誘拐
誘拐
午後6時
おかしい、二人がまだ来ていない。あれだけ遅刻するなと言っていた玲奈も、これまで一度も遅刻をしたことが無い真也もまだ来ていない。
「嫌な予感がする。」
そう思うと大輝は自転車に乗り、玲奈と真也の家に大急ぎで向かう。
「ピーンポーン。すいません、大輝です。玲奈さんいらっしゃいますか?」
「玲奈なら「高級焼肉奢って貰う!」って言って30分ぐらい前に大輝君の家に行ったはずだけど。」
「ありがとうございます。」
「もしかすると真也の家に行ってるのかもしれない。」
「ピーンポーン、すいません、大輝です。真也君いらっしゃいますか?」
「真也なら20分ぐらい前に玲奈ちゃんが来て連れて行ってけど。」
「ありがとうございます。」
「プルプル、プルプル、プルプル。」
電話をかけるが出る気配が無い。
「クソ、どこ行った?」
もしかすると行き違いになっているかもしれないと考え、家に帰る。
「まだ、来てない。」
家の前には人影が無く、本当に来ない二人を心配する。
とりあえず待つため家に入る為、鍵穴に鍵を刺した時に違和感を感じる。
「何で開いてんだ?鍵はちゃんと閉めたはず。」
恐る恐る扉を開け誰かが侵入した痕跡を探す前に何故か焦げ臭い匂いがしている事に気づく。
「!!」
急いで扉を開けると目の前の壁に「友達を返して欲しいのなら一人で学校の裏の倉庫に来い」と焦げた文字が書かれていた。
「間違いない。アイツらだ。」
家の鍵を締めずに急いで学校に向かう。
急いだお陰かすぐに学校の裏の倉庫に着き息を切らしながら倉庫の扉を開ける
倉庫の中にはざっと見ただけで20人のヒーローが見える。そしてその中にトップの新田豪の姿が見える
「早かったじゃねぇか〜。約束通り一人で来れたみたいだな。底辺の割には肝が座ってるな褒めてやるよ。」
部屋の奥にいる新田豪が煽る用に褒める。
「二人はどこにいる。」
「二人は、ほらここだよ。」
奥の壁に鎖の様な物で手を縛られ口には布が巻かれて喋れないようになっている。
「テメー!!!」
倉庫の扉を強く叩く
「おぉー怖い怖い。そうキレんなや。コイツらを生かすも殺すも俺に委ねられてるんだぜ。」
新田豪に主導権は完全に握られている為、従うしかない。
「そいつらを離してやってくれ。そいつらは関係ないだろ。殺すんなら俺だけにしろ。」
「関係ない?関係ならあるさコイツらはお前の友達だろ。」
「それだけの理由で巻き込んだのか?」
「あぁそうさ!お前のその舐めたような態度を治すためにな!!」
狂ってやがる。だからヒーローは嫌いなんだよ。
「分かった。俺は別に殺されてもいい。でもそいつらを逃してやってくれ。頼む。」
大輝はその場で跪き土下座をする
「そこまで頼まれちゃしょうがねぇな。お前にとってコイツらは命より大切な親友なんだな。わかったコイツらは逃してやる。」
「ありがと」
「とでも言うと思ったか!!」
次の瞬間20人の内の一人が大輝の身動きを封じる。
「何のつもりだ!!」
「言っただろ。お前のその態度を治すのが目的だと。」
新田豪は縛られている玲奈の服を破り大輝の目の前で無理やり犯すつもりだ。
「その目気に入ったよ。そう言う奴を壊すのが一番楽しいんだ。」
強がる玲奈の目を見た新田豪はさらに興奮してズボンを脱ごうとしている。
隣で縛られている真也はそれを阻止しようとするため体を強く揺らしている。
「玲奈、真也頼むから目を瞑ってくれ。」