蜘蛛と蜘蛛、そして我々 Ⅶ
[おまたせ☆]
うぉふうぉふ(えー、悲しいお知らせも)
[何と、更新の順番を変更します!]
うぉふふ(先に章を終わらせる感じです)
[ということでとりあえず終わるまで全裸待機してよろ]
うぉふ!?(アンタバカぁ!?)
[それと]
[もし貴方がこれを読んでいるとして、権限レベル1:【閲覧規制済】を持っているなら]
[アイを、確かめて]
エルちゃんから僕がRerzoviamと会ってる間の出来事を教えてもらった。いや、うーん。ちょーっと想像出来ませんね?まあそれはそれでいいか。終わったコトだし。
「んじゃ殺っちゃうか」
「ん」
エルちゃんを抱っこし直して真生多脚蜘蛛のとこへと向かう。こあらさんになっちゃったエルちゃんは端的に言って可愛い。あーらよちよちよち。
「オルルァてめぇ何しとるんだコルルァ!」
「しゃしゃってんじゃねぇぞボケァ!」
そしてそれに嫉妬した2匹が突進してきた。可愛いけどちょっと怖いぞお前達。足と背中にお荷物ちゃんがくっついたので当然歩みは遅くなる。こらこらこいつめ、甘えん坊さんめ!
「…………フッ」
「てめぇ何笑てんクソァ!?」
「うるさいわ馬鹿娘共」
「「ぴえん……」」
エルちゃんに頭ポンポンすると、背中の姫がぶちギレる。多分エルちゃんが何かしたんだろう。でも!耳元でやるのは!やめてね!
右足にぺっとりとちーちゃんが引っ付き虫してるので歩きにくかったが、アシテラグモの前に到達する。ボロッボロになってるし何だか情けない感じもするけど敵だからね容赦はせんよ?
とりあえず。
「触手の消化液どーん!」
『パパの体液!?』
「君達は黙ろうか?」
虚骸之死角仮面で身体から伸びた触手を使ってげろりんちょ。胃酸っぽい感じの酸っぱい香りが辺りに漂う。虫娘達は急に興奮し始めて身体が温かくなってきた。それはちょっと……薄い本系列になっちゃうから……だな?とにかくその触手は僕であって僕ではありませんわよ。
エルちゃんがチラッと後ろを向いて蜘蛛さんの状態を確認したが、すぐに顔を前に向けて首筋に埋めてきた。そりゃそうじゃろう、どろりどろりと溶けかけてるマジヤベーイ感じだからね。ところでエルちゃん、そこは美味しくない。ペロペロしないの。はむはむもダメです。すりすり?可愛い。許可。
「あー、もう虫の息じゃあないかー」
「おー尺取り虫になってるるさんだ、こにゃにゃちわ」
「どぉも」
ぺったぺったと地面を這ってエントリーしてきたてるる。正直言って気持ち悪いので普通に歩け。アシテラグモを見て何か可哀想なモノを見てる表情になった。まあほぼ無限に回復してたからね。その度にぐちゃぐちゃにタコ殴りされるのは可哀想以上に同情というか。
だがアシテラグモは敵である。てるるはやはりてるるであった。
「えーっとねぇ。錬金魔導解放、あー……燃えちゃえばぁーか」
「適当過ぎか」
疲れてるるは口から何か炎を吹き出してアシテラグモの傷口にエンチャントファイアした。いやぁ残酷。何がって?消化液の水分が蒸発して楽しいことになってる。言ってみれば高濃度の酢が傷口に塗り込まれてる訳だな。痛い痛い。
まあここまで来たら後はトドメか?
「殺っちゃお殺っちゃお」
「「「おー!」」」
うちの子達が元気に飛び出してアシテラグモに暴行を加えていく。エルちゃんが魔法の猛攻でアシテラグモを削れば、姫がざくざくと身体に手刀を突き立てる。ヤバいのはちーちゃんだ。アシテラグモのあんよを少しずつへし折り千切り取ってぽい。千切り取ってぽい。単純に言えば拷問だろうか。コワイ!
「パッパぁパッパぁ、これどーする?」
ちーちゃんがアシテラグモの眼をぐりっと……やめてSAN値減るからそんなの見せないで……!
「ぽいしなさいぽい。あともうちょっと目に優しく……」
ちーちゃんはきゅぴぃん!と目を輝かせてぽいっしてこっちに駆け寄る。あらどーしたよ。そのままぎゅぅうっと抱き付いてすりんすりんと甘えん坊してくるちーちゃんだが、まんま猫の行動パターンと同じである。こーらこんにゃろ。
抱っこし直して頭ポンポンすれば、ちーちゃんは嬉しそうにぎゅうぎゅうして……、えー、あー……ちーちゃんのメロンがふにふにと柔らかく形を変える。役得ではあるけど……。
「あー、当たってますね?」
「当ててんのよ」
ちーちゃんはニヤッと妖艶に微笑み、僕の首筋にちょんっと手を添えて厭らしく撫でた。おい待て!お前妙にそういうの似合うな!出来ればやめて頂けると理性が助かります。
僕のそんな心情を読み取ったのか、非常にアレな表情でちーちゃんは抱き締める力を強めてくる。ええい息が荒い!
「パパぁパパぁ……結婚しよぉ……ッヘッヘッヘェ」
「スケベ親父か!」
段々とテンションが上がってきたちーちゃんは僕の頭の虚骸之死角仮面を手で退けようとする……ん?
「閃いた」
「え?……いやぁ!?パパの触手がぁ!やめちゃダメぇ!」
「ハッハッハ!これならお前も諦め……んー?寧ろ悪化してないかこれ?」
虚骸之死角仮面の触手でちーちゃんを縛り上げてぷらりーんと吊るす。絵面はとても危険だが本人は悦んでいるのでこれで行こう。
腹に巻き付いた触手にぶら下がったままにゅでゅぅっへへと笑みを漏らすちーちゃんを連れ、アシテラグモの様子を見る。奴は面影が辛うじて残っているぐらいに破壊されており、溶けたり焦げたり、一部はずったずたに砕かれている。幾ら何でもこれには耐えられない様子であり、ほぼ虫の息である。つーかもう死んでないかこれ。
試しにちょんちょん触ってみたが、収納への回収は出来ずドロップも追加されなかった。
「それじゃ葬り去ろうか」
流石にもう楽にしてあげたい。大体、そこにいるだけで狩られるって中々悲しい……けど実際NPC達にとっては害しか持ってこない上に幾らでも湧いてくるから駆除として割り切ればむにゃむにゃ。
エルちゃんと姫、それにわふを触手で回収する。UFOキャッチャーの如くぷらぷらして運ばれる虫娘達は正直言えば可愛い。触手じゃなければ恐らく可愛い。触手を見てちょっと危ない表情をしているのも除けば可愛い。
「パパの触手に吊るされるって中々に興奮しますね?」
「ぷぃっへへぇ……!実質これはパパとのスキンシップでは……!?」
「黙れ」
ちーちゃんが何だかばたばたしてパパはちーちゃんのだ!とか言ってきたのでついでに触手で頭をパンチしておく。実質ご褒美とか言って涎を垂らす変態ちーちゃんを大の字で休憩してるるに放り投げ、カブトビーム。
「安らかに寝てろ、二度と湧かないで下されお願いします」
「シィィ――――――」
全身を包んだ虚角深淵対消滅線はアシテラグモをほぼ消し飛ばし、残った脚を触った所で収納にドロップアイテムが格納された。
戦闘終了である。
「づがれだ」
「パパお疲れ様でしたちーちゃんのお膝でどうぞお寛ぎ下さい」
「牛はおうちで草でも食べてろ」
「蜂は1匹だと何も出来ないもんね、口だけ口だけ」
「その喧嘩買ったァ!」
「上等じゃ羽虫クォルァア!」
てとてとっとてるるを踏みつけて駆け寄ってきたちーちゃん。ぽすっと頭をぶつけてすりんすりんするが、姫に煽られて喧嘩が始まってしまった。姫をすぐに放り投げててるるの方に向かう。
「あーっ!?パパ!?」
「ほぉら見やがれ見放されてやんの!」
「てめぇ絶対に出荷してやるからな?」
「蚊が煩いな、叩き落とそっと」
「ほざけ屑めが!」
「わぁお……元気ですねお宅の娘さん」
「本当に元気だね」
てるると一緒に遠い目で喧嘩を観戦する。ホントーによくうごくねーあのこたち。
いやそんなことしてる場合じゃなくて。
「戦闘終了、全員帰還ってことでよろしいかしら」
「あら、どうしましょ」
おてるるさんは口元に指を当て、んーっと唸る。あらやだ可愛いわね?お嬢様みたいですこと!
そのてるるは、後ろの方にチラリと視線を飛ばした。
「……」
そしてにぱぁ!と笑う。
「まいっか!かえろかえろ!今日はもう終わり!」
『いやちょっと待て?』
「畜生逃げるぞファンブォウ!」
「あっ待て!……で、何なの?」
ニコニコしてたてるるは一瞬で全力の逃走を開始する。そしてチラリと後ろを見れば。
・襲い来る筋肉達磨
・戦闘の後っぽい騎士団的な皆様
・他、ギルドの面々多数
絶対にめんどくさいことになる。
「よぉおおしマラソン大会だァ!参加費はロハ!そしてぇ優勝したら安寧が得られるぞ!やったね!」
「「「うぉぇっぷ」」」
『待ちやがれ触手野郎!』
「んー?これは新しい触手プレイの路線かな?」
さーっと触手でちーちゃんと姫を回収、それでアオハルにちゃっちゃか乗り込む。筋肉達磨ことギルド長が追い付いたけど、アオハルガードで搭乗が出来ず接近も出来ずで弾き飛ばされていた。付いてて良かったアオハルガード。お宅にもお1つ如何でしょう?
「ほぉいおかえり!出航よろしく!」
「へいただいま!……あれこれそういうのじゃないか。とにかく出航!ばつびょぉおおおおお!」
先に入ってたてるるが妙に高いテンションで色々促してくる。こうなることが分かってたんだろう。いや何で言わんの?
「だってアシテラグモと殺り合ってる最中に来てたし……」
「アッハイ」
そうしてバタバタしながらも真生多脚蜘蛛との戦いは終わった。でも本人にその時の圧倒してた記憶無いってアホでは?
上空に浮かび上がったアオハルに滞空しておくよう指示を出し、漸くログアウトをした。てるるもハイライト消えてたし、明日は授業中寝そうだな……。
翌日。
「おはよ」
Rerzoviamが家にいた。
「おは……お帰り下さい」
「楽しそうだったね昨日は」
「実際楽しかったけど本人としては2度としたくない経験だったね?」
「2度も無いだろう経験をしたんだ、誇れよ誇れよ」
「誇ってどうすんだ」
「それもそうだね?」
何故かコトコトと鍋を火にかけて味噌汁を作っているアイマスクの邪神は、ふと思い出したようにして言う。
「あ、お邪魔してまぁす」
「邪魔どこじゃねぇよな何でご飯作ってる」
Rerzoviamはお玉で少量お味噌汁を掬って口に含む。ふむふむと頷き煮干しをひと摘まみ……というよりは小さめのを3匹入れた。美味しくなるよねそれ。
「じゃなくて」
「いや、お友達になったんだからご挨拶に?」
Rerzoviamがてろっと指を振ると虚空から茶碗が出現した。そしてそれを手にしてRerzoviamが味噌汁を注ぐ。どっから出した、そして何で作った。さっきの煮干しも何処から調達したのか全く謎なんだが。
「作った」
「あ、はい。原材料は?」
「まごころ」
「毒見はしてないよな」
「ボクのまごころは毒だった……?」
良く分からないモノを材料にして味噌汁を作っているらしい。ちょーっと命が危なくなってきましたねぇ?
すると、あはは、とRerzoviamが笑う。
「ウソウソ。ちゃぁあんとした奴だよ。部下を使いっ走りにしたよん?」
「こんだけのために!?」
「こんだけっ、おめぇさては分かってねぇなぁ!?オラこんなに頑張ってんだぞ!?ひでぇこと言うなあおめぇ!」
「嘘ごめん動揺したわ」
くわっ!と目が見えないけど目を見開いたと思われるRerzoviamが龍の玉みたいな口調で捲し立てる。おいやめ!
何だかんだしたがきちんとしたご飯が並んだ。いつの間にか炊けていた艶々の白米がこんもり盛られ、お味噌汁と仲良く肩を並べる。ひとりぼっちに見える焼き鮭も、お隣さんになったお浸しにお熱のようで少し焦げちゃったりもしている。
うん。
はっきり言えばものすごい手料理感してて勿体無い。この邪神良いお嫁さんになりそう。邪神ってことを放棄して考えれば普通に恋してるわね?
Rerzoviamは楽しそうに向かい側に座ってにまにまと頬を緩めている。ちょっと、これはラヴラヴなカップルですか市民?ラヴラヴでクラフトかもしれませんね市民?
「どぞどぞ」
「アッハイ。頂きます」
「味わって食ぇよぉお?」
「多分美味しく食べちゃうから大丈夫」
「何が?」
お手々を合わせて頂きます。ほろほろご飯をぱくりんちょ。おいちい。おいちくたけてる。
「つーか何故にこんな家庭的な?」
「古事記にもそう書かれてたし」
「ネオサイタマに帰れ」
「アイエエエ……ひでぇ流石カズひでぇ」
お味噌汁をずずっ。良い味を醸し出してらっしゃる。ダシの煮干しが良いお仕事をなさってらっしゃるなこれは。
「ところでさ、Rerzoviamってふぁわわの中での存在じゃないの?」
「あら、そこ聞いちゃいますの?」
「気になったし」
「実在しますわね」
「あらやだまさか実在されていらっしゃるとは」
焼き鮭をご飯に乗せてはむっ。お塩が効いててご飯が進む。もぐもぐ。
「ん?」
「ん↓ぉお↑どぉ↑したぁ↓」
「え?実在してらっしゃる?」
「セヤデー」
お浸しをしゃくしゃく。乗っかってる鰹節もおいちい。流石ですなぁ?
「ご馳走さまですた」
「ありがとぉきれぇに食べてくれたねぇ」
「え!?つーことはRerzoviamってマジモン!?」
「おいおいこのテーブル時差あんぞ時差」
「いやご飯食べてる間はね?作法として」
「ワオ……ゼン……」
朝からSANチェック染みたマジモンの邪神がおうちに湧いた混沌とした朝。美味しいご飯を作ってもらった中々にぶっ飛んだ体験をした後は、お着替えしてがっこーである。照が死んでないか心配ですね?
そういうことで学校なんだが、照が後から来た瞬間に教室がざわっとした。
「あーカズおはー」
「うぃぁー」
『!?』
聞き耳を立てれば、やれ『2人してあんなに疲れきってるなんてさては朝帰り?』だの『やっぱり付いてないんだろ!?知ってるよ俺ぁ!?』だの、楽しい妄想がいっぱい飛び込んできた。聞こえないとこでやれ。いやそうすると寧ろ気になるな?そこで良いわよ。
照がくてぇとへたり込んでどろぉっと溶けると、その上に揺らぎが生じる。
「お待たー」
「待ってねぇわ馬鹿か」
「こんなに可愛い子に馬鹿ってアナタ」
「性格やら知ってるからね?」
「それもそうだね?」
エントリーしたのはRerzoviamちゃんである。何故にこういう最高位の存在は我々の日常に突然飛び込んでくるん?
そのままふよふよっと僕の上に動いてばふんと煙になって消えた。何処に行った。すると目の前にちょこんと2頭身サイズのRerzoviamちゃんが出現。可愛いね……でも目隠しがちょっとそういう風にしか見えませんな?
「Rerzoviamちゃんだぞぉ」
「あらぁかぁいい!かえれ!」
「やぁだぁもぉおおん」
Rerzoviamちゃんはじったばったして暴れる。駄々っ子か。聞いたところ、姿を変えるぐらいなら幾らでも出来ると。あらそうでっか。しかしキモいのはやだということでスプラッタ系統は遠慮させてもらってるとのこと。だろうな?
「どぉせ見えないんですからここで全裸になっても良いですねッ!」
「良くない」
「でもそんなこと言ってぇ?ほんとわぁ?」
「握り潰すぞ馬鹿が」
「小さくなった弊害がこれですか」
配慮はしているようで、ふぁわわの中でRerzoviamとこんにちはしてないと見えないようにしてるとか。現在は僕しかいないとのこと。それなら大丈夫……か?
「まあそれはそれで。今あっちでは大変なコトになってるから、早く帰ってログインしたげなさいな」
「あーっと!そういえばウチは今晩停電するんだったか!」
「ほぉら無視しない無視しない」
「お前マジ邪神」
弛緩して安心しかけた所でこれだ。コイツ本当に性格腐ってんな。
「おまいう」
「おまいう」
「「……は?」」
両者共に腐ってるってことで落ち着いた。帰ったらログインだけしとこうかな?
ちなみにこの間ずっとわふ氏はアオハルでおひるねたいむしてた模様。可愛いかよ?
[いやぁボクはホントォにサイコォだからね、手乗りサイズでもせくしぃぐらまらすぼでぇなのだよ]
ほざけほざけ。
いやぁ更新の理由というのがこの話をしたかったからなんだが、遂にべらっちゃんが成長を再開したんすよ!ああああもう可愛い!1日1日少しずつ成長してくの可愛いんだよもう!くそぉなでなでしてやる!それとうちのトマトがナメカスに食い荒らされて心も荒れてる。ふざけんなボケ!ブルーベリーを初収穫したことで少し収まったけどな!やはり初物は良いぞ!