いて甲板を進み、後方まで進むとそこにはエルちゃんがいた。そしてその前には……んー、キングワームの絨毯。時々色んな色があるから楽しいね。苦手な方にはSAN値直送モノだけど。


「へぇーいエルちゃん」

「パッ、父さん。来たのね」


 きらぁああああ!と一気に表情が輝くエルちゃんはパパと言いかけてから父さんと言い直した。この子何か甘える時は甘えるけどそれ以外はクールに振る舞ってるっぽい。さっきまではそう確かにクールだった。

 でも僕を見ればでれぇっと表情筋が溶けてにへにへし出すのよね。もう可愛い。だがそのまま咳払いしてキリッとしてもな、パパはもう遅いと思うんだなエルちゃん。ほら皆生暖かい視線じゃないの。何故キングワームの視線を把握出来るんだか謎だがそれは今問題ではない。


「パッ、父さんが来たから一旦終わりよ。後は自主訓練してて」


 女王の風格の宿ったかぁっくいい背中を見せて頂けたが、くるっとこっちを向いた時の『えっへへへぇパパぁ』な表情が残念なのでギャップが良いかと思います。


「パパぁ、エルちゃん頑張ったよ褒めて褒めて」

「はいはい抱っこ抱っこ」

「えへぇ……抱っこ!」


 蕩けて表情が大変なことになっているエルちゃんを抱っこしてよしよししながら、蠢いて各自頑張ってるキングワーム達を見てみる。

 今回エルちゃんが連れてきたキングワームは30匹。その内の20匹はノーマルキングワームである。個性を身に付ける為にトレーニング中の彼等はまだ動きが初々しい。最初はしょうがない。慣れてきたらどんどん応用していきなさいね。

 そして本題。個性あるキングワーム達10匹。この子達は……うん。順番に紹介していこう。


「おうお疲れさん」

「「「「ジュゥイイイ」」」」

「「ブゥィイイ」」


 火薬虫と爆裂虫。例の誕生祭の時には孵化させなかったキングワーム亜種の計6匹である。遂に孵化させて太陽の下に踊り出したこの子達は、キングワームのような芋虫ってよりはミノムシに近しい形態で、その……いわゆるガスプ姫(旧型)。

 しかし何ともふぁんたじぃなことに、この子達は簑をニトロで作るのだ。しかも個体毎にどの火薬を好むかは異なり、何処から調達したのかそしてどんな方法か、固体のガソリンを纏う火薬虫もいる。引火しそう。


 そしてこちらはいつの間にか変化してた子達。変質種のキングワームってとこか?


「よによにお疲れお疲れ」

「「び」」


 その名も……ホッパー。単純に飛蝗の幼体であります。何だかコオロギとスズムシ、キリギリス、カマドウマ、トノサマバッタを混ぜて青銅色にしたみたいな外見をしており、正直飛蝗よりはハンミョウとかみたいになっていらっしゃる。しかし頭部はトノサマバッタのそれを柔らかくしたような愛嬌たっぷりのお顔であるため意外と可愛い。3頭身だからかな?

 触角の付け根をくりくりされるのがお好きなようで、にゃんこの如く頭をこすこすしてくるその姿は一部の方々を除いて萌え萌えであろう。実際大型犬サイズだし怖いことは怖い。


 エルちゃんを抱っこしっぱなしだとしゃがみにくいのでおんぶに変更、うなじをくんかくんかする変態長女を放置してホッパー達を撫でり撫でり。ぱたぱたと翅を動かしにゃんこの如く嬉しがるホッパーに癒され、最後の変質種へ。


「しゅるるる」

「おうおうまんまるちゃんどうしたどうした」

「しゅるるる!」


 申し上げるのも難しいですが、遥か昔の栄華の時代、虫と言えば様々な外見の異形の小さな生物を指しておりました。蛇や蜘蛛、ヤモリに蜥蜴。昆虫でないモノも虫に分類されており――――――


「だからこそこの変質種は問題なしと言えるんだろうが……」

「しゅるるる?」

「ああごめんな、よによによによに」

「しゅるるるー!」


 この目の前の()()()()もキングワームの変質種としては正しいのだろう。いやどうなんだ。

 元のキングワームの身体から一回り程縮んで太股1つ分くらいのサイズになった目の前のツチノコ。ちょろっと伸びた尻尾とまるっこい頭が非常に可愛いこの子は……うん、もう原型をとどめていない。いやぁーそれにしても不思議だなぁキングワーム。虫なら何でもありなのか。あ、ちなみに悲しいお知らせだが、このツチノコちゃんはとても丁寧に捕食器官を出して威嚇する。かぱっと開いたお口からとんでもないモノが出てきた時にはてるるがSAN値直送された。悲しいかな悲しいかな、奴は『キングワーム克服のチャァァアアアアアンス』とか言ってたのでとても面白い絵面だった。満面の笑みで気絶したてるるは何故かそのままリスポーンした。んーこのツチノコちゃん強い。


 一通り皆と遊んで楽しみ、てるるが僕を怒りのパンチで吹き飛ばしたことでタコ殴りにされてリスポーンするのを見て大笑いしていたら、再びシマウマさんが来た。そしていつもの流れ作業で回収をした丁度その時にソレは顔を出した。


「ぱっぱぁぱっぱぁ」


 最初にソレを見たのは回収係ことガスプ姫。ぷぃーーーっと羽音を鳴らして帰投した彼女は僕にこう言った。


「鹿さん」

「鹿さん?……へ!?鹿ァ!?」


 普通に驚いてととっと姫の指す方へと顔を向ける。何だ何だ鹿がこんなとこにいるのか?


 そして鹿さんと目が合う。そう、ガゼルだとか痩せたキリンとか、サバンナにいる動物ではなく我々が言うところの鹿さんである。つぶらなおめめで此方を見、こてむと首を傾げたその姿は正しく鹿さんである。





『忽然変異侵食体、富損疾鹿(トムソンガゼル)亜種』

(クラ)き鎧を纏いし影の闇』

『愛しき子鹿は何を見る』

<特殊個体:闇影之視角姫獣(ツノメオウマガジカ) 分類:虚骸>







 んー?これもしや赤銅触手冥皇蟲(シニガミドウカブト)と同じような感じでらっしゃる?急に現れたモンスターの上に分類:虚骸って……。もしかしなくてもか。


「きゅああ」

「あら可愛い」


 姫鹿は可愛くとことこと此方に進み、アオハルの前でぴこぴこと耳を動かす。可愛い。


 …………アオハルの、前で?…………アオハルガードは…………突破されてる?


「総員早急に戦闘準備ィイイイイイ!」

「ふぁっ、どうしたファンボォそんな焦って」

「ほれ見ろよあの鹿さん可愛いね!」

「あー……おお鹿さん。可愛い…………んー?これクソ不味くないかな?」

「そうだね!」

「いそいでじゅんびしなきゃ」


 てるるは真顔でたたたっと走り、非戦闘員を待避させる。勿論ここにゃそんなのいないし無限復活出来るので徒労に終わった訳だが。




 ふよふよ、ふよふよ。鹿さんがアオハルの甲板へと浮かんでくる。対して此方は臨戦体勢であります。正直怖すぎててるると武者震いしてるがしょうがない。

 何故って?


『アオハルガードを抜いた』のは、このアオハル就航以来少ない期間では、真生多脚蜘蛛(アシテラグモ)……最上位モンスターのエリアボスしかいないのだから。


「きゅあ」


 てとっとオウマガジカが甲板に降り立つ。きょろきょろして興味深そうにしている推定エリアボスのモンスターは、僕を見るとてこてこ歩き出した。


「……よぉーしまだ手は出すなよ、出来るだけ穏便に行こう。ガチバトルするなら屋外に出るぞ」

「あいさー」


 そしてオウマガジカがてこてこ進む間に虚骸之死角仮面(ペストブランク)を装着すると……


『はろはろ?きこえる?』

「!?」


 オウマガジカが喋り出した!アイエエエエエエエ!知能高い!アイエエエエエエエ!……よし。O(オウマガジカ)R(リアリティ)S(ショック)から立ち直り、目の前の小鹿と目を合わす。


「あー、どーも?」

『あ!やった!あえた!』


 オウマガジカはてとてと走っていたがぴくっ!と止まって此方を伺った。端から見れば間合いを計っている所に思われるだろう。うーん、皆の表情が一気に強張った。


『あたしね、あたしね、おつかいしたの!』

「お、おう?」

『やぎのゆうびんやさん!あらためしかのゆうびんやさん!』

「お、おう……」

『どーぞ!』


 オウマガジカ……ちゃんだな。舌っ足らずょぅι"ょ系の声に従って、オウマガジカちゃんが置いたお手紙を見る。ご丁寧に蝋で封までされたこのお手紙……i?iかぁ……。







『かみさまから!』

「だろうね」


 脳に『いえーい』とダブルピースする邪神が浮かんだ。そういうことだろうな。で、なになに……?


『背景ーこの手紙ー、よんでーいるあなたはーー、何処でーなにを以下略。終わり』

「こいつ馬鹿だろ」


 たらいがごーん!


「ってぇ!野郎ぜってぇ許さねぇ!」

「さっきから全く状況に付いていけないんで解説よろしく」

「煽るだけ煽ってきたのでイラッときた」

「超速理解」


 てるるにぺろっと手紙を投げ、オウマガジカちゃんに改めてお尋ねする。はいはーい質問質問。


「ところで君は?」

『あたし?あたしのこと?』

「そうそう」

『あたしねー、しかさんだよ!』

「あらー」


 にこにこおーらがぺかーっとオウマガジカちゃんから出てくる。純粋過ぎて眩しい。手を出すとぺろっと舐めてくる。あらあらこれはこれは……。

 しかしそんなことするのはあの子の特権であり、やはりと言うべきか飛び込んできた。


「うぉふ!」

『うわ!なにすんの!』

「うぉふ!うぉふ!」

『むむ!でもあたしのほうがつよいからあたしがうえなの!』

「うぉふ……!うぉふぅ!」

『うー!うるさいうるさいうるさぁい!』


 わふがオウマガジカちゃんに横から頭突きを食らわせて吹き飛ばす。しかし推定エリアボスのオウマガジカちゃんはがおうがおう!と吠えて耐えきりそのまま戦闘体勢に入った。あーもーわふ……!



 わふの特攻に何とも言えなくなっていると、てるるがとても複雑な表情で肩を叩いてきた。どうした?と振り向くと、その手に持っていたRerzoviamからのお手紙を……裏返した。


 あっ何か書いてある。


「ファンブル。これ、さ」

「ふむ?このモンスター、オウマガジカは一定数の草原のモンスターを狩ると出現するよ。怒るとすごい怖いから友好的にすれば良いかな」

「そう、その下」

「この子の好感度の一定値を越すと、ボクプロデュースの街『ユーリ』に行けるようになるよ。待ってるわね☆……成る程任せろ何とかしよう」


 これは大仕事だな。とにかくわふを止めよう。さっきから殺気立ってるし。んっふ面白い(棒)。






「ん?これ透かしがある。えっとナニナニ。この子オウマガジカちゃんは……え?中ボス?え?その上能力的には最凶?え?これ……わふちゃん……アッハイけもけもバトルは実際殴り合いよりも凄惨です」

「エルお姉ちゃんや」

「何?」

「チィも参戦したい」

「やめとけやめとけ!」


 さーてと、この戦いどうしたもんかな……。

このオウマガジカちゃんが脳に出てきたのは月曜日。喋り始めたのは今日。私の性癖がバレる(?)わぁい楽しそお。

ちょこのっこに関しては割と真面目に交換に応じますのでお寄越せ下さい(禁断症状による支離滅裂な言動)


庭の水溜まりを見たらうねうねしたのがいっぱいいた。恐らくアレがドロミミズ……かな?アレのおかげで有機物が分解されるので頑張って分解してほしい。ただヘドロになるので少しをフトミミズに錬金したいね。今日も今日とてメダカは泳ぐ……。

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