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剣道は異世界で通用しないそうです(仮)  作者: 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
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プロローグ(1)

初投稿です。よろしくお願いします。

「何処だ…此処は…?」


見渡すと、そこは一面鬱蒼とした森であった。


「おかしい…。僕は確か部活動から帰っている途中だった筈だ…。」


僕は肩には竹刀と防具袋がある。明日は試合の予定だった。しかしそれは無駄となってしまった。


明日は年に2回の大きな大会だった。全国クラスでは無いものの、県ではそこそこ強い強豪校の大将として、日々朝早くから努力してきたのに、無駄となってしまった。


主将や師範からは


「おまえしか大将の器が居ないから…頼む!」


とまでお願いされたのだ。期待に応えられるよう、自宅でもトレーニングを積み重ねてきたのだ。


それが、こんな偶然で、何処かの神の気まぐれで、踏みにじられたのだ。


どうしようもない怒りが、やるせなさがふつふつとこみ上げてきた。


「いかん、冷静にならねば。平常心、平常心」


そう一人呟いて、歩き出した。


「と、とりあえず此処らへんが何処なのかとりあえず散策してみるとしよう。」


無理やり僕はポジティブな考えに切り替えて、辺りを歩くことにした。


植生は地球、日本のものとそう変わらないような気がする。


しばらく歩くと、ふと虫を見つけて、思わず立ち止まった。


そこに張り付いている虫は日本では見たことのない、気味の悪い極彩色を放っていた。


形で言えば、蜚蠊に似ているかもしれない。


しかしその色は黒みがかかった赤や緑で、ぬらぬらと光を反射していた。


「ギチチチチチ」


そう、虫が鳴く。


ザァ…と風が吹く。


なんてことはない、ただの虫の鳴き声、ただの風のはずなのに、それが何故か妙に心をざわめかせた。


孤独、というのもあるかもしれない。


とりあえず、一刻も早く人に会いたかった。


「その為にはまず、川か道を見つけなければな…。」


そう一人ごちて、再び歩き出した。

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